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2015年1月19日(大坂)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-01 【 PDF
音の大きさ評価における男女差
The difference of perceived loudness of sounds between men and women
青野まなみ1、濱村真理子1、岩宮慎一郎2
Manami AONO1、Mariko HAMAMURA2、Shin-ichiro IWAMIYA2
1九州大学大学院芸術工学府、2九州大学大学院芸術工学研究院
Graduate School of Design、Kyushu University1、Faculty of Design、Kyushu University2
抄録

定尺度による音の大きさ評価実験を行い、男性は女性よりも同一音圧レベルの音を「小さい」と評価することを示した。また調整法を用いた実験においても同様の結果を得た。一方、ME法による実験を行い、半分、2倍、3倍、...の大きさであると感じる音庄レベル差に男女差は存在しないことを明らかにした。比較音を基準音の「半分」、「2倍」の大きさに調整するマグニチュード産出法を用いて検討したところ、「2倍」の条件においてME法と同様の結果が得られた。これまでに指摘されている音の大きさ知覚における男女差は、音の大きさを「小さい」「大きい」など言語を用いて表現する場合の感覚量に生じる男女差であり、音庄レベル差に基づく比率尺度で表現しうる感覚量の差によるものではないと考えられる。

抄録(英語)

男女差,音の大きさ,評定尺度法,調整法,ME法
N-2015-02 【 PDF
視聴覚実験に基づく商業空間の環境評価
Evaluation of the commercial-space envirorunent based on audiovisual experiments
青野正二1、西田幸平2
Shoji Aono1、 Kohei Nishida2
1大阪大学大学院人間科学研究科、2株式会社リクルートスタッフィング
1Graduate School of Human Sciences、Osaka Univ.、2RECRUIT STAFFING CO.、LTD.
抄録

-

抄録(英語)

Recentlycommerci commercial spaces have been increasingly important for us to enjoy not only shopping but also leisure、amusements and social communication. It is one of the reasons why the creation of more desirable environment of commercial spaces is demanded. The major objectives of this investigation are to detem血eevaluation items which have effects on the desirability of commercial spaces、and to construct an evaluation model in which those items are interconnected hierarchically and causally. In the fast experiment、with the participants of 25 university students、the evaluation grid method was used to select evaluation items、and then 17 items were extracted. ln the second experiment、24 out of the above participants evaluated the audiovisual stimuli of 12 commercial spaces with the semantic differential (SD) scales of those 17 evaluation items (observed variables). As the results of the graphical modeling (GM) and structural equation modeling (SEM)、it was found that evaluation items of "quiet"、"cleanliness of road" and "appropriateness of BGM" have the most significant function in the desirability of commercial spaces.

商業空間,望ましさ,評価グリッド法,グラフィカルモデリング,構造方程式モデリング
N-2015-03 【 PDF
特別養護老人ホームで暮らす認知症高齢者をとりまく音環
Sonic environment surrounding elderly people with dementia living in nursing homes
宮JII雅充1、濱島淑恵2
Masamitsu MIYAKAWA1 Yoshie HAMASHIMA2
1関西学院大学 2岐阜大学
1Kwansei Gakuin University、2Gifu University
抄録

東海地方にある2つの特別養護老人ホーム(施設A:ユニットケア・全室個室、施設B:従来型のケア・個室と多床室の混在する施設)の協力を得て、2つの調査を行った。施設内の騒音レベル・音源の記録を行い、施設で暮らす高齢者をとりまく音環境の現状を明らかにすることを試みた。また、ケアスタッフ(施設A: 12名、施設B: 14名)を対象として、認知症高齢者の行動・心理症状(BPSD)と施設内の音環境に関わるインタビュー調査を行った。調査の結果にもとづき、施設で暮らす認知症高齢者のBPSDに音環境が及ぼす影曹について検討し、ケアスタッフが経験則として気づいている点・配慮している点をまとめ

抄録(英語)

高齢者,認知症の行動・心理症状(BPSD),音環境,特別養護老人ホーム
N-2015-04 【 PDF
在来鉄道からの騒音伝搬に対する数値解析の適用
Application of numerical analysis on noise propagation from conventional railway
石川聡史1、加藤格2、廣江正明3、佐久間哲哉4
Satoshi Ishikawa1、Itaru Kato2、Masaaki Hiroe3、Tetsuya Sakuma4
1JR東日本コンサルタンツ/東大・新領域、2JR東日本、3小林理学研究所、4東大・新領域
1JR East Consultants Co/ Graduate School of Frontier Sciences、The University of Tokyo、2EAST JAPAN RAILWAY Co.、3Kobayasi Institute of Physical Research、4Graduate School of Frontier Sciences、The University of Tokyo
抄録

平地・盛士(壁無し)、高架橋区間(直墜)の3箇所で実測した在来鉄道の近接車両および遠隔車両における騒音分布をもとに、鉄道騒音の伝搬計算に2次元の波動数値解析手法を適用する際の音源のモデル化について検討した。その結果、地上高さ25 m程度まで騒音レベルを精度よく予測するには、高さl.2m~10m範囲の複数点を参照点に設定するべきであることが分かった。また、車両下部に配置する音源はレール頭頂面高さで車両端2点に設置したケースが最適と考えられる。

抄録(英語)

在来鉄道騒音,騒音伝搬,2次元波動数値解
N-2015-05 【 PDF
可変グリッドCIP法による3次元屋外音場数値解析
Numerical analysis of three-dimensional outdoor sound field using the constrained interpolation profile method with a variable-grid technique.
石塚崇1、大久保寛2
Takashi Ishizuka1 and Kan Okubo2
1清水建設技術研究所、2首都大学東京システムデザイン研究科
1Institute of Technology、Shimizu Corp.、2Graduate School of System Design、Tokyo Metropolitan Univ.
抄録

音場解析の効率化手法として提案している可変グリッドCIP法を3次元解析に適用し、計算精度および計算コストを検証する.この手法は、解析空間の一部領域を周辺領域より細かく離散化するサブグリッド手法を応用し、計算過程で音波の伝搬に合わせてサブグリッド領域を動的に設定しつつ解析を行う.自由音場における址礎検討の結果、可変グリッド手法により計算精度を保ちつつ計算メモリと計算時間を大輻に低減できることを示す.また、解析対象となる音場の規模と可変グリッド法の計算効率の関係を検討し、大規模音場への可変グリッド法の適用が効果的であることを示す.地形や建物を含む屋外音場の3次元解析に可変グリッドCIP法を適用し、音場全体を細かく離散化した場合と比較して同程度の計算精度であることを示す.計算コストを比較すると、本報で示した解析例では、計算グリッド数は約1/4、計算時間は約1/5である.

抄録(英語)

屋外音場,数値解析,CIP法,可変グリッド法,サブグリッド
N-2015-06 【 PDF
音波の人体影響について
Influence of Sound Wave on Human Health
久野和宏
kazuhiro KUNO
-
抄録

音の吸収線量(人体に吸収される音量)と睡眠影響、張力影響及び基礎代謝への影響について考察する。放射線、電磁波の吸収線量と人体影響との関連とも比較言及する。

抄録(英語)

2015年2月20日(福岡)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-07 【 PDF
障壁に対して非鉛直方向から到来する 音の回折減衰量に関する基礎的研究
Basic research on the diffraction attenuation of the sound arrived from non-vertical direction to a barrier
川端将大1平栗靖浩1
Masahiro Kawabata1、Yasuhiro Hiraguri1
1隠山工業高等専門学校
1National Institute of Technology、Tokuyama College
抄録

本研究では、障壁に対して非鉛直方向から到来する音の回折減衰量の特性を解明することを目的とする。前川チャートは、障壁による音の回折減衰量の簡易計算法として広く用いられているが、音が障壁に対して非鉛直方向から到来する場合、実際の空間とは異なる障壁を仮定して計算している。そこで、障壁を設置した3次元空間の音響数値解析を行い、音の入射角が変化することで、減衰量がどのように異なるか検討した。また、解析結果より、周波数と音の入射角からなる回折減衰量の補正式を提案する

抄録(英語)

回折減衰量,前川チャート,FDTD法,入射角
N-2015-08 【 PDF
アンサンブル平均を用いた吸音特性測定法 ─ 測定原理の整理と低吸音性材まで含めた適用可能性について ─
Absorption measurement method by ensemble averaging technique -Measurement mechanism and applicability to low-absorptive materials-
大鶴徹1、富来礼次1、岡本則子2、上田笑2、三好里沙3
Toru Otsuru1、Reiji Tomiku1、Noriko Okamoto2、Emi Ueda3、Risa Miyoshi3
1大分大学工学部、2有明高等専門学校建築学科、3大分大学大学院工学研究科
Department of Architecture and Mechatronics、Faculty of Engineering、Oita University 、Department of Architecture、Ariake National College of Technology、Department of Architecture and Mechatronics、Graduate School of Engineering、Oita University
抄録

本稿では、EnsembleAveraged Surface Normal Impedance測定法(EA法)の基本的な測定メカニズムと低吸音性材への適用可能性について報告する。材の吸音特性の測定法については、既に多くの手法が提案され、そのいくつかは規格化されている。しかし、波動音響数値解析の境界条件として要求される不確かさの範囲に収まる精度のデータベースは不足している。さらに既存の手法では、波動解析で主眼とする100 Hzから1000Hzの周波数領域の吸音特性を、特にin-situで測定するには困難を伴う。それらを克服するものとして提案されたEA法の測定原理について、まず、有限要素法の吸音モデリングとの関連から、EA法が材表面の吸音性状の代表的な特性を、入射事象のアンサンブル平均として求めていることを数理的に明示する。また、3種原さのグラスウールを対象とする境界要素シミュレーションにより、アンサンブル平均が、単一音源の場合に不可避な材端からの反射・回折波の影響を、効果的に排除することを確認する。最後に、低吸音性である屋外のコンクリート路面やアスファルト路面、および、屋内廊下のビニルタイル床面の吸音特性を、EA法によりin-situ実験で複数回求め、管内法の測定値と比較した。今回の実験では、EA法により求めた吸音率の周波数特性の傾向が管内法の結果へ十分近似し、かつ、得られた吸音率の不確かさが0.03以下の範囲に収まった。すなわち、EA法が屋外測定を含む低吸音性材のin-situ測定へも適用可能であることが示す一例と考えてい

