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2012年1月20日(札幌)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-01 【 PDF
津波の波源生成にともなって励起された大気境界波
Atmospheric boundary waves excited by uplift and subsidence related to the tsunami generation
新井伸夫1、岩国真紀子1、綿田辰吾2、今西祐一2、村山貴彦1、野上麻美1
ARAI Nobuo、IWAKUNI Makiko、WATADA Shingo、IMANISHI Yuichi、MURAYAMA Takahiko、NOGAMI Mami
日本気象協会 1、東京大学地震研究所2
Japan Weather Association1 、Earthquake Research Institute、Univ. of Tokyo2
抄録

2011 年 3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震では、巨大な津波が東北から関東にかけての太平洋沿岸に襲来し、甚大な被害をもたらした。地震によって生成された津波波源は、広大で、かつその隆起・沈降量も極めて大きいと推定されたことから、波源生成にともなって海表面に接する大気が圧縮・伸張され、長周期の気圧変動が励起されたのではないかと考えた。そこで、日本国内および周辺の気圧変動観測点の記録を精査したところ、津波波源の生成により励起されたと考えられる気圧変動シグナルが確認された。その伝播速度、形状、距離減衰特性などから、その気圧変動波群は、波源の特徴を維持しつつ大気境界波として伝播してきたものであることが明らかとなった。

抄録(英語)

津波,気圧変動,大気境界波,長距離伝播
N-2012-02 【 PDF
基礎断熱工法住宅の隣室間の騒音伝搬について
Franking sound of wooden detached house having crawl space poor of absorption
廣田誠一、長谷川重俊
Tomohito Hirota 、Shigetoshi Hasegawa
北海道立総合研究機構 北方建築総合研究所 、旭ファイバーグラス株式会社
Northern Regional Building Research Institute 、ASAHI FIBER GLASS Co.、Ltd.
抄録

木造戸建住宅内の隣室間の騒音伝搬について、近年、新しい工法の普及により施主や事業者から指摘のある1階床下空間を経由した場合の現状把握とその対策を検討した。この結果、室平均騒音レベルを構成する各部位からの放射音は音源の種類によって違いのあること、各部位にグラスウールを入れることでその部位から放射される音は減少することなどが明らかになった。基礎断熱工法の騒音伝搬への影響は、タッピングマシンやボール音源の場合に大きくなることが分かった。

抄録(英語)

隣室間の騒音伝搬,グラスウール,基礎断熱工法
N-2012-03 【 PDF
教室内の騒音と音響補助システム
Classroom acoustics and hearing support system for disabled
石原学
Manabu ISHIHARA
小山工業高等専門学校 電気情報工学科
Dept. of Electrical and Computer Engineering、Oyama National College of Technplogy
抄録

教室内の騒音は以外に大きく、聴覚障害などの集中した聴取を必要とする人々にとって問題点となっている。また、一般の児童・生徒にとても教師の声が聞こえない・聞き辛いことは、学習に支障をきたす要因となることは想像に難くない。そこで、FMワイヤレス送信を利用した製品が販売されている。今回提案のシステムは、学校において導入が行われている LAN を利用したシステムを考案した。また、無線LAN により音声伝送を行うことで、スマートフォンや携帯ゲーム機などの利用を考慮している。システム的にはインタフェースを初心者に利用しやすいよう GUI で操作の少ないものを採用した。また、単音節明瞭度試験の結果平均86%が得られ、十分に実用になるものと考えられる。

抄録(英語)

聴覚障害,LAN,単音節明瞭度,音響補助システム
N-2012-04 【 PDF
ソフトな上端面を持つ高性能遮音壁
High performance T-shaped noise barrier with acoustically soft top plate
長谷部正基、千野哲玄
Masaki Hasebe and Tetsuhiro Chino (Hokkaido University)
北海道大学
Hokkaido University
抄録

遮音壁の高性能化を目指し、T型遮音壁上面を音響的にソフトな状態とするため、片開放の音響管を配列させ、管配列全体の形状を二次元境界要素法(2-dimensional Boundary Element Method)を使用して検討した。 その結果、道路交通騒音に対してより大きな効果を得ることが出来る形状を見いだした。その形状は、管配列を構成するた片開放の音響管の長さを、制御対象周波数範囲の上限周波数に対応する波長の 1/4 から下限周波数に対応する波長の 1/4の長さにまで徐々に変化させるものである。管配列の開口面が山型に構成された遮音壁となっている。以下、山型管配列遮音壁と呼ぶ。山型管配列遮音壁では挿入損失の周波数分布特性が良好で、道路交通騒音の予測モデルに基づく性能も、従来の改良型遮音壁などより良好なものであった。

抄録(英語)

遮音壁
T-shaped,noise barrier, soft surface,road traffic noise
N-2012-05 【 PDF
高速道路の排水性舗装上の交通騒音パワーレベルおよび パワースペクトルの経年変化に関する調査研究
Survey study on the transition of sound power level and spectrum of road vehicle noise in expressway porous drainage asphalt pavement
野口英司1、植田知孝1、石川賢一1、大蔵崇2、長船寿一2、押野康夫3、岩瀬昭雄4、山本貢平5
1Eiji NOGUCHI、1Tomotaka UETA、1Kenichi ISHIKAWA、2Takashi OOKURA、2Toshikazu OSAFUNE、3Yasuo OSHINO、4Teruo IWASE、5Kohei YAMAMOTO
1オリエンタルコンサルタンツ、2株式会社高速道路総合技術研究所、3日本自動車研究所、4新潟大学、5小林理学研究所
1Oriental Consultants Co.、LTD.、2Nippon Expressway Research Institute Co.Ltd.、3Japan Automobile Research Institute、4Niigata Univ、5Kobayasi Institute of Physical Research
抄録

排水性舗装は道路交通騒音を低減する効果があるが、路面の空隙詰まりにより効果が経年で減少していく。道路交通騒音予測モデルである、ASJ RTN-Model 2008 作成に当たり、約16年にわたりデータを蓄積してきた。モデル発表後も引き続き、高速道路にて車種別の自動車走行騒音パワーレベル、パワースペクトルの調査を定期的に実施し、排水性舗装上の騒音低減効果の経年変化について検討を行っている。本論文では日本の高速道路における排水性舗装および密粒舗装上の自動車走行騒音について最新の調査結果・分析結果を報告するものである。

抄録(英語)

道路交通騒音,排水性舗装,騒音低減効果,ASJ RTN-Model 2008
N-2012-06 【 PDF
Social surveys on community response to aircraft and road traffic noises in Da Nang City、Vietnam
Thu Lan Nguyen、Takashi Yano、Huy Quang Nguyen、Khanh Tuyen Thi Nguyen、Hiroaki Fukushima、Keiji Kawa、Tsuyoshi Nishimura、Tetsumi Sato
Graduate School of Science and Technology、Kumamoto University、Graduate School of Engineering、Sojo University、Faculty of Engineering、Hokkai Gakuen University
抄録

-

抄録(英語)

To provide more elaborate approach to rate transportation noise annoyance across communities in Vietnam、socio-acoustic surveys on community response to aircraft and road traffic noises were conducted in residential areas around Da Nang City. The community response was obtained by face-to-face interviews during the daytime on weekends. The aircraft noise was measured for seven successive days. Road traffic noise was measured every 1 s for 24 h on the road shoulders of selected streets. The ranges of aircraft and road traffic noise exposures observed in Da Nang were from 52 to 64 dB、and from 66 to 76 dB Lden、respectively. Representative dose-response relationship for aircraft and road traffic noise annoyance in Vietnam has been proposed based on data obtained in Hanoi、Ho Chi Minh、and Da Nang City. It has been found that Vietnamese were more disturbed by aircraft noise but less annoyed by road traffic noise than European people. The respondents in Da Nang were found to be the most tolerant of noise among those in all the investigated cities based on the results of Community Tolerance Level.

Aircraft Noise,Road Traffic Noise,Dose-response Relationship
N-2012-07 【 PDF
新幹線鉄道振動に対する住民反応に 影響を及ぼす要因について
Factors affecting community response to Shinkansen Railway vibration
横島潤紀、森原崇、佐野泰之、太田篤史、田村明弘
Shigenori YOKOSHIMA 、Takashi MORIHARA、 Yasuyuki Sano、Atsushi OTA、Akihiro TAMURA
神奈川県、石川工業高等専門学校、愛知工業大学、横浜国立大学大学院、横浜国立大学
Kanagawa Prefectural Government、 Ishikawa National College of Technology、Aichi Institute of Technology、Yokohama National University、Yokohama National University
抄録

新幹線鉄道振動に係る住民反応の基礎資料を得るために、神奈川県内、名古屋市内及び福岡県内の新幹線鉄道沿線の住宅地域を対象に個別に実施した社会調査と騒音・振動測定のデータを用いて二次分析を行った。具体的には、現行の勧告で規定されている最大値ベースの評価指標を暴露量とし、アノイアンスとの関係を検討した。本報告では、振動に焦点を当て、振動の暴露反応関係を検討するとともに、暴露量以外の要因がアノイアンスに及ぼす影響を検討した。具体的には、騒音レベル及び妨害感がアノイアンスに及ぼす影響及を明らかにした。最後に、騒音・振動以外の住環境要因や個人属性とアノイアンスとの関連についても検討を行った。

抄録(英語)

新幹線鉄道振動,住民反応,ロジスティック回帰分析,交互作用,個人属性

2012年2月23日(新潟)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-08 【 PDF
風車騒音の実態調査について
Field measurements on Noise radiated from windmill for electric power generation
○藤田晋平1、岩瀬昭雄2、内田英夫3
Shinpei Fujita1、Teruo Iwase2、Hideo Utida3
1新潟大学大学院自然科学研究科、2新潟大学工学部、3NS環境株式会社
1Graduate School of Science and Technology 、Niigata University、2Factory of Engineering 、Niigata University、3NS Environmental Science Consultant Corporation
抄録

風力発電用風車から発生する騒音について、その周波数特性や騒音レベルおよびその風速との関係などの基本特性を実測調査により明らかにした。風車騒音の周波数特性の測定では、風車騒音の周波数特性は、風車により様々な特徴を持ち、距離減衰特性の観測および稼動と停止時等観測条件ごとに、風車が低周波数で卓越ピークが観測される。風車騒音と風速の関係の調査により、風速の増減と風車下での騒音レベルの低高の明瞭な関係が確認された。今後より多くの風車を対象とした騒音の周波数特性や音の伝搬状況の特徴を比較、考察することで、風車騒音の実態をより明らかにすることが期待されるが、そのような観点から調査事例を報告する。

抄録(英語)

風力発電,騒音,減衰,風速
N-2012-09 【 PDF
サウンドマップと騒音レベルからみる 24時間の都市活動の変動
Change of the 1 Day City Activities Based on Soundmaps and Noise Levels
石橋知大
Tomohiro ISHIBASHI
法政大学
Hosei University
抄録

都市には、様々な音が存在している.特に現代の市街地では、自然の音や人々の生活に関わる音の他に、自動車や電車等の交通騒音による影響が大きい.こういった音は1日を通して絶えず変化しているため、具体的な実態を知る事は難しい.しかし、騒音及び都市の音環境を考える場合、1日を通した都市の音や、その背景にある都市活動の変化を把握する事は一番の基本となる.そこで本研究では、都市活動が24時間を通してどのように変化しているのかを、音を切り口として実際に観測した.実測調査では器械的な計測を行った他、聞こえた音の分布を記録するといった身体的記録も同時に行った.得られた結果を元に2種類のデータ(騒音レベル変動グラフ、サウンドマップ)を作成し、各々を照らし合わせる事で、都市の音と、都市活動の関係性について考察を行った.

抄録(英語)

サウンドマップ,ArcGIS,都市活動,騒音問題,サウンドスケープ
N-2012-10 【 PDF
線形化Euler法による屋外音響伝搬解析のための 数値地形情報を用いた形状生成および格子生成
Geometry and mesh generations for linearized Euler outdoor acoustic simulations using digital geographic information
大嶋拓也1、平栗靖浩2、今野雅3
Takuya Oshima、Yasuhiro Hiraguri、Masashi Imano
1新潟大学工学部 、2九州大学大学院人間環境学研究院 、3東京大学大学院工学系研究科
1Faculty of Enginnering、Niigata University、2Faculty of Human-Environment Studies、Kyushu University 、3Graduate School of Engineering、The University of Tokyo
抄録

既報において提案された、線形化 Euler 方程式法による実在地域の音響伝搬解析のための数値地形情報を用いた形状自動生成手法においては、平坦地のみの対応であること、および形状生成の段階で階段近似を行うため、任意解像度の格子への対応が困難なことが課題として挙げられた。本報告ではそれら課題を解決する形状生成手法の提案、およびオープンソースのツールキットを用いた実装を行う。さらに傾斜地形を含む市街地および丘陵地の形状生成例の提示により、良好な形状生成が可能であることを示す。本手法では階段近似を行わない形状再現を行うことから、境界要素法および音線法など、他手法への展開が期待される。

抄録(英語)

屋外音響伝搬解析,線形化 Euler 方程式法,形状・格子生成,数値地形情報,数値表層・標高モデル
N-2012-11 【 PDF
複層ガラスにおけるガラス面上の振動応答の観測について
Observation of vibration onglass platesof double-glazed glass
堀口佑太1、岩瀬昭雄2
Yuta Horiguchi1、Teruo Iwase2
1新潟大学大学院自然科学研究科、2新潟大学工学部
1Graduate School of Science and Technology、Niigata Univ. 、2Faculty of Engineering Niigata Univ.
抄録

複層ガラスは、断熱効果や結露防止に優れているため多くの住宅で利用されているが、板ガラスの遮音特性に必然なコインシデンス効果に加え、複層ガラス特有の低音域共鳴現象を生じてしまい、低音域では単板ガラスの遮音性能よりも劣ってしまう。そこで、板ガラスの遮音性能の低下に影響を与えるコインシデンス効果や低音域共鳴現象の発生に大きく起因するガラス面上の振動に着目し、レーザー振動計を用いてガラス表面の振動応答の観測を行い、ガラス板の板振動と遮音性能との関連性について検討した。

抄録(英語)

複層ガラス,振動応答,コインシデンス効果,共鳴現象
N-2012-12 【 PDF
M8以上の耐震を考えた最新の建築設計と、その加振試験
Methodology of the recent construction and its vibration test considering the protection of earthquakes whose magnitude is over 8
北角憲次1、○岡田一秀2
Kenji Kitasumi1、Kazuhide Okada2
1米国 カリフォルニア州オレンジ郡 、2トヨタ自動車(株)
1Orange county、California、U.S. 、 2Toyota Motor Corporation
抄録

東日本大震災で津波では大きな被害が出たが、阪神淡路大震災による教訓もあって、地震そのものによる建物の倒壊で亡くなる人は極めて尐なくなった。日本の耐震建築はロバストになったとは言えるが、再度、加振試験の手法も含めて、最新の設計手法とその加振試験の方法、それに今後の免振への課題をサマライズする。

抄録(英語)

マグニチュード,ダンパー,錘,ヤング率
N-2012-13 【 PDF
騒音に係る環境基準の達成率と住民意識
Achievement of environmental quality standards for noise and community response
龍田建次1、大宮正昭2、久野和3
Kenji Tatsuda 、Masaaki Omiya 、Kazuhiro Kuno
1愛知学泉大学 、2エヌエス環境株式会社、 3愛知工業大学
1Aichi Gakusen Univ. 、 2NS Envirometal Science Consultant Corporation 、 3Aichi Institute of Technlogy
抄録

平成 10 年に騒音に係る環境基準の改訂が行われた。騒音評価量が LA50から LAeq に変更され、併せて地域類型や基準値、時間帯等も見直された。地域類型別の LAeqの基準値の達成状況と住民意識との関連について調査した。一般地域及び幹線道路近接空間においては、環境基準の達成率と住民意識との間に大きな乖離が見られた。その原因について検討及び考察を行なった

抄録(英語)

N-2012-14 【 PDF
残響環境下における日本語母音聴取の明瞭度
Intelligibility of Japanese Monosyllable in Reverberant Environments
三石裕樹、長谷芳樹
Hiroki MITSUISHI、Yoshiki NAGATANI
神戸市立工業高等専門学校 専攻科 電気電子工学専攻
Department of Electrical and Electronic Engineering、Kobe City College of Technology
抄録