抄録(英語)

N-2015-09 【 PDF
ハノイ・ノイバイ空港周辺での段階的な騒音暴露量の変化に対する社会反応:新ターミナルビル竣工前の調査
Social survey on community response to a step change in aircraft noise exposure around Hanoi N oi Bai International Airport Phase 1: Before the operation of a new terminal
グェン・タオ・リン、グェン・トゥー・ラン、矢野陥、西村強、佐籐哲身、森長誠、山田一郎
Nguyen Thao Linh1、Nguyen Thu Lan1、Takashi Yano1、Tsuyoshi Nishimura2、Tetsumi Sato3、Makoto Morinaga4 and Ichiro Yamada5
1熊本大学大学院自然科学研究科 2崇城大学情報学部 3北海学園大学工学部 4一般財団法人防衛施設協会調査研究室 5航空環境研究センター
1Graduate school of Science and Technolody、Kumamoto University、2Faculty of Computer and Information Sciences、Sojo University 3Faculty of Engineering、Hokkai Gakuen University 4Defense Facilities Environment Improvement Association 5Aviation Environment Research Center
抄録

-

抄録(英語)

To evaluate community response to a step change to aircraft noise exposure associated with the launching of a new terminal at Hanoi Noi Bai International Airport、a social survey including three rounds of face-to-face interviews is going to be implemented. The first round of interview was conducted in September、2014、three months prior to the opening of the new terminal、while the second round is planned to be carried out in February、2015、two months after the start of operation. The achieved outcome of the first survey indicates that the exposure-response curve of Hanoi Noi Bai was fitted onto EU's curve below 55dB Lcten・ However、% Highly Annoyed by aircraft noise is markedly greater than the EU's result above 55dB Lcten・ Additionally、the %Highly Annoyed of this survey is 5% lower than the result obtained in 2009 survey.

community response,step chance,social survey,exposure-response curve,highly annoyed
N-2015-10 【 PDF
欧州空港(仏・蘭・英)における騒音問題への取り組みの現状
Survey of efforts for managing recent airport noise problem in European airports(CDG、AMS、LHR)
上田麻理、吉岡序、山田一郎
Mari UEDA、Hisashi YOSHIOKA and lchiro YAMADA
空環協/航空環境研究センター
AEIF/Aviation Environment Research Center
抄録

航空技術の進展により航空機の低騒音化が実現しつつある現在、我が国の主要空港では、空港容量拡大ニーズに伴う環境面の変化により、これまでにはなかった問趙等が発生している.これらの間題解決の指針等を得るには、諸外国の対策対応の現況や事例等を把握することも重要である.そこで、本稿では海外の主要空港における航空機騒音間趙の現状及び政策対応等を把握するために、欧州3都市(仏・蘭・英)の運輸省及び、空港会社等の騒音対策担当者を訪間してヒアリング調査を行った.その結果、騒音苦情は、AMSを除く2空港(CDG、LHR)が我が国同様、遠方からの騒音レベルの低い地域からの苦情が大きな間題であった.いずれの空港も、解決の具体的指針等は得られておらず、様々な騒音低減運航方式の試験的運用や騒音評価指標の再考、情報公開等により解決策を模索中である等が分かった

抄録(英語)

欧州都市型空港,騒音間題,騒音対策
N-2015-11 【 PDF
騒音曝露人口算出のための住居系建物の居住者数推定手法に関する研究
Study on estimating the number of residents in buildings to calculate the noise exposure population
平栗靖浩1、藤本一寿2
Yasuhiro Hiraguri1、and Kazutoshi Fujimoto2
1隠山工業高等専門学校、2九州大学
1National College ofTechnology、Tokuyama College、2Kyushu University
抄録

研究では市販のデータを使わず精度とユーザビリティを兼ね備えた建物の居住者数推定手法を提案する.本手法は、基盤地図情報の建築物データをベースマップとし、5段階の住居系/非住居系の判別を実施し、戸建住宅と集合住宅非住居系建物に分類する.各段階では公的機関が公開している地理情報やGoogleMapsを用いている.その後各種統計データより、建物の居住者数を推定する.岡山市を対象に本手法を適用したところ、戸建住宅は良好に判別できているが集合住宅の判別力漢佳しいことがわかった.

抄録(英語)

健康リスク,騒音暴露人口,居住者数推定,地理情報システム
N-2015-12 【 PDF
遮音壁内における各種パネルの最適配置設計
Optimal placement design of various panels in the noise barrier
山本健次郎、木村秀成、三木慎、松本敏雄
Kenjiro Yamamoto、HidenariKimura、MakotoMiki、 Toshio Matsumoto
日鐵住金建材株式会社 一般財団法人小林理学研究所
Nippon Steel & Sumikin Metal Products Co.、Ltd. Kobayasi Institute of Physical Research
抄録

般的な遮音壁では、量産化などの面から壁全体に1種類の吸音パネルが配置されている。しかしながら、遮音壁に要求される吸音や遮音の音響性能は壁内で異なるため、壁内の配置場所に応じて、異なる音響性能を持つ吸音パネルを配置することで遮音壁の最適設計が可能となる。本報では、吸音パネルの透過音に注目し、壁内における吸音パネルの最適な配置場所を明らかにした。最適解の定義は、評価点における騒音レベルの目標値を達成し、重量をベースとした総スコアが最小となる吸音パネルの組合せとし、全数検索により最適解の算出を試みた。

抄録(英語)

遮音壁,吸音パネル,最適配置,スリット法,軽量化
N-2015-13 【 PDF
コンサートホール音場における響きの質感と残響感
Texture of reverberation and Reverberance in concert auditoria.
古屋浩1、石塚翔太2
Hiroshi Furuya1 and Shota lshizuka2
1芝浦工業大学工学部建築学科 2芝浦工業大学理工学研究科建設工学専攻
1 Department of Architecture、College of Engineering、Shibaura Institute of Technology 2Graduate School of Engineering and Science、Shibaura Institute of Technology
抄録

:コンサートホール音場の後期反射音がもたらす聴覚的効果には、時間的側面を表す'残讐感(聾きの長さ感)'(Reverberance、REV)と空間的側面を表す‘音に包まれた感じ'(Listenerenvelopment、LEV)がある。本研究は、後期反射音による聴覚的効果を特徴づけるもう一つの切り口として‘響きの質感'(Textureof reverberation、TRV)を定義し、これがホール音場で知覚される音像の質的側面を表す要素感覚として有効であるかどうかについて検討するものである。本稿では、後期反射音の時間分布密度と残響時間を独立に変化させた刺激音場を用い、響きの印象に関する非類似度実験並びにTRV、REVの心理的尺度値を求めるための一対比較実験を実施した。これらの結果から、(i)TRVの説明を受けた被験者グループはTRVを有意に知覚できること、(ii)後期反射音の時間分布密度の変化がTRVの知覚に弁別可能な影響を与えること、(iii)聾きの印象評価においてTRVはREVと異なる評価軸となることを示した。

抄録(英語)

ホール音場,要素感覚,残響,響きの質感,後期反射音の時間分布密度
N-2015-14 【 PDF
平面道路に面する地域における 戸建て住宅群による道路交通騒音減衰量の予測法 ─ 点音源モデルの予測式 F2012の簡易計算法 ─
Prediction of insertion loss of detached houses against road traffic noise based on a point sound source model -Simplification of prediction for-mula F2012
藤本一寿1森田建吾2
Kazutoshi Fujimoto、Kengo Morita
1九州大学大学院人間環境学研究院、2九州大学大学院人間環境学府
1Faculty of Human-Environment Studies、Kyushu University 2Graduate School of Human-Environment Studies、Kyushu University
抄録

:環境省「騒音に係る環境基準」は、道路に面する地域の騒音達成状況を甚準値を超過する建物の戸数や割合によって評価することとしており、またすべての建物について騒音レベルを測定することは困難であることから騒音を推計することも認めている。この騒音推計には建物群による騒音減衰量を求める必要があることから、筆者らは、直線這路だけでなく曲線道路にも適用可能な“点音源モデルに基づく戸建て住宅群による道路交通騒音減衰量の予測法F2012’'を提案した。F2012は、ASJRTN-Model 2013にも採用されている。F2012は、音源点から予測点に伝搬する騒音の建物群による減衰量△LBを、直接音E小r、反射音Eref、1次回折音Edif、l、その他Edif、2のエネルギーの総和から求める計算式となっている。しかし、各エネルギーの計算に必要な騒音予測パラメータの算出は必ずしも簡単ではない。特に、Eref、E山f、1は、EdirやE山f、2に比べると値が小さいにも拘わらず、それらのパラメーターの算出は煩雑である。そこで、本報では、E巾rとEdif2のパラメーターだけで△LBをどの程度予測できるかについて検討した。

抄録(英語)

2015年3月6日(沖縄)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-15 【 PDF
木造建築物における振動測定に及ぼす残響に関する検討
Factor of Measurement Methods for Vibration on Wooden Floor.
佐野泰之
Yasuyuki SANO
愛知工大
AIT
抄録

れまでの研究の結果、木造床において、畳を剥がし測定を行うと、そ
の荷重の変化により、測定値が変化する結果が得られた。また人荷重により影響が生
じる事例もある。本報では、木造建築物における木質仕上げの床の振動測定に及ぼす
影響について検討する。 FEMによる数値実験や、測定事例から、人荷重が測定結果
に及ぼす事などを町らかにしている。

抄録(英語)

木造,床振動,振動測定,人荷重
N-2015-16 【 PDF
排水性舗装(高機能舗装Ⅰ型)路面の音響特性と騒音伝搬特性
Measurements of acoustic characteristics of drainage asphalt and excess attenuation on sound propagation over the surface.
福島昭則、ー木智之、太田達也、中尾剛士、岩吹啓史、長船寿一
FUKUSHIMA Akinori、ITIKI Tomoyuki、OHTA Tatsuya、IWABUKI Hiroshi、OSAFUNE Toshikazu
ニューズ環境設計 高速道路総合技術研究所
NEWS Environmental Design Inc. 、Nippon Expressway Research Institute Co. Lt
抄録

水性舗装(高機能舗装 I型)路面は吸音特性を有することから、
排水性舗装路面上の騒音伝搬においては地表面効果による超過減衰が生じる。し
たがって、排水性舗装の道路交通騒音予測の精度向上においては、排水性舗装で
の超過減衰を把握しモデル化する必要がある。ここでは、舗設後 1年 4ヶ月経過
した自動車専用道路において、スピーカを用いて排水性舗装路面の音曹特性や伝
搬特性を測定した。その結果、音源からの距離が離れると超過減衰が生じており、
また自動車走行騒音のユニットパターンにも同様な超過減衰の傾向がみられた。

抄録(英語)

道路交通騒音,排水性舗装,吸音率,音響インピーダンス,超過減衰
N-2015-17 【 PDF
航空機騒音評価量の信頼性に影響を及ぼす要因の検討 ─ 単発騒音算定方法の課題
Consideration of the factors affecting the reliability of aircraft noise evaluation -contentious issues ofLAE calculation method -
篠原直明、川瀬康彰、花香和之、浅野裕季子
SHINOHA Naoaki、KAWASE Yasuaki、 HANAKA Kazuyuki、ASANO Yukiko
一般財団法人成田国際空港振興協会
Narita International Airport Promotion Foundation
抄録

平成 25年 4月より、改正航空機騒音に係る環境晶準が施行し、 評価指標が WECPNLから Ldenに変更され、測定や評価の方法が大きく変わる ことになった。これに伴い環境省は測定結果の信頻性を担保するために、統一 的な測定・評価の方法・考え方を示した「航空機騒音測定・評価マニュアル」 を公表した。これに晶づき国内各地の空港周辺で新しい基準による騒音観測が 行われてきたが、改正晶準の施行後 2年弱が経過し、さまざまな要因が測定結 果や評価値に影響を及ぼすものとしてあらためてクローズアップされている。 筆者らは単発騒音算定時における課題や短期測定結果に見づく長期間評価値 の信頼性について報告した I、2)が、さらに、測定マニュアルでは説明不足や明 確でない点を含め、評価鼠の信頼性に影脚を及ぼす要因について追加検証する ことにした。本報告は、測定地点における信頼性を担保できる測定環境の考え 方や単発騒音算定における課題などについて検討したものである。

抄録(英語)

航空機騒音,環境基準,信頼性
N-2015-18 【 PDF
音源探査装置を活用した橋梁点検に関する基礎的検討 ─ インフラ維持管理用ロボット技術の開発 ─
Fundamental study of a method for inspecting bridges by using the sound source localization device -Development of robot technology used for infrastructure maintenance -
大脇雅直1、財満健史1、山下恭弘2
Owaki Masanao、Zaima Takefumi、Yamashita Yasuhiro
1熊谷組技術研究所 2信州大学名誉教授
1Technical Research & Deveropment Institute Kumagaigumi Co.、Ltd. 2Prof.Emeritus、Shinsyu University
抄録

橋梁のコンクリート裏面の空隙部や浮き部をロボットを用いて 点検する技術について韮礎的な検討を行っている。ベークライトの円柱板(直 径 120mm) 上にマイクロホンを 5本設置し、その上に G W(64kg/m2 厚さ 46 mm) を被せ、マイクロホン後方からの反射音の影聾を低減し、音源方向を示す ことができる音源探査装置を試作した。無響室において、マイクロホン後方に 設置した障壁の有無にかかわらず、音源探査装置がおおよそ音源スピーカの方 向を示すことがわかった。次に、壁からの反射が想定される場所の柱近くに音 源探査装置を設置し、タイル表面を検知棒で加振し、柱表面のタイル刹離を検 知できること、コンクリート内部の空隙や浮きについても模擬試験体を用いて 音源方向を検知できることを示した。

抄録(英語)

音源探査装置,橋梁点検,ロボット維持管理
N-2015-19 【 PDF
公共交通機関でのユニバーサルな音声放送の検討
On Announcement in Public Transportation System from View Point of Universal Design
高見杏奈、永幡幸司
Anna Takami、Koji Nagahata
福島大学
Fukushima University
抄録

公共交通機関での音声放送について、視覚障害者、音に対して過敏な人、他 の利用者の 3つの視点からの評価を検討した.その結果、視覚障害者の評価のうち、視 覚障害者にとって必要な放送に対する評価と、音に対して過敏な人の評価は対極にあり、視覚障害者にとって必要ではない放送に対する評価は、他の利用者のそれらの放送に対 する評価と一致すると整理された.また、一部の放送に対して、3つの視点からの評価 が共通する場合がみられた.そして、公共交通機関でユニバーサルな音声放送を実現す るためには、視覚障害者にとって必要な放送が流されるべきであり、それ以外の放送は 流されるべきではないと論じた.

抄録(英語)

公共交通機関,音声放送,ユニバーサル,文化騒音

2015年5月28日(名古屋)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-21 【 PDF
地盤から戸建て住宅への振動伝搬性状
Vibration propagation characteristics from the ground to houses.
澤瑞穂、佐野泰之
Sawa Mizuho、Sano Yasuyuki
愛知工業大学
Aichi Institute of Technology
抄録

道路交通振動を含む環境振動が地盤から建築構造物への伝搬と 建築構造物内の伝搬のメカニズムを明らかにすることを目的とし、地盤から建 物への振動伝搬の距離減衰性状を把握する。
地盤振動伝搬に、建物による影響があるのか、建物からの距離別に距離減衰 性状を把握し、考察する。また、地盤から建物内部への振動伝搬を、加振点か ら測点までの水平距離を採用し、考察する。建物内について、特に高振動数域 において、振動モードの影響を強く受け、測定値にばらつきが生じる。振動測 定を評価するためには、測点位置の選定が重要と考えられるため、大きな振動 が発生しやすい場所を選定する方法をここでは考える。

抄録(英語)

加振実験,測定方法,振動伝搬性状,工事振動
N-2015-22 【 PDF
長スパン木造建築物の振動伝搬性状─ その1 建物内加振実験結果 ─
Vibration Propagation on a Long Span Floor Made by Timber Structure - Part1. Vibration Responce of Excitation on a Floor.
佐野泰之1、中村昇2、杉本健一3、宇京斉一郎3、藤野栄一4、鎌田貴久5
Yasuyuki SANO 1、Noboru NAKAMURA2、Ken-ichi SUGIMOTO3、Seiichiro UKYO3、Eiichi FUJINO4、Takahisa KAMADA5
1愛知工大 、 2秋田県立大、 3森林総研、4職業大、5日本大
1AIT、2Akita Perf. Univ.、3FFPRI、4Polytechnic Univ.、5Nihon Univ.
抄録

木造床は、RC 床などと比較すると、重量が軽い。このため、人荷重
により、測定結果に差が生じると考えられる。また、剛性も弱いため、振動モードに 関連した振動レベル分布的な減衰性状では無く、加振点からの距離に依存する傾向を 示す可能性がある。木造床については、RC 床と同じ測定・評価方法で良いか不明で ある。本報では、実測による実験により、これらの影響について考察を行う。この結果、人荷重などによる影響や、振動評価として望ましい測定点について示している。

抄録(英語)

木造,床振動,振動測定,人荷重,測定評価,振動伝搬
N-2015-23 【 PDF
車両の道路走行に起因する地盤応答最大値の発生メカニズムに関する考察
A Study on the Generation Mechanism of Maximum Values on Soil Response Caused by Vehicle Traveling on the Road
石田理永
Riei ISHIDA
石田振動環境研究室
Ishida Vibration Environment Research Laboratory
抄録

本研究では、道路形式の代表例として平面道路と高架道路の 2 つを取り上げ、 大型車両が道路上を走行した際の地盤応答最大値の発生メカニズムについて、 「地盤加振力」と「地盤伝播」の関係に着目して考察を行った。平面道路交通 振動においては、地盤加振力が移動することで生じる応答波形の包絡形状と、 路面上の局部段差に起因する地盤応答の増大の組み合わせで、地盤応答最大値 が発生することが分かった。一方、高架道路交通振動においては、地盤加振力 は高架橋の構造や車両が走行する車線位置の影響を大きく受け、隣接する複数 橋脚基礎部を加振点として同時に伝播する非定常振動の重ね合わせにより、地
盤応答最大値が発生することが予想された。

抄録(英語)

平面道路交通振動,高架道路交通振動,移動加振,局部段差,地盤加振力
N-2015-24 【 PDF
騒音下におけるインクジェットプリンタ動作音の印象評価
Impression Evaluation of Inkjet Printer Noise under Background Noise
村田啓典、高須淳、野呂雄一、竹尾隆
Keisuke Murata、Jun Takasut、Yuichi Noro、Takashi Takeo
三重大学大学院工学研究科
Garaduate School of Engineering、Mie University
抄録