残響音等の音環境の評価として STI(Speech Transmission Index)が広く利用されているが、この指標は比較的残響の少ない環境の精密な評価には適していない。本研究では、あらかじめ劣化処理を施した音声を使用して、無響環境下でも明瞭度がある程度低下する条件で聴取実験を行った。67 音の日本語単音節に対して 10 種類の環境のインパルス応答を畳み込んだ音声を呈示して聴取実験を行い、残響ごとに母音の明瞭度に与える影響が異なることを示した。さらに、物理的パラメータが酷似していても母音毎の聴取傾向には大きな差がみられる場合があることも分かり、高齢者などの QOL 向上のためには STI 値等に加えてより精密な評価が可能な新たな指標が必要であると考えられる。

抄録(英語)

残響,日本語母音,明瞭度,STI,MNRU

2012年3月9日(沖縄)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-15 【 PDF
共同住宅における同一住戸内の遮音性能に関する研究
Study of sound insulation performance in the same dwelling unit in multifamily housings
大脇雅直1、佐藤英規2、三室敬史2、芦澤洋2、黒木拓1、財満健史1
OWAKI Masanao、SATO Hidenori、MIMURO Yoshifumi、ASHIZAWA Hiroshi、KUROKI Taku、ZAIMA Takefumi
1㈱熊谷組技術研究所、 2三菱地所レジデンス㈱ クオリテイマネジメント部門
1Technical Research & Development Institute Kumagai Gumi Co.、Ltd.、、2Mitsubishi Jisho Residence Co.、Ltd.、Quality Manegement Division
抄録

実建物において同一住戸内のトイレ、ユニットバスと居室間の遮音性能を調査した。トイレに隣接した居室であっても廊下を介した居室であっても概ね 30~40dB の音圧レベル差であった。床仕上げ構造の違いや床下間仕切壁の有無によっても室間音圧レベル差の傾向に差は見られなかった。間仕切壁の遮音性能よりも扉の下のアンダーカットの影響が大きいためであると考える。ユニットバスと居室間も同様の傾向であった。次に、消音型トイレシステムを提案し、遮音性能の調査を行った。トイレの扉下にアンダーカットがある一般の扉に比べてアンダーカットがない扉は1kHz帯域以上で5~10dB遮音性能が向上した。通常の生活環境では行為音はほとんど聞こえないレベルになると考える。

抄録(英語)

共同住宅,遮音性能,同一住戸
N-2012-16 【 PDF
トンネル発破工事に伴う地盤振動音の実測 とその特性に関する基礎的考察
Measurement and basic study on Rock Pressure Pulse caused by tunnel blasts
吉岡清1、前田幸男1、河野興2
Kiyoshi Yoshioka、Sachio Maeda、Ko Kawano
1佐藤工業㈱技術研究所、2元佐藤工業㈱土木事業本部
1Technical research institute、Sato Kogyo Co.、Ltd. 、2Civil engineering department、Sato Kogyo Co.、Ltd.、former position
抄録

土被りが小さいトンネルの発破工事などにおいて、トンネル坑口から充分離れた位置でも発破音が観測されることがある。これは、発破による地盤振動音で、坑口から放射される一般的な発破騒音、低周波音とは異なる伝搬機構、伝搬経路によるため、従来の予測式などが使えない。本書は、地盤振動音が観測された2つのトンネル発破工事において、音と振動の計測を継続的に行い、その結果から、地盤振動音の周波数特性や、その単発騒音暴露レベルと薬量、距離との関係などを求めた。また、既往の類似したデータとの整合性に関しても考察し、今後、地盤振動音が問題となるトンネル発破工事の事前環境評価や施工管理などに活かせるデータとなることを目指した。

抄録(英語)

トンネル 発破音,地盤振動音,低周波音,工事騒音
N-2012-17 【 PDF
環境音楽による道路交通騒音の心理的軽減 ―散策路の視覚情報による影響の検討―
Effect of ambient music on psychological attenuation of annoyance of road traffic noise when seeing visual information of a walking course
城島隼人1、金基弘2、岩宮眞一郎2、高田正幸2
Hayato Jojima、Ki-Hong Kim、Shin-ichiro Iwamiya、Masayuki Takada
1九州大学大学院芸術工学府、2九州大学大学院芸術工学研究院
1Graduate School of Design、Kyushu University 、2Faculty of Design、Kyushu University
抄録

著者らは、環境音楽による道路交通騒音の軽減効果を検討し、環境音楽の付加が音環境の快適性向上に有効であることを示してきた。本研究は、環境音楽による音環境の快適性向上効果が、視覚刺激のある条件においても等しく得られることを、印象評価実験により実証したものである。視覚情報の有無によらず、道路交通騒音が55~65 dB 程度までであれば、騒音よりも 2~4 dB高い環境音楽を付加することで音環境を快適にすることができる。この範囲以下のレベルでは環境音楽の効果はなく、この範囲以上のレベルで環境音楽を付加すると音環境の快適性は失われる。道路交通騒音が70 dB になると、騒音軽減可能なレベルの環境音楽は、音環境を不快にする。

抄録(英語)

環境音楽,道路交通騒音,騒音軽減,快適感,景観
N-2012-18 【 PDF
ハイブリッド・電気自動車が増加してきた状況下における 自動車走行音に関する意識調査 -年代や性別での意識の違いを探る
The Questionnaire Survey on the Attitude to Road Traffic Noise under the Situation of Increase of the Hybrid and Electric vehicles: The Difference of attitudes by Age and Gender
坂部佑磨1、井上さやか1、山内勝也2、岩宮眞一郎1
Yuma SAKABE、Sayaka INOUE、Katsuya YAMAUCHI、Shin-ichiro IWAMIYA
1九州大学、2長崎大学
1Kyushu University、2Nagasaki University
抄録

ハイブリッド・電気自動車が増加してきた今日の状況下における、自動車走行音に関する意識調査を実施した。これらの低騒音車に接近報知音を設置することへの認知度は、女性より男性の方が高かった。報知音を設置することの是非については、安全面への配慮から必要性を認める回答が多かったが、騒音問題に繋がる懸念も示された。運転者および歩行者の立場で車の接近による危険を感じた経験については、狭い路地などで遭遇している状況が明らかになった。車の接近に気付かなかった理由として、20 歳代以下はヘッドホンで音楽を聴いていたことが原因として上げられ、年齢が上がるほど該当車両の音が静かであったことが原因となる傾向が示された。

抄録(英語)

電気自動車,ハイブリッド自動車,走行音,接近報知音,サウンドスケープ
N-2012-19 【 PDF
年齢と時の流れに関する考察 -ウェーバー・フェヒナーの法則とその応用 -
A consideration on age and flow of time -Waber・Fechner’s law and ito application
久野和宏
Kazuhiro Kuno
愛知工業大学
Aichi Institute of Technology
抄録

物理的な年齢や時と感覚的(心理的)な年齢や時との関連をウェーバーフェヒナーの法則や我々が取得する情報量を手掛かりにあれこれ模索する。また夢と現実、竜宮の時間(ウラシマの時間)についても思いを巡らす。

抄録(英語)

2012年5月25日(名古屋)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-21 【 PDF
九州新幹線開通前後の鉄道騒音に対する社会反応の比較
Comparison of community response to railway noisebefore and after the opening of the Kyushu Shinkan
岡修平1、鉄谷浩之1、矢野隆1、村上泰浩2
Shuhei Oka1、Hiroyuki Tetsuya1、Takashi Yano1、Yasuhiro Mur2
1熊本大学、2崇城大学
1Kumamoto University、2Sojo University
抄録

欧米諸国以外の国々では騒音暴露状況の段階的変化に対する社会反応に関する研究 は少なく、高速鉄道の開通による段階的な変化に関する研究もわずかである。本研究は新幹線開通や在来線の高架化前後の社会反応を調査することで、将来の騒音振動政策に貢献することを目的とする。九州新幹線開通前後に熊本で社会音響調査を実施した。調査地区では新幹線と在来線が隣接並行して運行している。新幹線の開通によって、ほとんどの地域で騒音・振動暴露量とアノイアンスが有意に低下した。生活活動妨害では在来線騒音・振動によるTV聴取妨害や振動による妨害への影響が大きく、新幹線騒音・振動による影響は小さかった。

抄録(英語)

 

九州新幹線,在来線鉄道,高架,騒音・振動,社会調査
N-2012-22 【 PDF
日本国内の交通騒音に対する代表的な暴露反応関係-データアーカイブの利用による主要データの二次分析-
Representative dose-response curve for transportation noise in Japan
横島潤紀、矢野隆、川井敬二、太田篤史、森長誠
ShigenoriYOKOSHIMA、TakashiYANO、KeijiKAWAI、AtsushiOTA、MakotoMORINAGA
神奈川県環境科学センター、熊本大学、熊本大学、横浜国立大学、防衛施設周辺整備協会
Kanagawa Environmental Research Center、Kumamoto University、Kumamoto University、Yokohama National University、Defense Facilities Environment Improvement Association
抄録