騒音下におけるインクジェットプリンタの動作音の印象を一対比較法を 用いて調査し、従前のレーザープリンタの場合と同様、背景音の存在によって印 象が変化することを確認した。また、レーザー方式の場合に有効であった指標が インクジェット方式に対しても有効であるかを確認したところ背景音のあるインク ジェット方式では良い対応を示さなかった。そして、マスキングを考慮したマスク トラウンドネス Np が動作音に対する印象を説明するうえで重要な要素と考え、そ の時間率 (95% 値) レベル、 Laea の増分、変動強度の3つの指標の線形和で表され る評価式を得た。評価式は本実験で得られた印象と比較的高い相関を示した。

抄録(英語)

プリンタ動作音,印象評価,CI,変動強度,時間率,騒音レベル
N-2015-25 【 PDF
極端気象現象が励起するインフラサウンド・シグナル
Infrasound signals produced by thunderstorms
新井伸夫1、村山貴彦2、岩國真紀子2、本橋昌志2、吉開朋弘2、野上麻美2
ARAI Nobuo1、MURAYAMA Takahiko2、IWAKUNI Makiko2、MOTOHASHI Masashi2、YOSHIKAI Tomohiro2、NOGAMI Mami2
1名古屋大学 、2日本気象協会
1Nagoya University、2Japan Weather Association
抄録

地球温暖化等の影響により、局地的、突発的な集中豪雨や竜巻
と言った極端気象現象の発生頻度が増加していると言われている。昨今、その ような現象による被害もたびたび報告されていることから、それら現象の発生 や発達過程のモニタリングを行うことは重要である。そこで、そのような現象 の検知や発達過程の解明を、それら極端気象現象が発する音を活用して実施す ることを目標に、その第一歩として、関東平野において試験的なアレイ観測を 実施した。2014年7月から11月にかけて実施したその観測において落雷によ るものと思われるインフラサウンド・シグナルを多数検知した。既存アレイ観 測施設にて得られたデータをもあわせ解析することで、音源である落雷発生地 点推定の可能性が明らかとなった。

抄録(英語)

インフラサウンド,極端気象,アレイ観測,雷雲,落雷
N-2015-26 【 PDF
音波の人体影響について(II)─ 人体による音の吸収/前稿の修正 ─
Influence of Sound Ware on Human Health (1)
久野和宏
Kazuhiro KUNO
-
抄録

前稿において音波による人体影響について検討するため体表面及び耳による吸音量の推定を試みた。その後、修正すべき点が多々見い出された。本稿では耳の伝達構造についてより詳細な考察をいこない、内耳の音量(内耳に伝達される振動エネルギー)を再度推定し、加筆及び修正を試みた。

抄録(英語)

2015年6月19日(徳山)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-27 【 PDF
広域放送の明瞭性確保のための諸々の検討
Variousstudies for securing intelligibility in municipal public address system
佐藤史明1、佐藤真生1、園田矢弓1、森淳一2
Fumiaki Satoh1、Mao Sato1、Syun Sonoda1、Junichi Mori2
1千葉工大、2 防衛施設協会・元千葉工大
1Chiba Institute of Technology、2 Defense Facilities Environment Improvement Associationand Chiba Institute of Technology(former)
抄録

広域放送システムからのアナウンス音の明瞭性確保に関する研究として、設計支援ツールとしての完成を目指している可聴型予測システムの精度に関する検討をはじめ、広域放送システムのスピーカ配置に関する検討、アナウンスの音源信号に関する検討を行った。予測システムの検討としては、6ch。収音-再生システムの正中面内下方向の定位実験と仮想実音場との明瞭性評価の比較実験を行った。放送システムのスピーカ配置に関する検討としては、1つのスピーカのサービスエリアを狭くする方法に関するシミュレーションと聴感実験を行った。音源信号に関する検討としては、アナウンスの話速やポーズ長をパラメータとした聴感実験を行った。

抄録(英語)

N-2015-28 【 PDF
ロングパスエコーを考慮した屋外拡声システムの評価
Evaluation of outdoor public address system considering a long-pach echo
佐藤逸人、森本政之、宮川祐輔
Hayato SATO、Masayuki MORIMOTO、Yusuke Miyagawa
神戸大学大学院工学研究科
Graduate School of Engineering、Kobe University
抄録

防災行政無線の屋外拡声システムは、災害等からの避難情報を不特定多数に一斉送信する方法として非常に有用であるが、以前からロングパスエコーによる明瞭性の低下が指摘されてきた。この明瞭性の低下を評価するためには、エネルギーマスキングのみを考慮した既存の物理指標では難しく、種々の両耳効果を考慮する必要があると考えられる。そこで、本研究では、直接音の両耳間差とロングパスエコーの両耳間差の差に着目し、これにより両耳効果が音声了解度に与える影響を説明できるという仮説を検証した。実測調査を基に防災行政無線の屋外拡声システムを模擬した音場で、直接音とロングパスエコーの提示方向の組み合わせをパラメータとした音声了解度試験を行い、スペクトラルキューが含まれない場合であれば、仮説は成り立つことを示した。

抄録(英語)

N-2015-29 【 PDF
防災放送音の長期観測結果からDNNを用いて気象パラメータを直接推定する方法について
Estimation of meteorological parametersfromlong-term monitoringofemergency public addressingtest soundsby a deep neural network
大島俊也、内藤大介、春原政浩
Toshiya Ohshima 、Taisuke Naito、Masahiro Sunohara
リオン株式会社
RION Co.、Ltd.
抄録

大島らは、防災拡声放送の長期間観測結果から放送音の聴こえが気象条件によって日々変化すること、親局から発信される電波信号と観測された音波信号の相互相関関数のパターンと気象条件が密接に結びついていることを報告している。本報告ではこの多数の相互相関関数のパターンをディープニューラルネットワーク(DNN)の入力情報として学習させ、気象パラメータ(風向、風速、温度、湿度など)を直接推定する方法を検討した結果を報告する。

抄録(英語)

N-2015-30 【 PDF
地表面の形状及び超過減衰を考慮した屋外騒音伝搬の波動解析と幾何解析の比較
Comparison of the results of numerical and geometrical outdoor acousticsimulations in a real-life area
星和磨1、大嶋拓也2、平栗靖浩3
Kazuma Hoshi1、Takuya Oshima2、 Yasuhiro Hiraguri3
1日本大学短期大学部建築・生活デザイン学科、2 新潟大学工学部建設学科、3 徳山工業高等専門学校
1Dept. of Architectrure and Living Design、Junior College、Nihon University、2Dept. of Civil Engineering and Architecture、Faculty of Engneering、Niigata University、3 Dept. of Civil Engineering and Architecture、National Institute of Technology、Tokuyama College
抄録

音響数値計算による実在地域の屋外騒音伝搬の予測手法を確立することを目的に、これまでハイパースペクトルデータを用いた地表面種別の同定方法、地表面インピーダンスを考慮したFDTD法の適用を進めている。そこで今回は、マクロモデルをベースとした騒音伝搬予測ソフトウエアHarmonoiseによる計算結果と比較することで、提案手法が妥当であるか検討した。その結果提案手法は、建物の形状による遮蔽および地表面による超過減衰を考慮して計算できることが確認された。

抄録(英語)

N-2015-31 【 PDF
公共空間の音環境評価に向けた雑踏音場シミュレーションシステムの開発
Development of a sound field simulation system for crowd noise in public spaces.
西村裕喜子1、佐久間哲哉2
Yukiko Nishimura1、Tetsuya Sakuma2
1清水建設株式会社技術研究所、2東京大学大学院新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻
1Institute of Technology、Shimizu Corporation、2Department of Socio-cultural Environmental Studies、 Graduate School of Frontier Sciences、The University of Tokyo
抄録

公共空間の音環境の予測・再現を目指し、背景音である雑踏音に着目した可聴化シミュレーションシステムの開発を行った。システムは音線法と6ch音場再生系から構成される。音源は歩行者の足音・話声と空調音を想定して空間内に配置し、足音・話声は移動を模擬した。実在する公共空間を本システムによって模擬した結果、騒音レベル及び賑やかさ・音の大きさ等の聴感印象が実音場と概ね一致した。また、条件を変化させた空間を本システムにより作成し、比較実験を行った結果、うるささ・音の大きさの印象は騒音レベルと対応した一方で、残響感は残響時間との明確な対応が見られず、騒音レベルに影響を受けている可能性が示された。

抄録(英語)

2015年7月31日(大坂)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-32 【 PDF
環境音および音源側の評価とコミュニケーションの関係
Relationship between communication and the evaluation of environmental sound and its source side
青野正二1、河内なつみ2
Shoji Aono1、Natsumi Kawauchi2
1大阪大学大学院人間科学研究科、2三原市役所
1Graduate School of Human Sciences、Osaka Univ.、2Mihara City Government
抄録

本研究では、コミュニケーションの有無が環境音や音源側の評価にどのよう な影響を与えるかについて検討を行った。実験参加者 20 名に対して、40 種類の環境音を 17 個の7段階 SD 尺度で評価してもらった。実験条件として、 環境音を発する相手とコミュニケ
ーションがある場合とない場合の 2 条件を設定した。その結果、音および音源側のどちらの
評価においても、 2条件間で迷惑感に関わる尺度で顕著な差がみられ、コミュニケーション
がある場合の方がない場合よりも、迷惑感が低くなる傾向が見られた。続いて、評定尺度値 をもとにクラスター分析を行ったところ、環境音は 5 つのクラスターに分類された。因子分 析では「迷惑感因子」、「音量因子」、 「美的因子」が得られ、刺激ごとに因子得点を算出した ところ、全クラスターを通して、ほとんど全ての刺激において、音源側とのコミュニケーシ ョンの有無が音および音源側の評価に影響を与えることが示された。また、全体的に「音量 感」が大きく感じられた刺激は「迷惑感」も大きく感じられた一方で、音圧レベルが十分低 く「音量感」が小さく評価されても「迷惑感」が大きく評価された刺激や相対的に音圧レベ ルが低くても「迷惑感」が大きく評価された刺激も見られた。したがって、単純に音圧レベ ルの大小では「迷惑感」ははかれないことも示された。

抄録(英語)

環境音,評価,コミュニケーション,音源,迷惑感 
N-2015-33 【 PDF
連続体の境界における変位加振の等価な力加振への置換による解析
Theoretical analysis of continuous body using replacement of displacement excitation into force excitation
山田啓介
Keisuke YAMADA
関西大学システム理工学部
Kansai University、Department of Mechanical Engineering
抄録

本論文では連続体が境界において変位加振を受ける場合 に、その変位加振を等価な力加振と固定の境界に置換して解析する方法 を提案した。提案手法を用いると連続体が境界で変位加振を受ける場合 にもモード解析を適用することができるようになる。本論文では連続体 として一次元音響管とはりの曲げ振動を取上げた。これらを代表として 取上げた理由は、前者は支配方程式が波動方程式で、後者は4階の微分 方程式で与えられ、本質的に異なるためである。本論文では、強制変位 を境界条件として与えて解析する従来法と提案手法とをシミュレーシ ョンで比較し、提案手法の有効性を確認した。

抄録(英語)

Continuous body,Displacement excitartion,tation、Acoustic field,Beam,Wave equation
N-2015-34 【 PDF
プラズマアクチュエーターを用いた超音速騒音低減への取り組み
Approach of Supeusonic Jet Noise Reduction Using DBD Plasma Actuator
白石裕之、松岡勇樹、佐藤豊浩、河合真吾
Hiroyuki Shiraishi、Yuuki Matsuoka、Toyohiro Sato、Shingo Kawai
大同大学
Daido University
抄録

超音速飛行体から発生する騒音は衝撃波を伴う激しいものであ り、通常はそのために地上での超音速巡航は禁じられている。このことは、航 空機が高速で飛行する事によるメリットを大幅に削ぐものである。
この様な状況を緩和するための一方策として、 プラズマアクチュエーターを プラズマ源として超音速噴流中に挿入し、それによるスクリーチ騒音特性の変 遷についての調査を試みた。その結果、プラズマ添加によって音圧レベルが低 下することが判明した。 この際、電源周波数によって周波数分布にピークが生じるという懸念は有っ たものの、誘電体が消耗・損傷しやすい高周波条件(20kHz超)でも既存のシ ステムでの実験は可能であり、 ピーク周波数は可聴領域外となった。また、電 源ON/OFF の時間を半々 (Duty比50%)にしたところ、 連続 ON (Duty比 100%)
に比して更なる騒音低減効果が確認できた。

抄録(英語)

Supersonic jet noise reducation,Plasma actuator
N-2015-35 【 PDF
放射線、電磁波、音波の人体影響
Influence of Radiation、EMC and Sound Wave on Human Health
久野和宏
Kuno Kazuhiro
-
抄録

α線、β線、γ線、x線等の放射線は人体に多大な影響を及ぼすことはよく知られている。また、電磁波の影響についても携帯端末の爆発的普及によりしばしば話題に上がるようになった。さらに音波については睡眠や聴力をはじめ各種の影響が知られている。本稿では放射線、電磁波及び音波による人体影響の概要を述べ、相違点や類似点について比較、検討する。これらは何も人体に吸収されるエネルギー(吸収線量)に起因する現象である。

抄録(英語)

N-2015-36 【 PDF
地面反射と複数マイクロホンを利用した航空機騒音の到来方向の推定
Estimation of the direction of aircraftnoise using ground reflection and multiple microphone.
福島徹彦、一木智之、福島昭則
Tetsuhiko FUKUSHIMA、Tomoyuki ITIKI、Akinori FUKUSHIMA
株式会社ニューズ環境設計
NEWS Environmental Design Inc.
抄録

無人で航空機騒音を測定する際、同じ機種の航空機が上空通過 しても飛行コースによって騒音レベルがばらつくことがあり、また、航空機騒 音の識別を行う際も、上空からの音か地上からの音かを判別するためにも、音 の到来方向を推定できるシステムが必要となってくる。本稿では、 3 つのマイ クロホンを用いて音の到来方向を推定する方法を提案し、現地調査にてその推 定精度を確認した。その結果、プロペラ機を除くほとんどの航空機で実際の飛 行コースとよく一致した結果が得られた。

抄録(英語)

航空機騒音,飛行経路,相関法,CSP法 
N-2015-37 【 PDF
歯科治療騒音に対する時間・周波数領域の和音構造付与に基づく快音化
Comfortable Sound Design Based on Chord-forming in Time and Frequency Domains for Dental Treatment Sound
大塩祥剛1、生藤大典1、福森隆寛2、中山雅人2、西浦敬信2
Yoshitaka OHSHIO1、Daisuke IKEFUJI1、Takahiro FUKUMORI2、Masato NAKAYAMA2、Takanobu NISHIURA2
1立命館大学院情報理工学研究科 、2立命館大学情報理工学部
1Graduate School of Information Science and Engineering、Ritsumeikan University、2College of Information Science and Engineering、Ritsumeikan Universit
抄録

歯科治療時に発生する騒音は、高周波数帯域にピーク周波数成 分を持つことが原因となり、多くの患者や医師に強い不快感を与えている。 本 稿では、我々がこれまでに提案してきた聴覚マスキングに基づく歯科治療音の 不快感低減手法と楽曲付与と聴覚マスキングに基づく歯科治療音の不快感低 減手法について説明する。さらに本稿では、「歯科治療音の快音化」という新 たな着想の基、快音である音楽理論における和音のスペクトル構造および時間 構造に着目し、時間・周波数領域の和音構造付与に基づく快音化手法を提案す
る。最後に主観評価実験を実施し、提案手法の有効性を確認した。

抄録(英語)

N-2015-38 【 PDF
吸音性障壁とエッジ効果
Sound-absorbing noise barriers and the edge-effect. 
河井康人
Yasuhito Kawai 
関西大学・環境都市工学部
Faculty of Environmental and Urban Engineering、Kansai University 
抄録

著者は既に、障壁のエッジ近傍に生じる非常に大 きな粒子速度(エッジ効果)を適切に抑制することで、回折 領域における音場を効果的に低減する手法を提案し、道路交 通騒音等に対して 10 dB 程度の減衰効果が得られることを理 論的に示し、実験的にもその効果を確かめた。本手法を用い たエッジ効果抑制型遮音壁は既に製品化され、騒音対策の現 場で利用されるようになって来ている。これまでの理論的な 検討では、遮音壁本体は剛なものとして扱ってきたが、実際 に利用されている道路用遮音壁等は音源側の面では吸音処理 が施されていることから、本稿では、遮音壁本体の音源側表 面を吸音性にした場合の減音効果に与える影響について理論 的検討を試みた。また、エッジ効果抑制のために用いる薄い 吸音層の高さと減音効果との関係についても検討した。 

抄録(英語)

2015年8月28日(横浜)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-39 【 PDF
スピーカ駆動方式による低騒音空気砲用加振技術の開発
Development of the air gun device by the speaker drive type of the low noise 
藤原、奨1、竹内史朗、美寿見奈穂
Susumu Fujiwara1、Shiro Takeuchi、Naho Misumi
三菱電機 住環境研究開発センター 
Mitsubishi Electric Inc. 
抄録

気体や微細径の霧化液などを固まりの状態で搬送する手段として「渦輪」技術 が有り、「空気砲」と称して科学実験などで離れたところに空気等の固まりを 直接搬送する場面が紹介されている。
近年、映画等のアミューズメント設備では映像の 3D 化に伴い、視聴者に立体 的映像の提供が行われており、更に匂いや音を提供する手段も求められている。
渦輪搬送の一手段としてスピーカ構造を利用した専用加振器を開発し、且つ 前記加振器を低騒音で駆動させるための手段の実現で、尾引きの少ない渦輪の 1m以上飛行と、32dB(A)以下の騒音値を実現した。

抄録(英語)

Speaker Drive,low noise,air gun
N-2015-40 【 PDF
騒音下における音声再生の識別性を重視したスマートミキサー
Smart Mixer method considering the identification of playback speech in noise
長谷川政良、大脇渉、高橋弘太
Masayoshi HASEGAWA、Wataru OWAKI、Kota TAKAHASHI 
電気通信大学 情報理工学研究科
Graduate School of Informatics and Engineering、The University of Electro-Communications
抄録

音楽制作で用いるミキシングの技術を応用し、騒音下で音声の内容 の聞き取りを向上させる手法を提案する。 ミキシングの手法として、 我々が開 発したスマートミキサーを用いる。 スマートミキサーは、 新しい音信号混合法 で、 入力信号の時間周波数平面同士の非線形で時変な重ねあわせを実施する。 これにより、両信号を阻害せず聞き取れるようになる。 スマートミキサーを応 用し、騒音のスペクトルや音量に対応した強調方法を実施することで、 最適な 聴感音量で音声内容が聞き取れる手法に取り組む。

抄録(英語)

騒音,ミキシング,時間周波数表現,フォルマント,拡声器
N-2015-41 【 PDF
音案内による公共トイレの男女識別に関する基礎的検討─ 無意味音声を基調とした音響案内および多言語同時再生の音声案内 ─
study on auditory guiding signals to discriminate men and women in public restrooms 
矢入幹記1、太田篤史2、前田耕造3、原利明4
M. Yairi1、A. Ota2、K. Maeda3、T. Hara4
1鹿島技研、2横浜国大 、3ジーベック、4鹿島建築設計
1Kajima Tech. Res. Inst.、2Yokohama National Univ. 、3Xebec、4Kajima Design
抄録