騒音制御工学会に設置された社会調査データアーカイブ分科会は、2011年度から騒音に関する社会調査のデータアーカイブSASDA (Socio-Acoustic Survey Data Archive)の運用を開始した。このデータアーカイブを用いた二次分析により、日本における交通騒音の代表的な暴露反関係の構築を試みた。暴露量としてはLdnとLAeq、住民反応としては個別音源に対するアノ イアンスの反応(%HA)を用いた。音源間での比較の結果、軍用航空機にの%HAが最も高かった。続いて、新幹線鉄道と民間航空機に対する反応がほぼ同じで高かった。在来鉄道に対する反応は道路交通より高く、欧米で認められるRailway Bonusは近年の日本での研究結果と同様に確認できなかった。

抄録(英語)

 

社会調査,データアーカイブ,二次分析,暴露反応関係,鉄道ボーナス
N-2012-23 【 PDF
非線形学習を利用した環境騒音に対する住民反応の予測
Prediction of the residents’reaction to environmental noiseby Nonlinearly learning Systems.
野呂雄一1、藤井秀和1、竹尾隆1、久野和宏
Yuichi Noro1、Hidekazu Fujii1、Takashi Takeo1、Kazuhiro Kun
1三重大学大学院工学研究科
1Garaduate School of Engineering、Mie Univer
抄録

本報では、ニューラルネットワークやサポートベクターマシンを用いて騒音レベルの実測データや地域類型から環境騒音に対する住民の反応を予測することを試みた。ここでいう、住民の反応とは自宅周辺の音の大きさに関するアンケートへの回答であり、これを予測地点毎の個別の回答あるいは全体の回答割合の形で予測した。この結果、個別の予測の正答率はおよそ50%であり、ニューラルネットワークとサポートベクターマシンで大きな違いはなかった。一方、全体の回答割合はニューラルネットワークの方か予測しやすく、地域類型により予測モデルとして望ましい入力要素に違いが生じた。

抄録(英語)

 

環境騒音,住民反応,ニューラルネットワーク,SVM
N-2012-24 【 PDF
地震に対する不安が生活騒音の認知に及ぼす影響
Inuence of the earthquake anxiety on cognition of the environmenta noise
上田麻理1、木村元洋2、武田裕司2
Mari UEDA1、Motohiro KIMURA2、Yuji TAKEDA2
1産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門/日本学術振興会、2産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門
1National Institute of Advanced Industrial Science and Technolog、2National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
抄録

東日本大震災以降、北関東を中心とする地震の群発に伴い、地鳴りに似た周波数を含む生活騒音や交通騒音が地震発生を連想させるといった事例が報告されており、地震による生活音認知への影響が疑われる。本研究では、地震に対するストレスレベルと突発的な生活音への感度の関係を調べるため、茨城県在住者を対象に、生活騒音の主観評価実験と質問紙調査及び生理計測を実施した。その結果、低ストレス群に比べ、高ストレス群において生活騒音や交通騒音から地震をより想起する傾向が確認された。さらに、高ストレス群がより騒音感受性が高く、騒音感受性は状態不安と強い関連があることが明らかとなった。ERPによる生理計測を行った結果、低ストレス群に比べ、高ストレス群においてより大きなP3aを惹起した。地震に対するストレスレベルは、突発的な生活音への感度と関係することが明らかとなった。

抄録(英語)

 

東日本大震災,生活騒音,ストレス,騒音感受性,状態不安
N-2012-25 【 PDF
波動方程式について
Sameremarks on wave equatio
久野和宏
Kazuhiro Kun
-
抄録

古典的な波動方程式と@@@の方程式や熱伝導(拡散)の方程式との係わりについて考える。また光と音の振舞いの違いについて言及する。

抄録(英語)

2012年6月15日(東京)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-26 【 PDF
家屋内外における低周波音の音圧レベル分布–低周波音発生装置と模擬家屋を用いたフィールド実験–
Low frequency sound distributioninside and outside a build
土肥哲也1、中右介2
Tetsuya Doi1、Yusuke Naka2
1小林理学研究所、2宇宙航空研究開発機構
1Kobayasi Institute of Physical Rese、2Japan Aerospace Exploration Agency
抄録

模擬家屋と低周波音発生装置を用いたフィールド試験を行い低周波音領域における家屋内外の音圧レベル分布を測定した。その結果、家屋内では壁を反射端とみなした場合の定在波よりも低い周波数で分布が生じることが確認され、屋内で低周波音を計測する際には計測位置に注意を払う必要性が示唆された。また、模擬家屋があることで家屋まわりの音圧レベルがどのように変化するかを調べた結果、12。5 Hz 以下では家屋があってもなくても周囲の音圧レベルがほとんど変化しないが、25 Hz を超える周波数では窓ガラスを含む家屋前面が反射壁として振る舞い家屋前面圧力が最大6 dB程度増加することが明らかになった。

抄録(英語)

低周波音,超低周波音,内外音圧レベル,遮音性能,窓
N-2012-27 【 PDF
低周波音によって知覚される振動感覚について
Perception of vibratory sensation induced by low-frequency noise
高橋幸雄
Yukio TAKAHAS
独立行政法人労働安全衛生総合研究所人間工学・リスク管理研究グループ
National Institude of Occupational Safety and Health、Japan
抄録

低周波音には、振動感覚を生じさせるという特徴がある。低周波音によって生じる振動感覚が頭部で鋭敏に知覚されることに基づき、独自に「頭部の振動感覚」を定義してその知覚閾値を調べたところ、聴覚閾値よりも5~17 dB(Z)程度高かった(20~50 Hz)。また、「頭部の振動感覚」の等感度レベルの周波数依存性が、知覚閾値の周波数依存性に類似していることなどから、その定義のあいまいさにも拘わらず、被験者が何らかの共通した知覚メカニズムに基づいて「頭部の振動感覚」を知覚していることが推測された。頭部に生じる物理的な振動がその知覚に寄与している可能性は小さく、何らかの聴覚機能が関与している可能性が示された。

抄録(英語)

低周波音,振動感覚,頭部,振動,知覚
N-2012-28 【 PDF
低周波性騒音の可聴性に関する聴感実験
Subjective test on low-frequency noice
坂本慎一1、横山栄1、矢野博夫2、橘秀樹2
Shinichi Sakamoto1、Sakae Yokoyama1、Hiroo Yano2、Hideki Tachibana2
1東京大学生産技術研究所、2千葉工業大学
1IIS、The University of Tokyo、2Chiba Institute of Techno
抄録

風力発電施設から発せられる騒音が社会的に問題となっている。我々は、「風力発電等による低周波音の人への影響評価に関する研究」(環境研究総合推進費・課題番号S2-11)の一環として低周波数成分を含む風車騒音が人間に及ぼす聴覚生理・心理的反応を実験室実験によって検討している。本報では、基礎的な検討として行った低周波数領域における純音閾値に関する実験、および実際に風力発電施設周辺で録音した実騒音を用いた、風車騒音の可聴性に関する実験の結果を報告する。

抄録(英語)

低周波性騒音,聴覚閾値,風車騒音,可聴性
N-2012-29 【 PDF
音響管を用いた消音器によるトンネル発破音の低減対策
Noise reduction of tunnel blasting sound with acoustic tubes
本田泰大、渡辺充敏
HONDA Yasuhiro、WATANABE Mitsutoshi
大林組技術研究所
Obayashi Corporation Technical Research In
抄録

トンネル工事で発生する発破音の低周波音を低減するため、これま で主に定常音を対象として研究されてきた共鳴型消音器について検討した。ト ンネル工事現場の坑口付近に音響管を用いた消音器を設置し、広帯域衝撃性音 源および発破音による消音器の挿入損失を測定した。その結果過渡応答に対し ても低周波数帯域で約15dB以上の低減効果が得られることを確認した。また その効果は最大値と単発暴露騒音レベルいずれの場合も得られた。

抄録(英語)