ユニバーサルデザインに配慮した視覚障碍者のための音案内に関する考察である。 公共トイレの音案内に対象を限定し、無意味音声を基調とした音響案内および多言語同時再生 の音声案内による男性/女性用トイレの識別の可能性を検証した。 評定尺度法を用いた心理実 験および文章了解度試験をおこない、 男女の識別を目的としたトイレの音案内という事前知識 があれば、いずれの方法も高い確率で男女の識別が可能であることを示した。

抄録(英語)

音案内,無意味音声,多言語同時再生,男女識別 
N-2015-42 【 PDF
幹線道路沿いに立地する保育施設の音環境評価
Evaluation of Sound Environment at Nursery School along Arterial Road
山本理貴1、太田篤史1、田中稲子1、船場ひさお2
Riki Yamamoto1、Atsushi Ota1、Ineko Tanaka1、Hisao Nakamura-Funaba2
1横浜国立大学 、2フェリス女学院大学
1Yokohama National Univ.、2Ferris Univ.
抄録

近年、保育ニーズの高まりに伴い保育時間が延長され、室内環境の充実が必 要とされる。その一方で特に都市部においては、緊急性をもった保育施設拡充 対策により、十分な用地確保ができず、外部騒音による影響が懸念される保育 施設も増加している。本研究では、幹線道路沿いに立地する保育施設を対象に、 外部影響も含めた室内における音環境を把握し、施設計画の検討を行った。そ の結果、外部交通騒音が保育施設内の音環境に与える影響が明らかとなった。 また、交通騒音が室内の音環境に与える影響において、室内レイアウトが作用 している可能性が示された。

抄録(英語)

保育施設,幹線道路,外部交通騒音音環境 
N-2015-43 【 PDF
音環境面からみた保育空間の現状─ 熊本市圏の認可保育所を対象とする視察およびアンケート調査 ─
Current Acoustical Situation of Nursery Facilities in Japan - A Census Field Survey for Kumamoto City region
川井敬二
Keiji Kawai
熊本大学大学院自然科学研究科
Graduate School of Science and Technology、Kumamoto University 
抄録

本報は地方中核都市である熊本市域の認可保育所全数を対象と して実施した視察およびアンケート調査の結果の第一報である。調査した保育 所数は 132 園、保育士から得られた回答は 2130 サンプルである。視察の結果、 保育室のクラス境界について、固定壁など遮音性の確保された形態は半数程度 であり、可動間仕切や1室を複数クラスで使用するなどの形態があとの半数で あった。また吸音材が使用されている保育室は 13%にとどまった。アンケート の結果では、会話コミュニケーションが増える3歳児以上を担当する保育士に 会話のしにくさや喉の痛みの回答が多くみられた。担当する保育室の吸音材の 使用や室間の分離により、そうした問題が軽減される可能性が示唆された。

抄録(英語)

保育所,音環境設計,吸音,言語コミュニケーション,アンケート
N-2015-44 【 PDF
保育空間に適した吸音材設置手法の検討
A study on the installation method of sound-absorbing material in nursery spaces 
宮塚健、武岡紗生、上野佳奈子
Ken Miyatsuka、Saki Takeoka、Kanako Ueno
明治大学
Meiji University
抄録

保育空間における音環境改善に向けた吸音材の効果の検証事例 の蓄積に加え、後付けで吸音処理を行う際の、保育空間・ニーズに適した吸音 材設置手法の提案を目的に、音の響きが長い保育園のランチルームと、幼稚園 の保育室を対象として吸音材(ポリウール)を設置し、効果を調べた。吸音材 の設置は簡易的に取り付け・取り外しが可能な方法によるものとし、空間の印 象を損なわないよう保育者の意見を取り入れながら実施した。吸音材の効果を 確認するために、設置前後で室内音響測定、使用時の音環境調査、保育者への 意識調査を行った。

抄録(英語)

保育園,幼稚園,音環境設計,吸音
N-2015-45 【 PDF
低年齢児保育場面での発声行動の調査─ 子ども・保育者のかかわりに着目して ─
A survey of voicing behavior in nursery scene of 0-2 years old children - Focused on relation between children and nursery teachers -
武岡紗生、宮塚健、上野佳奈子
Saki Takeoka、Ken Miyatsuka、Kanako Ueno
明治大学
Meiji University
抄録

乳幼児期の子どもの中でも低年齢である 0-2 歳児の保育場面での 音環境のあり方を探ることを目的として、子どもの発声行動と子ども・保育者 のかかわりに着目して実態調査をおこなった。その結果、低月齢児は発声頻度 が少なく主に泣き声で欲求をうったえること、満 2-3 歳になると子ども同士の 会話が増え発声音量や発声頻度が増大すること、など発達段階によって発声の 仕方・頻度・大きさが異なることが示唆された。また、保育者の細やかな対応・ 声がけにより音環境が調整されうることが示され、中でも子どもへの声がけに おいては、言葉の内容の他に「声の大きさ」「語り方」といった保育者の姿自 体が重要な意味を持つことが示唆された。

抄録(英語)

乳幼児,発声行動,保育者,保育空間,音環境
N-2015-46 【 PDF
保育園・幼稚園の音環境と音あそびプログラムの実際
Acoustic environment of nursery school and kindergarten、and actual situation of educational program by sound
船場ひさお1、大和田千聖2
FUNABA Nakamura Hisao 1、OWADA Chisato2
1フェリス女学院大学、2ベネッセコーポレーション
1Ferris University、2Benesse Corporation
抄録

保育園や幼稚園では、リズムあそびやリトミックといった音楽 活動が必ず行われている。5園を対象に音楽活動の実際を調査したところ、そ の進め方や手法は様々であり、身体を鍛えることに主眼を置く場合と音楽に合 わせることを目指す場合、歌を歌うことを主とする場合などが見られた。また 問題点として、音楽活動を行う部屋の音環境が適切でない場合が多いこと、ピ アノを使うことが非常に多い割に、それによって生じる問題も多いことなどが 見出された。これらを踏まえ、ピアノを用いず、音に耳を傾けさせる音あそび プログラムを構築し実践したところ、子どもからも保育士からも好評を得た。 今後は音楽活動が行われる音環境と共に、音楽活動の内容にも配慮する必要が ある。

抄録(英語)

保育園,音楽,リズム,音あそび,音環境

2015年10月16日(八戸)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-47 【 PDF
鉄骨造デッキプレートスラブの振動性能に関する数値解析
Numerical Analysis on Vibration Performance of Deck Plate Slabs in Steel Structure Buildings
會田祐1、橋本典久2
Yu Aida1、Norihisa Hashimoto2
1長谷工コーポレーション、2八戸工業大学
1HASEKO Corporation、2Hachinohe Institute of Technology
抄録

鉄骨造デッキプレートスラブにおける床振動性能の予測を目的 に、面内面外変位連成型有限要素法(以下、連成型 FEM)による振動応答解析 を検討した。はじめに、鉄骨造デッキプレートスラブの減衰性状に関して実測 調査を行い、減衰特性値の傾向を確認した。続いて、鉄骨造デッキプレートス ラブの振動応答に関して、実測された減衰特性値に基づき、連成型 FEM を用 いてスラブ断面ならびに鉄骨梁を再現した解析モデルにより検討を実施した。 振動応答の解析結果について、実測結果との比較検証を実施した結果、標準重 量衝撃源ならびに歩行加振による応答振動に関して、実測による傾向との概ね 良好な対応を確認した。

抄録(英語)

鉄骨造建物,デッキプレートスラブ,床振動,有限要素法
N-2015-48 【 PDF
デッキプレート合成スラブの振動特性
Dynamic Characteristics of Composite Steel Deck Slab 
坂口純一
Shinichi Sakaguchi
株式会社イチケン 技術部
Technical Department ICHIKEN Co.、Ltd. 
抄録

スポーツ関連施設のデッキプレート合成スラブの振動特性を測 定し、有限要素法による数値解析と比較した。測定結果より、デッキプレート 合成スラブの1次固有振動数は、7Hz~13Hz の範囲にあった。損失係数は、0。01 ~0。5 の範囲にあり、周波数に比例する傾向が見られたもののデータ数が少な く断言はできない。歩行時の振動応答は、建築学会の居住性評価では、ピッチ 歩行時は、V-70〜V-90 の範囲にあり、事務所としての振動性能は許容範囲であ った。小梁を考慮して FEM 固有値解析を行った結果、一例を除き実測値の 0。8 ~1。3 倍の範囲となり概ね一致していたが、振動応答解析は、ピッチ歩行時の
結果に誤差が生じており、解析時の加振方法に検討の余地がある。

抄録(英語)

デッキプレート合成スラブ,固有振動数,有限要素法,歩行時の応答振動
N-2015-49 【 PDF
航空機騒音の可視化!?─ 国内外の主要空港における情報公開システムの現状とあり方について ─
Visualization of aircraft noise!? -How to establish a better information disclosure system on noise and environment around the airport.
上田麻理
Mari UEDA
空環協航空環境研究センター
AEIF/Aviation Environment Research Center
抄録

日本にマッチした情報公開のあり方を明らかにすることを目的 として、その基礎的知見を得るための第一段階として諸外国及び日本における EMS 導入状況調査を行った。その結果、世界の主要空港では web による情報 公開システムのように、オンデマンド方式によるものが増えていることがわか った。 一方で、 CDG のように、特定の場所でのみの公開方法や、成田空港にお ける電光表示板のように、実際の状況を体感しながら、現状を確認することも 有効な手段であること分かった。

抄録(英語)

航空機騒音,可視化,情報公開システム
N-2015-50 【 PDF
小中学校を対象とした音環境に関するアンケート調査─ その3 GISによる検討 ─
Questionnaire survey to the sound environment for elementaly and junior high schools Part.3 Examination by the GIS
西川嘉雄、折井愛美、古本吉論
Yoshio Nishikawa、Manami Orii、Yoshinori Furumoto
長野工業高等専門学校
National Institute of Technology、NAGANO College
抄録

地方都市3都市(長野市、松本市、上田市)と、大都市3都市(横浜市、名 古屋市、大阪市)の小中学校を対象に音環境に関するアンケート調査を実施し 更に GIS による学校周辺状況を検討し以下の事が確認できた。
大都市では、住居系、商業・工業系、田園・山間系のすべてで、地方都市で は主に住居系で音に関する意見が寄せられていた。地方都市・大都市ともに第 一種住居専用地域で音に関する意見が寄せられる割合が大きかった。半径 500m の周辺人口が 1、000 人を超えると意見を音に関する意見が寄せられる傾 向があった。

抄録(英語)

音環境,アンケート調査,騒音問題,GIS
N-2015-51 【 PDF
Green′s Function Parabolic Equation 法における音源指向性の取り扱いについて
Treatment of sound source directivity in the Green's Function Parabolic Equation method
坂本慎一
Shinichi Sakamoto
東京大学生産技術研究所
Institute of industrial Science、The University of Tokyo
抄録

風速や温度の鉛直分布により生じる音速分布は、屋外騒音伝搬に顕著な影響を 及ぼす。このような気象影響に対して、これまでフィールド実験や波動性を考慮した数 値解析による検討が行われてきている。実際上問題となる、航空機、自動車、鉄道車両 などの音源は、それぞれ特有の指向性を有するが、多くの検討では、音源は無指向性点 音源として単純化されてきた。我々は、この音源指向性の影響に対して、屋外実験およ びGreen's Function Parabolic Equation法 (GF-PE法)を用いた検討を行ってきた。本報告で は、GF-PE法において任意の音源指向性を取り扱う方法について述べ、提案する計算手法 の妥当性を実験結果との比較によって確認する。

抄録(英語)

Long-range outdoor sound propagation is strongly affected by meteorological effect due to vertical distribution of wind and temperature. Many researches have been made on the long-range outdoor sound propagation by field measurements and numerical analyses. Although noise sources outdoor including aircrafts、automobiles and railroad trains are directional、many studies assume omnidirectional characteristics as the sound sources. Focusing on the effects of source's directionality、therefore、the author has been investigating the effects of the source directionality on the long-range sound propagation. In this paper、a directional sound source will be dealt with by using the Green's Function Parabolic Equation (GF-PE) method. Numerical method introducing the directivity characteristics of the source for the GF-PE method is described firstly、and the validity of the proposed method is confirmed by comparisons between the calculation results and the experimental ones.

GF-PE法,長距離伝搬,指向性
GF-PE method,Long-range sound propagation,Directivity
N-2015-52 【 PDF
空中超音波の反射特性による路面の表面形状の計測
Measurement of road surface from reflection characteristics of airborne ultrasound
上田将人、孫権、平田慎之介、蜂屋弘之
Masato Ueda、Quan Sun、Shinnosuke Hirata、Hiroyuki Hachiya
東京工業大学 機械制御システム専攻
Department of Mechanical and Control Engineering、Tokyo Institute of technology
抄録

時間幅の短い超音波パルスを送信し、計測対象から反射したエコ ーの時間遅れから対象との距離を計測するパルスエコー法による、路面上の障害 物の検知・判別について検討を行っている。まず、周囲の騒音など環境雑音の影 響を低減するため、 M系列を用いたパルス圧縮を適用することでエコーの信号対 雑音比を向上させる手法を提案している。しかしながら、受信した信号には障害 物からの反射波に加えて、路面の細かい凹凸からの反射波も含まれており、それ らの判別が困難であった。 本報告では、アスファルトのようなランダムな形状を 持つ路面からの反射波を計測し、その基礎的な性質について評価を行う。

抄録(英語)

 空中超音波,M系列パルス圧縮,路面形状,超音波反射特性 

2015年11月27日(金沢)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-53 【 PDF
新幹線鉄道騒音の暴露反応関係に関する二次分析
Secondary analysis of dose-response for Shinkansen railway noise
横島潤紀1、森原崇2、川井敬二3、矢野隆3、太田篤史4、田村明弘5
Shigenori YOKOSHIMA1、Takashi MORIHARA2、Keiji KAWAI3、Takashi YANO3、Atsushi Ota4、Akihiro Tamura5
1神奈川県環境科学センター、2石川高等専門学校、 3熊本大学大学院、 4横浜国立大学大学院、 5横浜国立大学
1Kanagawa Environmental Research Center、2Ishikawa National College of Technology、3Kumamoto University、4Yokohama National University、5Yokohama National University
抄録

過去 20 年間に、新幹線鉄道沿線の住宅地で別個に実施された7回の社会調査 により得られた騒音暴露量と社会反応の個票データを用い、新幹線鉄道騒音 の暴露反応関係について二次分析を行った。本稿では、暴露量として、現行 の環境基準で規定されている最大値ベースの評価量とエネルギーベースの評 価量(昼夜騒音レベル)を用いた。社会反応としては、総合的な被害感(ア ノイアンス)に加え、生活妨害(聴取妨害や休息妨害)、睡眠妨害の反応も用 いた。これらの評価量と社会反応を用いて作成した暴露反応関係を提示する とともに、新幹線鉄道騒音の評価量として最大値ベースとエネルギーベース のどちらが適しているのかを議論した。

抄録(英語)

新幹線鉄道騒音,社会調査,暴露反応関係,二次分析
N-2015-54 【 PDF
新幹線鉄道騒音と振動に対する 複合被害感モデルの構築に向けて
To construct of combined annoyance model caused by Shinkansen noise and vibration
森原崇1、横島潤紀2、矢野隆3、川井敬二3
Takashi MORIHARA1、Shigenori YOKOSHIMA2、Takashi YANO3、Keiji KAWAI3
1石川工業高等専門学校、 2神奈川県環境科学センター、 3熊本大学
1National Institute of Technology、2Ishikawa College、Kanagawa Environmental Research Center、3Kumamoto University
抄録

新幹線鉄道から発生する騒音や振動とアノイアンスとの関係は 曝露-反応関係により検討されるが、居住環境の評価には様々な要因が影響す る。そのため、それらを包括的に捉えることができれば生活環境改善のための 物理量を低減すること以外にも方策を検討できる可能性がある。本研究は 2003 年に行われた福岡県での社会調査と 2013 年に行われた長野県での社会調査を 使用して新幹線鉄道騒音と振動による複合的な被害感を捉える構造方程式モ デルを構築することを目的とする。構築したモデルの適合度は CFI が 0。947 で あり、RMSEA が 0。047 であった。このモデルにより複合被害感への影響要因 を検討したところ、建具のびりつきに対する評価の影響が相対的に最も大きい ことを示した。

抄録(英語)

新幹線鉄道,共分散構造分析,構造方程式モデル,アノイアンス
N-2015-55 【 PDF
鉄道と道路による複合騒音曝露が及ぼす 住民意識・生活環境への影響 -2004-2006年神奈川調査のロジスティック回帰による再分析-
Impact of combined traffic noise exposure of conventional railway and road traffic -Reanalizing of 2004-2006 Kanagawa survey with logistic regression-
田村明弘1、横島潤紀21
Akihiro TAMURA1、Shigenori YOKOSHIMA2、Atsushi OTA1
1 横浜国立大学 、 2神奈川県環境科学センター
1Yokohama National University、2Kanagawa Environmental Research Center
抄録

原資料は SASDA 登録の CR06 と RT08 で、在来線鉄道騒音と道 路交通騒音に複合曝露された地域のデータである。戸建と集合住宅を含み、戸 建では鉄道と道路による振動も実測されている。住民は複合騒音曝露下にある
実態を踏まえ、ロジスティック回帰を用いて分析している。原資料 1358 人中 の複合曝露条件に合う 1157 人を対象とし、鉄道騒音と道路騒音による合成ア ウトカムの概念を導入し、鉄道と道路の交互効果、戸建と集合住宅の比較、振 動の影響について検討している。 DALY を試算し騒音負荷の重大さを指摘して いる。鉄道運行本数倍増効果を諸々のアウトカムについて dB 換算し、夜間運 行本数増加と睡眠妨害存在率増加との関係を試算している。

抄録(英語)

SASDA,在来鉄道,道路交通,複合騒音,ロジスティック回帰分析
N-2015-56 【 PDF
嘉手納飛行場周辺における各種騒音コンターの推定
Estimation of noise contours around Kadena airfield
松井利仁
Toshihito Matsui
北海道大学工学研究院
Faculty of Engineering、Hokkaido University
抄録

欧州では、2002 年のEU 騒音指令以降、飛行場周辺も含めた騒音マップが 作成されており、それに基づいて健康損失などの影響評価が行なわれている。しかし、 我が国では、騒音対策を目的とした騒音コンターは作成されているが、具体的な健康 影響の評価は行なわれていない。本研究では、嘉手納飛行場周辺の夜間騒音を対象に、 短期間の目視による飛行経路実測結果と1年間の騒音実測値に基づいて、1年間の全 ての夜間飛行経路を推定するとともに、飛行場内からの地上音の評価も試み、地上音 を含めた夜間騒音コンターの推定を行なった。さらに、推定された騒音コンターに基 づいて、飛行場周辺における騒音による健康影響に関して、各種疾病の有病者数や死 亡者数、DALY(障害調整生存年)などの算定を行なった。その結果、嘉手納飛行場 近傍では、睡眠障害、虚血性心疾患、脳卒中、高血圧等により、航空機騒音に起因す る公害病として、無視できない健康損失の生じていることが明らかになった。

抄録(英語)

航空機騒音,飛行経路,騒音コンター,健康影響,DALY
N-2015-57 【 PDF
在来鉄道からの騒音伝搬に対する2.5次元解析の適用
Application of 2.5-dimensional numerical analysis for propagation of conventional railway noise
廣江正明1、石川聡史2、加藤格3
Masaaki Hiroe1、Satoshi Ishikawa2、Itaru Kato3
1(一財)小林理学研究所、 2ジェイアール東日本コンサルタンツ(株)/東大・新領域、3JR東日本(株)
1Kobayasi Institute of Physical Research、2JR East Consultants Co􃸭Graduate School of Frontier Sciences、The University of Tokyo、3East Japan Railway Company
抄録