発破音,共鳴器,音響管,消音器,低周波音
N-2012-30 【 PDF
トンネル発破低周波音の坑内減衰の実測に基づく予測評価への課題
The subject of prediction and evaluation based on measurement results of underground attenuation of blasting sound in tunnel.
小林真人1、筒井隆規1、渡邉博1、山田伸志2
Masahito KOBAYASH1、Takanori TSUTSUI1、Hiroshi WATANABE1、Shinji YAMADA2
1飛島建設株式会社、2放送大学
1obishima Corporati、2Open University of Japan
抄録

トンネル工事の発破掘削によりトンネル坑口から放射される低周波音は、人体への圧迫感や振動感を与えることや、建具等のがたつきを発生させるなどの影響を与える。この様な低周波音を軽減させるためには、トンネル工事計画段階での適切な予測評価が重要である。しかしながら、発破低周波音の予測は十分ではない。この様な背景から、筆者らは施工中のトンネルにおいて発破低周波音の長期計測を行い坑内減衰に関するデータを蓄積してきた。本報では、これまで筆者らが報告したデータを引用し、発破低周波音の予測評価に関して今後検討すべき課題を述べる。

抄録(英語)

トンネル発破,低周波音,坑内減衰,予測評価

2012年7月20日(大坂)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-31 【 PDF
生活環境音の評価にコミュニケーションが与える影響
Effects of communication on the evaluation of some life-environment sounds
河内なつみ、青野正二
Natsumi Kawauchi、Shoji Aono
大阪大学大学院人間科学研究科
Graduate School of Human Sciences、Osaka Univ.
抄録

近年、住宅の密集化により、近隣騒音が社会問題となっている。音に対する感じ方は聴取者の置かれた状況によってさまざまであり、この点で騒音問題は心理的な問題であると考えられる。 本研究では心理的要素の中でも特にコミュニケーションに焦点を当て、コミュニケーションの有無が生活環境音の評価にどのような影響を与えるかを検討した。大学生19名を対象に、14種類の生活環境音を7段階のSD尺度15対で評価してもらった。実験条件は、生活環境音を発する相手とコミュニケーションがある場合とない場合の2条件とした。得られたデータをもとに分析を行った結果、コミュニケーションがある場合はない場合に比べて、音による被害や音量の程度をより低く感じ、音をより美的に感じることが示された。また、「人の話し声」、「子どもの声」といった音声に関する環境音で、条件間の差が顕著にみられた。

抄録(英語)

コミュニケーション,生活環境音,評価
N-2012-32 【 PDF
騒音下におけるMFP動作音の印象変化
Changes inImpression of MFP Operating Sound under Noise
須賀悠次1、野呂雄一1、竹尾隆1、吉本拓弥1、土用秀明2
Yuji Suga1、Yuichi Noro1、Takashi Takeo1、Takuya Yoshimoto1、Hideaki Doyo2
1三重大学大学院工学研究科、2京セラドキュメントソリューションズ株式会社
1Garaduate School of Engineering、Mie Uni、2KYOCERA Document Solutions Inc.
抄録

MFP(プリンタ複合機)の快音化のための標準的な設計指標を確立することを目的に、背景音の存在する環境下(騒音下)でのプリンタ動作音の印象を評価した。その結果、背景音の存在により印象評価の結果の一部に変化が見られ、その原因としてマスキングの影響が示唆された。また、時間率騒音レベルやラウドネスレベルなどの物理的評価指標と印象との対応関係を調査した結果、マスキングを考慮したラウドネスレベルの5%時間率レベルとの関係が比較的良好なことが確認された。

抄録(英語)

 

N-2012-33 【 PDF
自動車加速音の大きさ評価における車種カテゴリ印象の影響について
nfluence of Vehicle Category Impression onLoudness of Acceleration Sound
吉田準史、鎔巧
Junji Yoshida、Takumi Igata
大阪工業大学
Osaka Institute of Technolgy
抄録

本研究では、自動車加速音を対象とした主観的な大きさが、視覚情報から得られる車種カテゴリ印象の違いにより、どのように変化するのか、ということについて調査を行なった。音の大きさの主観評価実験では、スポーツカー画像あるいは高級車画像を提示することにより車種カテゴリ印象を与え、それぞれの状態で加速音を提示し、大きさ評価を行なった。その結果、同じ加速音を提示した場合においても、車種カテゴリの印象により有意に大きさの印象が変化した。さらにその影響は実験参加者の運転頻度などの特性により異なり、低頻度運転者はスポーツカー印象により加速音をより大きく感じるものの、高頻度運転者は反対に、より小さく感じられる傾向にあることが明らかになった。

抄録(英語)

 

Loudness,Acceleration Sound,Exterior Design, Vehicle Category
N-2012-34 【 PDF
幹線道路沿道の環境の経済評価—コンジョイント分析を用いた検討—
Economic valuation of environments along trunk roads:an investigation applying Conjoint Analysis
宮川雅充
Masamitsu MIYAKAWA
関西学院大学
Kwansei Gakuin University
抄録

幹線道路沿道の環境(騒音・振動や大気汚染等の複合的な影響を受ける環境)を経済的に評価することを目的として、大学生を対象に、コンジョイント分析を利用した物件評価実験を行った。道路からの距離の効用と家賃の効用との関係から、幹線道路沿道の環境の改善(後背地への移動)に対する支払意思額(WTP)を求めた。その結果、直面(5 m)から20 mへの改善は10、700(円/月)、直面(5 m)から50 mへの改善は12、000(円/月)となった。さらに、幹線道路沿道の環境に対する選好の個人差について、各水準に対する効用値の順序および相対重要度に注目した分析を行い、騒音感受性に関わる質問に対する回答との関連についても分析した。

抄録(英語)

 

幹線道路,騒音,コンジョイント分析,経済評価
N-2012-35 【 PDF
風力発電設備の騒音によるブレードの異常診断に関する基礎検討
A basic study concerning abnormal diagnosis of bladeby using the noise of wind power station.
福島昭則1、一木智之1、道下和明2
FUKUSHIMA Akinori1、 ITIKI Tomoyuki1、MICHISHITA Kazutoshi (Kinden)2
1(株)ニューズ環境設計、1(株)きんでん
1NEWS Environmental Design Inc.、2KINDEN Corporation
抄録

風力発電施設の風車のブレードが被雷した場合に、ブレードに ひび割れや接着面の剥離が生じることがある。これを放置しておくと破損が進行しブレードを交換しなければならない場合も発生する。ブレードに亀裂が生 じると一種の笛になり、回転時に純音性の共鳴音が発生する。この異常音を検知すればブレードの以上が診断できる。正常な風車と落雷によりブレードに破損が生じた風車について、風車近傍での騒音の測定例を報告する。

抄録(英語)

 

風車騒音,ブレード損傷,異常音,異常診断
N-2012-36 【 PDF
環境騒音を考えた作音各種
岡田一秀
トヨタ
抄録

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抄録(英語)

2012年8月31日(金沢)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-37 【 PDF
駅の背景音下における音サインの定位について
A Study on Orientation of Auditory Signal in a Background Noise of a Station.
土田義郎
Yoshio TSUCHIDA
金沢工業大学
Kanazawa Institute of Technology
抄録

駅の階段を示す音サインを想定し、楽器音(Vibraphone)の和音と三角波のチャープ音を用いて6種類の試験音を作成した。これらを用いて音の定位実験と印象評価実験の2つを行った。定位実験では、試験音のうち和音とチャープ音の2種類を用いた。駅構内の背景音を無響室内の3次元音響再生装置によって現場と同 じ音圧レベルを再現した上で、試験音を水平8方向、仰角3段階に設置したスピーカより試験音を再生して被験者に提示した。各方向ごとの正答率は、やや前方が高いものとなった。仰角の完全正答率をみると、角度が高くなるほど正答率が低くなった。主観的な印象としてはチャープ音より和音が好まれることがわかった。

抄録(英語)

音サイン,定位,印象,鉄道駅
N-2012-38 【 PDF
電車内の音環境
Sound Environment in Commuter Trains
加来治郎
Jiro Kaku
財団法人小林理学研究所
Kobayasi Institute of Physical Research
抄録

電車内の 音環境に関する利用者の印象をアンケートにより調査した。回答者は、知り合いの輪を広げていく「人間ネットワーク」的な手法により募集した。657名の回答者の結果によれば、走行音や車内アナウンスなどの電車に起因した音よりも、乗客同士の会話、携帯電話の着信音や通話、イヤホン等から漏れる音など直接電車とは関わりのない音を不快に感 じる人の 多いことが判明した。不快に感じることが「時々」「比較的」「頻繁」に“ある”と答えた回答者の割合でみると、電車に起因した音が20 %前後であるのに対し、電車とは関わりのない音は50~60 %に達した。また、車内音を不快に感じる要因として、年齢や地下鉄の利用状況などが示唆された。

抄録(英語)

車内音環境,主観的印象,アンケート調査,人間ネットワーク
N-2012-39 【 PDF
PAC分析による竪町商店街の認知構造
Study on cognitive structure ofTate-machi street using PAC analysis
橋塚祐二、森原崇
Hashiduka Yuji、Morihara Takashi
石川工業高等専門学校
Ishikawa National College of Technology
抄録

本研究はPAC分析を用いて被験者の印象から対象空間の認知構造を把握し竪町商店街における音環境への意識について検討する。実験は被験者に竪町商店街を歩いてもらい印象に残った項目を抽出しPAC分析、クラスター分析、デンドログラムの総合的解釈を行った。通りに置かれた物への意識や、歩きにくさからの不快感、閑散さと賑やかさの通りの雰囲気からくる通りに対する意識で構成された認知構造が示された。音に関する項目はほとんどその大小に関する評価はみられず、本研究の実験ではおよそ60~ 70dB の範囲であり、賑やかさに結びつき好印象を与えていた。ただ、人の少なさなどからくる静かさは閑散さと結びつき、静かという表現が必ずしも好印象ではなく使われていた。

抄録(英語)

竪町商店街,認知構造,PAC分析,音環境
N-2012-40 【 PDF
無響室および半無響室の検定における逆二乗特性の推定方法の提案
A New Method for Estimating Inverse Square Law Characteristicsin Anechoic and Hemi-anechoic Chamber Qualification
田中康治
Kouji Tanaka
キヤノン株式会社
Canon Inc.
抄録

無響室・半無響室の自由音場特性の検定には、ISO 3745 Annex Aに規定された逆二乗則検定が広く利用されている。逆二乗則検定では、実測した音圧レベルと逆二乗則に従う理論上の減衰曲線との乖離量で適合性判定が行われるが、その減衰曲線は、規格に記載された推定式を用いて、音圧レベルの実測値から求められるのが一般的である。この点について、本稿では、規格の推定式の導出過程を明らかにし、この推定式では適切な減衰曲線が推定されず、音場の特性を正しく評価できないことを示した。またさらに、この点を是正した推定式を新たに 提案し、各推定式による検定結果を比較して、その有効性を確認した。本稿の提案が、適切な無響室・半無響室の普及と公正な製品評価の一助となれば幸いである。

抄録(英語)

逆二乗則,(半)無響室,自由音場,ISO 3745,ISO 26101
N-2012-41 【 PDF
画像上のオノマトペが音量感に与える影響に関する実験的研究
An experimental research on the effect ofonomatopoeia in the picture on loudness
秋田剛1、古賀誉章2、稲生克義3、石黒恭平4
Takeshi AKITA1、Takaaki KOGA2、Katsuyoshi INAO3、Kyohei ISHIGURO4
1+K9東京電機大学、2東大・工、3副沢工芸社、4東熱
1Tokyo Denki Univ.、2The Univ. of Tokyo、3FUKUZAWA Furniture & Interior Co. Ltd.、4TONETS Co.
抄録

画像上にオノマトペを配置することで、ある場所のサウンドスケープを表現する時、その配置のしかたによって音環境の物理的な状態をどの程度表すことができるか、という点について検討した。音源が見える画像上に配置した、擬音語の大きさと数量を要因として、調整法により、擬音語付き画像が表現する音環境にふさわしいと感じられる音圧レベルを得た。その結果、画像上の擬音語の大きさは音量感の表現に強い効果を持ち、文字幅(または高さ)が2倍になるに従い、約101dBの音量感の増大を表すことができることが示された。一方、画像上の擬音語の数量は効果がなく、その多寡によらずほぼ一定の音量感しか表現できないことが明らかになった。

抄録(英語)

 

オノマトペ,音量感,文字の大きさ,文字の数量,サウンドスケープ

2012年10月30日(国分寺)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-42 【 PDF
高速鉄道車両の低騒音化
Reduction of External Noise from High-Speed Trains
栗田健
Takesh i KUR IT
東日本旅客鉄道株式会社 JR東日本研究開発センター
East Japan Railway Company、Research and Development Center of JR East Group
抄録

新幹線高速化の大きな課題の一つは騒音の抑制である。高速走行時の沿線騒音低減のために、集電系音および車両下部音の低減対策を中心に開発を行い、新幹線高速試験電車FASTECH360(新幹線専用車FASTECH360Sと新幹線・在来線直通車FASTECH360Zの2編成)による走行試験を行った。その結果、騒音レベルは、現行のE3系とE2系の併結運転時に比べて、約5dB低減することがわかった。これは、現行営業車275km/h走行時の騒音レベルで走行可能な速度に換算すると、330km/h程度に相当し、大幅な速度向上が可能であることがわかった。現在、さらなる騒音低減に向けて取り組んでいるCFDを用いた空力音解析事例についてもあわせて述べる。

抄録(英語)

高速鉄道車両,騒音低減,パンタグラフ,車両下部音,CFD
N-2012-43 【 PDF
自動車周りの流れと音に関する研究
Study of Flow and Noise aroud Automobiles
飯田明由、横山博史
Akiyoshi Iida & Hiroshi Yokoya
豊橋技術科学大学
Toyohashi University of Technology
抄録

近年の自動車の開発では、省エネ化と快適性がキーワードとなっており、自動車の空力特性や空力騒音に関する研究が盛んに行われている。数値流体力学の進歩により自動車周りの流れ解析や空力騒音解析が進められる一方、実車を使った風洞実験も以前にもまして高度化している。本報告では、自動車開発における空気力学の重要性を示すとともに、自動車開発に適用されている空力騒音解析、風洞実験技術を紹介する。数値解析では京を用いた車内騒音予測技術の取り組み、実験解析技術として非定常PIV計測に基づく音源解析、感圧塗料による圧力計測技術について解説する。

抄録(英語)

空力騒音,流れの数値解析,非定常流れ計測,振動,騒音
N-2012-44 【 PDF
高圧燃料ポンプの静音化
Acoustic Improvement of High Pressure Fuel Pump
渡部眞徳1、徳尾健一郎1、町村英紀2
Masanori WATANABE1、Kenichiro TOKU1、Hideki MACHIMUR2
1(株)日立製作所日立研究所、2日立オートモティブシステムズ(株)
1Hitachi、Ltd.、Hitachi Research Laborat、2Hitachi Automotive Systems、Ltd
抄録

高圧燃料ポンプは直噴エンジン用の自動車コンポーネントの主要部品であり、快適性向上の観点からアイドリング時の静音化が求められている。高圧燃料ポンプの主な音源は、吸入弁(電磁弁)の開弁音と吐出弁の高圧脈動音であり、本研究は前者の低減を目的としている。本報告では、まず、高圧燃料ポンプの構成と騒音発生メカニズムと騒音の特徴について説明し、次に、対象とする電磁弁の静音化手法である弁の応答性向上のためのバネ加重低減と弁の動作を制御する電流制御手法について説明する。低コスト化の観点からできるだけ構造変更を伴わない手法での静音化がポイントである。最後に、本静音化手法での騒音低減効果を示す。本手法により約3dBの騒音低減効果が得られた。

抄録(英語)

N-2012-45 【 PDF
CAAによる小型軸流ファンの空力騒音の調査と実験的検証
A research of flow noise in small axial fan using CAA and its evaluation
全完鎬1、洪賢基1、林泰均1、御法川学2
Wan Ho Jeon1、Hyun Ki Hong1、Tae Gyun Lim1、Gaku Minorikawa2
1セディク株式会社、2法政大学
1CEDIC Co.、Ltd、2Hosei Universit
抄録

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抄録(英語)

The paper describes the prediction method for the unsteady flow field and the aerodynamic noise of a small axial fan. The prediction method is comprised of various CFD conditions and acoustic analogy by using Ffowcs Williams-Hawkings equation. The tested fan was an axial fan with impeller outside diameter 170 mm and 5 blades. Virtual anechoic room which has same size with real one was used for CFD. URANS and LES turbulence models were used and optimized mesh was selected with mesh dependence study. Calculation conditions were also studied such as time step and sampling time of noise analysis. In this paper、we got optimum analysis conditions and computational results、their results were compared with measured ones.Keywords : CFD、CAA、Aerodynamic noise、Small fan、Axial fan

N-2012-46 【 PDF
ANCを用いた建設機械騒音
Active noise control of the construction machine noise
小林正明1、松岡明彦1、鈴木信也1、半田雅俊2
Masaaki Kobayashi1、 Akihiko Matsuoka1、 Shinya Suzuki1、 Masatoshi Handa2
1戸田建設技術研究所、2戸田建設技術企画部
1Technical Research Institute、Toda Corporat、2 Department of Research Planning and Management、Toda Corporation
抄録

建設工事騒音の対策 では 、低周波数帯域の音圧 レベル 低減 が課題とされている。これは 遮音壁 や防音 シート の設置 といった 従来 の対策 が高周波数帯域 に有効 であるものの、低周波数帯域においては明らかな 効果 がみられないためである。アクティブ騒音制御 (ANC : Active Noise Control)は、マイクやスピーカ等の電気音響機器を利用 し、対象 とする 騒音 と逆位相 の音を放出することで 原音 をキャンセル消音 する 技術 であり 、低周波数帯域の音圧 レベル 低減に有効 である 。本稿 では 、ANCを用いた 建設機械騒音の低減手法を紹介 するとともに 、低周波数帯域にピーク を有する 掘削機 のマフラー騒音 への 適用事例を報告 する 。

抄録(英語)

N-2012-47 【 PDF
MRI駆動音とその対策について
A study of the MRI driving soundand the noise control method
中山翔平1、近井聖崇1、下野泰裕1、武藤憲司1、八木一夫2、陳国躍3、荒川裕貴1、小野寺聡之2
NAKAYAMA Shohei1、CHIKAI Masataka1、SHIMONO Yasuhiro1、MUTO Kenji1、YAGI Kazuo2、 CHEN Guoyue3、ARAKAWA Yuki2、 ONODERA Toshiyuki2
1芝浦工業大学、2首都大学東京、3秋田県立大学
1Shibaura Institute of Technology、2Tokyo Metropolitan University、3Akita Prefectual University
抄録

今日の医療診断において人体の断面図を得るためにMRI装置は必要な装置であるが、検査時に大きな駆動音を発生させる。我々は2003年からMRI駆動音の分析を行っており、撮像法や撮像条件の違いから発生する駆動音の音圧レベルやスペクトルが異なることを示した。駆動音の対策案として防音保護具とActive Noise Control(ANC)を合わせたシステムにより駆動音を制御することが効果的であることを計算機シミュレーションによって明らかにした。

抄録(英語)

MRI,駆動音

2012年11月16日(熊本)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-48 【 PDF
EEG investigations for human response to noise in a laboratory environmen
Jiyoung Hong、Yoonho Jo、 and Soogab Lee
School of Mechanical and Aerospace Engineering and the Engineering Research Institute、Seoul National University、Korea
抄録

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抄録(英語)

It is well established that short-term exposure to relatively high sound levels in laboratory conditions can alter physiological responses. There are various physiological responses caused by noise、EEG investigations can be appropriate as a tool for analysis of physiological effects of noise on human being on the point to enable the measurement of projecting stress response by brain wave. Spectral analysis with EEG data was conducted and alpha and beta power related values show significant correlation with noise stimuli. Relative power indicator of beta wave tends to increase upon noise stimulation. From this experiment、it is found that noise causes change in the brain wave with a stress factor.

騒音レベル,Active Noise Control
Electroencephalogram (EEG),physiological response
N-2012-49 【 PDF
音環境サービスの利用価値に関するCVM実験
Evaluation of the service supplied from the sound environment using contingent valuation method
森長誠1、上田麻理2、松井孝典3
Makoto Morinaga1、Mari Ueda2、Takanori Matsui3
1防衛施設周辺整備協会、2産業総合研究所/学振、3大阪大学
Defense Facilities Environment Improvement Assosiation1、AIST2、Osaka University3
抄録

静穏な音環境による効用の認識の違いがどのように選好に影響を与えるか明らかにすることを目的とし、降雨騒音低減傘を例にとり経済評価手法の一つであるCVMによる実験行った。降雨騒音低減傘をさすことで静かに歩行できることのみを教示した場合の支払い意思額に対して、コミュニケーションが円滑に行えるあるいは安全に歩行できるというサービスを明示した場合の支払い意思額は大きく増加した。これらの結果より、静穏な音環境による効用の認識を向上させるためには、音環境に潜在するサービスを明示することが有効な手段の一つであることを示した。

抄録(英語)

サービス評価,環境経済評価,音環境,CVM,利用価値
N-2012-50 【 PDF
札幌の路面電車および地下鉄地上走行部からの騒音に対する沿線住民の反応
Community Response to Noise from Tramline andSubway Line Laid on the Ground in Sapporo
佐藤哲身
Tetsumi Sato
北海学園大学
Hokkai Gakuen University
抄録

札幌の都市公共交通を担う路面電車と地下鉄の騒音が沿線住民に及ぼす影響を検討する目的で社会調査を実施した。調査は住民へのアンケートと騒音・振動測定から成っている。アンケートは郵送法によって実施し、回収率は路面電車調査で63%、地下鉄調査で56%であった。これらの調査結果から騒音暴露量と不快感反応の関係を求め、過去に実施した列車騒音調査と比較した結果、同じレベルの騒音に暴露されていながら反応率には明らかな差が認められ、列車騒音、地下鉄騒音、路面電車騒音の順に不快感の反応率が減少することがわかった。その原因を各交通機関の利用頻度や印象と言った非音響要因との関係から考察した。

抄録(英語)

騒音評価,路面電車,地下鉄,社会調査,不快感
N-2012-51 【 PDF
さいたま市における交通振動・騒音に対する社会反応について
A questionnaire survey of community responses to vibraiton and noise caused by surface traffic in Saitama City
松本泰尚1、田中彩2、横島潤紀3、白石英孝4
Yasunao Matsumoto1、Aya Tanaka2、Shigenori Yokoshimai3、Hidetaka Shiraishi4
1+K9埼玉大学、2鹿島建設(株)(当時埼玉大学)、3神奈川県、4埼玉県
1Saitama Univ.、2Kajima Corp. (Saitama Univ.)、3Kanagawa Pref. Gov.、4Saitama Pref. Gov.
抄録

騒音の影響評価に関する社会調査は数多く実施されており、国内ではそのデー タベース化も進められているが、振動に対する社会調査の事例は、騒音に比べ 極めて少ない。そこで、本研究では、さいたま市内の鉄道および道路沿線地区 において、交通振動および騒音に対する社会反応に関するアンケート調査、お よび調査対象地区において振動・騒音測定を実施し、振動・騒音に対する暴露 反応関係を求めた。本調査で得られた回答数は限られたものではあるが、騒音 に対する暴露反応関係については、既往の結果と比べることで、一定の妥当性 を確認できた。振動に対する調査結果や暴露反応関係は、今後の振動評価法や 評価基準の検討に資する知見になり得るものと考えている。

抄録(英語)

社会反応 ,振動,騒音 ,鉄道 ,道路交通
N-2012-52 【 PDF
社会調査データアーカイブ(SASDA)利用による交通騒音の暴露反応関係の検討
The study on Dose-Responserelationship of traffic noise with Socio-Acoustic Survey DataArchive、SASDA.
太田篤史1、横島潤紀2、森長誠3、森原崇4、川井敬二5、矢野隆5、山田一郎6
Atsushi OTA1、Shigenori YOKOSHIMA2、Makoto MORINAGA3、Takashi MORIHARA4、Keiji KAWAI5、Takashi YANO5、Ichiro YAMADA6
1横浜国立大学、2神奈川県環境科学センター、3防衛施設周辺整備協会、4石川工業高等専門学校、5熊本大学、6(財)空港環境整備協会航空環境研究センター
1Yokohama National University、2Kanagawa Environmental Research Center、3Defense Facilities Environment Improvement Association、4Ishikawa National College of Technology、5Kumamoto University、66Aircraft Environment Research Center、Airport Environment Improvement Foundation
抄録

日本騒音制御工学会の社会調査データアーカイブ分科会のもとで設立設置された社会音響調査データアーカイブ(Socio-Acoustic Survey Data Archive)をもとに、我が国における騒音の暴露反応関係について検討した。またその結果を、欧米のデータ、アジア方面へのアーカイブの拡大を念頭にベトナムのデータと比較した。我が国では、軍用航空機に対するアノイアンス反応が特に高く、次いで新幹線と民間航空機、在来線鉄道、道路交通騒音と続く。これまで度々指摘されてきたように鉄道ボーナスは見込めない。欧米、ベトナムの結果と比較すると、日本は反応が高い。航空機は国を問わず反応が高めである。ベトナムは道路交通騒音に対する反応が低く、欧米は鉄道に対する反応が低い。

抄録(英語)

社会音響調査データアーカイブ,交通騒音,暴露反応関係

2012年12月14日(旭川)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2012-53 【 PDF
木造枠組壁工法住宅の遮音性能に関するビルダーへのアンケート調査結果
Questionnaire survey to the wood-frame construction housing builders about the sound insulation performance
辻村行雄1、廣田誠一2、田中学3、平光厚雄4、佐藤洋5
Yukio Tsujimura1 、Tomohito Hirota2 、Manabu Tanaka3 、Atsuo Hiramitsu4 、 Hiroshi Sato 5
1三井ホーム技術研究所 、 2北方建築総合研究所 、 3日本建築総合試験所 、 4建築研究所 、 5 産業技術総合研究所
1Technology Research、Mitsui Home Co.、Ltd、2 Northern Regional Building Research Institute 、3General Building Research Corporation of Japan 、4Building Research Institute、5 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
抄録

枠組壁工法住宅のビルダーに対して遮音性能に関するアンケート調査を行った。この結果、標準的な仕様の場合においても半数程度が根太上への面材追加や天井懐への吸音材の挿入などを行っていること、施主からの質問や満足度については、戸建住宅は共同住宅に比べて計画時に質問が少ないこと、竣工後については床衝撃音や響き、給排水音についてやや指摘がみられるなど、今後の枠組壁工法住宅の遮音性能をより高めていくための課題が得られた。

抄録(英語)

N-2012-54 【 PDF
実大火災実験を実施した木造3階建て学校における床衝撃音遮断性能
loor Impact Sound Insulation of Wooden 3-story School Building for Full-scale Fire Test
泉潤一1、平光厚雄2
Junichi Izumi1、Atsuo Hiramitsu2
1三井ホーム株式会社、2建築研究所
1Mitsui Home Co.、Ltd.、2Building Research Institute
抄録

実大火災実験を行うために建築した木造3階建て学校の実験建物(予備実験試験体)を対象として、床衝撃音遮断性能の測定を実施した。実験建物は軸組工法と枠組壁工法のゾーンに2分割されている。また、学校の構造要件のひとつに長スパンの床架構があるため、軸組工法は大断面集成材よる大梁、小梁方式、枠組壁工法は枠組壁工法用製材で構成されたトラス床根太による床構造とした。この床構造について乾式二重床構造の有無及び天井仕様を変化させた各種床構成で測定した結果について報告する。

抄録(英語)

N-2012-55 【 PDF
集合住宅の重量床衝撃音レベル予測法に関する検討-乾式二重床の床衝撃音レベル低減量とインピーダンスレベル上昇量の対応について-
Studies on prediction of heavy weight floor impact sound level in multifamily housings - Studies on prediction of reduction of heavy weight floor impact sound level for dry double-layered floor coverings -
大脇雅直1、黒木拓1、石丸岳史2、財満健史1、高木直樹3、山下恭弘4
OWAKI Masanao、KUROKI Taku、ISHIMARU Takeshi、ZAIMA Takefumi TAKAGI Naoki、YAMASHITA Yasuhiro
1(株)熊谷組 技術研究所、2泰成電機工業、3信州大学 工学部、4信州大名誉教授
1Technical Research & Development Institute Kumagai Gumi Co.、Ltd.、2Taisei Electronic Industries Co.、Ltd.、3Dept. of Architecture、Shinshu University、4Emeritus、Shinshu University
抄録

集合住宅居室におけるスラブ素面の重量床衝撃音レベルをイン ピーダンス法で予測する際に,スラブ端部のインピーダンスレベル上昇量は スラブと梁せいの比で整理できること,2スラブ段差や垂壁等もスラブのイン ピーダンスレベル上昇量に寄与することを示した。次に,乾式二重床施工後の 重量床衝撃音レベルは, 63Hz 帯域で加振点位置によらずほぼ一定の値となるた め、重量床衝撃音レベル低減量は加振点ごとに変化すること,壁式構造実験室 で測定した加振点別重量床衝撃音レベル低減量とスラブのインピーダンスレベ ル上昇量が直線的な関係にあることを示した。代表的な仕様の2つの乾式二重 床における結果であるが, 実建物において 63Hz 帯域の乾式二重床を含む重量床 衝撃音レベルの予測値と実測値は加振点別重量床衝撃音レベル低減量予測式を 用いると±5dB の範囲に 90%を上回る確率で含まれていた。

抄録(英語)

重量床衝撃音,乾式二重床,床衝撃音レベル低減量,集合住宅
N-2012-56 【 PDF
ゴムボールの衝撃力特性に関する検討
Study on characteristics of impact force by dropped rubber ball
中森俊介
Nakamori Shunsuke
小林理学研究所
Kobayasi Institute of Physical Research
抄録

ゴムボール衝撃源(JIS A 1418-2に規定される衝撃力特性(2)を有する衝撃源)を対象に、落下高さ、床仕上げ材及びその組み合わせによる衝撃力特性の変化及びその線形性など、測定結果に及ぼす影響ついて検討した。また、数個のゴムボールを対象に、衝撃源個々の衝撃力特性のばらつきを調べ、床衝撃音の測定結果に与える影響について比較・検討した。さらに、それぞれの衝撃源による測定結果のばらつきを小さくするため、衝撃力の規準値に基づく数種の補正方法を検討し、補正後の結果及びそれらの特徴について考察したので報告する。

抄録(英語)

N-2012-57 【 PDF
住宅地の建物群による道路交通騒音の減衰―建物の粗密による影響―
Computation of Road Traffic NoiseAttenuation by Houses in Residential Area―Effectsof Building DensityDistribution ―
江頭優1、若月孝1、西尾耕一1、長谷部正基2
Yutaka EGASHIRA1、Kou WAKATSUKI1、Kouichi NISHIO1、Masaki HASEBE2
1エヌエス環境(株)、2北海道大学大学院工学研究院
1NS Environmental Science Consultant Corp.、2Graduate School of Engineering Science、Hokkaido University
抄録

日本音響学会の道路交通騒音予測モデルASJ RTN-Model 2008における、建物群背後における騒音の予測計算方法は、直線で一様な横断面の道路を対象とする。本報告では、曲線や道路横断面の形状が一様でない場合に適用可能な建物群減衰計算と国総研による実測値を比較した。その結果、平均値で建物密度を与えた場合に実測よりも騒音が過小に計算される傾向が、分割した領域ごとに建物密度を設定することによって改善された。

抄録(英語)

N-2012-58 【 PDF
工事振動による建物被害の解析的評価手法に関する一考察
An Analytical Study on Structure Damage from Construction Vibration
福間雅俊1、平栗昌明1、梅林福太郎1、大竹省吾1、植田知孝2
Masatoshi Fukuma1、Masaaki Hirakuri1、Fukutaro Umebayashi1、Shogo Otake1、Tomotaka Ueta2
1株式会社オリエンタルコンサルタンツ 国土整備事業部門 構造部、2株式会社オリエンタルコンサルタンツ 保全防災事業部門 環境部
1 Infrastructure Development Project Sector Division、Bridge & Structural Engineering Department、ORIENTAL CONSULTANTS CO.、LTD. 、2Conservation & Disaster Prevention Division Environmental Management Department、ORIENTAL CONSULTANTSCO.、LTD.
抄録

工事振動による建物被害の評価について、振動発生源の波形データを入力とし、地盤のFEMモデル、家屋の骨組みモデルを用いる解析的評価手法の適用性を検討した。振動発生源の波形は近傍での計測データやカタログ振動数に基づき設定し、地盤モデルは3次元性を考慮した軸対象モデル、家屋モデルは梁柱構造の立体モデルとして動的解析を実施することで、既往の調査研究成果と整合した結果が得られることを確認した。さらに、同手法を用いることで、杭の打設深度の違いや、振動発生源の振動特性や離隔により、家屋位置の地盤振動の特性が異なり、家屋振動に有意な差が現れることを評価できることを確認した。

抄録(英語)

工事振動,影響評価,動的解析,軸対象FEM,立体骨組み