近年、道路交通騒音の伝搬計算において利用されている 2。5 次元 数値解析(時間領域有限差分法を基本とした 2。5D-FDTD 解析、及び境界要素 法を基本とした 2。5D-BEM解析)を用いて、平地鉄道を対象に在来鉄道の車両 下部音の伝搬解析を行った。車両下部騒音の伝搬解析において、周波数領域に おける解析手法である 2。5D-BEM 解析と過渡応答の積分変換に基づく 2。5D-FDTD 解析の2つの解析結果は互いに良く一致した。吸音性境界を取り扱 える 2。5D-BEM 解析と比べて、2。5D-FDTD 解析は反射性境界しか扱えないが、 車体と防音壁間の多重反射音等の顕著な音波の伝搬状況を明確にし、それらの 寄与を応答波形上で把握することに役立つことを示した。また、縮尺模型を用 いた検証実験の結果から、2。5D-FDTD 解析は縮尺模型実験との整合性が良く、 2。5次元解析が車両下部音の伝搬解析として有用な手法であることを確認した。

抄録(英語)

在来鉄道騒音,防音壁,低減効果,2.5 次元解析,模型実験 
N-2015-58 【 PDF
ヴァイオリン駒構造の振動伝搬解析
Vibration Energy Propagation Analysis of Violin Structure
山崎徹1、今津卓2、伊東圭昌2
Toru YAMAZAKI 1、Taku IMAZU2、Yoshiaki ITOH2
1神奈川大学、 2神奈川県産業技術センター
1Kanagawa University、2Kanagawa Industrial Technology Center
抄録

ヴァイオリン構造における振動エネルギーの伝搬メカニズムという観点から、 機械構造物の振動騒音設計に活用するための研究を行っている。本報では、ヴ ァイオリンの駒構造に着目し、弦から駒構造を介してヴァイオリン胴体部に振 椎動エネルギー転換するメカニズムについて考察するために、実験データ に基づく統計的エネルギー解析法(SEA)によるヴァイオリン本体の振動エネ ルギー伝搬解析を実施し、よりよいヴァイオリンとしての三つの要件を得たこ とを報告する。また、要件の一つである「表板への入力パワーの周波数分布は 1/5F 分布に近い は周波数)」ことは、駒構造の一方向振動伝搬を示唆する ことから、この振動伝搬メカニズムについて検討したことを報告する。

抄録(英語)

 楽器,SEA,振動インテンシティ,非線形振動

2015年12月18日(石垣)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2015-59 【 PDF
Perceptual factors and objective indices for soundscape in urban shopping streets
Yu Boya 1、Ma Hui1、Kang Jian2
1Tianjin University、School of architecture、China、2University of sheffield、School of architecture、UK
抄録

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抄録(英語)

This paper aims to investigate the subjective structure and corresponding objective indices for soundscape in urban shopping streets via field surveys and a laboratory study. Using the semantic differential method、the perception structure of shopping street soundscapes was initially analysed、and five major perceptual factors were identified. A laboratory study was then performed to investigate the relationship between perceptual factors and physical indicators. Sound levels、psychoacoustic indices and a new index (dynamic spectrum centre or DSC) were considered. The results showed that sound level and psychoacoustic indices were useful in describing three perceptual factors (preference、loudness、and communication)、while DSC values had significant correlations with the other two factors (richness and playfulness).

perceptual factors,acoustic index,semantic differential method
N-2015-60 【 PDF
多群会話空間における会話の明瞭度とプライバシーからみる会話しやすさの主観評価実験
Subjective evaluation experiments on easiness of conversation from the point of view of speech intelligibility and privacy in multi-group conversation spaces
田中雅也1、川井敬二1、上田麻理2、平栗靖浩3
Masaya TANAKA1、Keiji KAWAI1、Mari UEDA2、Yasuhiro HIRAGURI3
1熊本大学大学院 自然科学研究科、 2空港環境整備協会 航空環境研究センター、3国立高等専門学校機構 徳山工業高等専門学校
1Graduate School of Science and Technology、Kumamoto University 、2AEIF、Aviation Environment Research Center、3 National Institute of Technology、Tokuyama Colloge
抄録

飲食店などの多群会話空間では、複数の話者の会話音による環境 騒音レベルの上昇や残響のため、会話の明瞭度においては会話しにくいと評価 されることがある。一方で、適度な喧騒感や残響感は自他の音声をマスクし、 自分達の会話が他者に聞こえる、他者の会話が自分達に聞こえるといったスピ ーチプライバシーにおいては会話しやすいと評価される場合もある。本研究で は、多群会話空間での会話しやすい音環境条件を明らかにするために、実験室
において残響時間、初期反射音、SN 比を変化させた音場を呈示する主観評価 実験を行った。その結果、空間の印象への音響要因の影響及び、会話しやすさ の評価において、会話の明瞭度の許容値の一部が明らかになった。

抄録(英語)

多群会話空間,会話しやすさ,明瞭度,スピーチプライバシー,残響時間
N-2015-61 【 PDF
スピーチノイズと残響下における高齢者の単語了解度 ─ SIIとSTIを用いた考察 ─
Word intelligibility of elderly in speech noise and reverbaration
原田和典、川井敬二、田中雅也
Kazunori Harada、Keiji Kawai、Masaya Tanaka 
熊本大学自然科学研究科
Graduate School of Science and Technology、Kumamoto University
抄録

老年性難聴や時間分解能の低下などの影響を受ける高齢者にと っての音声明瞭度について、物理的な予測の可能性を検討するために高齢者と
対照群としての学生を被験者とする単語了解度試験を実施した。明瞭度指標に ついて、残響と SN 比の影響を評価可能な STI と、その二つに加えて聴力の補 正が可能な SII を取り上げた。この両者について単語単位での指標値を、残響 時間、SN 比、聴力を順次考慮して算出し、各指標による試験の正答率予測の 適合度を、ロジスティック回帰分析により比較した。結果として、全体では SN 比を考慮した STI の予測精度が高い一方で、条件によっては聴力補正を行った SII の予測精度が高くなるなど、高齢者の聴力を考慮した明瞭度予測について、 妥当な指標を検討するための基礎的なデータが得られた。

抄録(英語)

単語了解度, STI,SII,スピーチノイズ,高齢者
N-2015-62 【 PDF
スマートフォンによる音環境アクセシビリティマップ作成の試み:アプリケーションの試作
Smartphone-based sound environment accessibility map for people with disabilities:An application prototype
上田麻理1、三浦貴大2、藪謙一郎2
Mari UEDA1、Takahiro MIURA2、Kenichiro YABU2
1空環協/航空環境研究センター 、2東京大学 高齢社会総合研究機構
1AEIF/Aviation Environment Research Center、2Institute of Gerontology、the University of Tokyo
抄録

日本国内では街地や建物内のバリアフリー化が、国や地域をあ げてより一層進んでいる。しかし、 バリアフリー整備の進展にもかかわら ず、その設置状況に関する情報が局所的・断片的である場合、利用者は情 報入手が困難な状況が発生し、設備や情報を利用できないことがある。そ こで、本研究ではバリアフリー整備状況の情報の提供・共有のあり方に関 する手法の検討の一環として、音や音環境のバリアフリー整備を対象とし
た、スマートフォンを用いたアクセシビリティマップの作成を試みた。

抄録(英語)

音環境アクセシビリティ,バリアフリー状況,スマートフォン
N-2015-63 【 PDF
沖縄の米軍施設が及ぼす騒音問題について
Research on the noise environment of the U.S. miritary Bases on Okinawa
渡嘉敷健
Tokashiki Takeshi
琉球大学工学部
Univ. of the Ryukyus
抄録

沖縄県の米軍基地に所属する航空機は、離発着の際に 100dB 近 い騒音を発生させ、近隣の住民の生活に多大な影響を与えている。これを受 けて、米軍は負担軽減のため、訓練移転等を行い、飛行回数の削減を行って いる。しかし、依然として騒音は大きく住民の不安と怒りは大きい。
日本では、昭和 48 年より、航空機騒音に係る環境基準として WECPNL(荷重 等価平均感覚騒音レベル)を採用していたが、平成 25 年度より、新環境基準 として Lden が採用されている。米軍はこの環境基準の時間に合わせて飛行時 間の制限等を約束している。 沖縄県本島には 2012 年 10 月から MV-22 オスプ レイと呼ばれる輸送機が現在までに 24 機配備されている。このオスプレイが 飛行する際に発生する、低周波音による振動と騒音が現在大きな問題となって いる。

抄録(英語)

沖縄,米軍基地,オスプレイ,低周波音,Lden
N-2015-64 【 PDF
沖縄県における軍用機から発生する低周波音について
Low-frequency Noise radiated from Military Aircraft in Okinawa Prefecture
田崎盛也
Moriya Tasaki
沖縄県衛生環境研究所
Okinawa Prefectural Institute of Health and Environment
抄録

2014 年度に普天間飛行場周辺において低周波音調査を行った。 1-80 Hzまでの 1/3 オクターブバンド周波数分析を行った結果、MV-22 オスプレ イは 20 Hz におよび 40 Hz に卓越周波数がみられた。1/3 オクターブバンド音圧 レベルの中央値を「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書」で 示された環境保全の目標値と比較すると、物的影響の保全目標値は測定対象と した全ての機種で超過がみられ、心理的影響の保全目標値については MV-22 オスプレイで超過がみられた。室内では騒音が大きく低減されるため、低周波 音に対する騒音によるマスキング効果が薄れるために低周波音を知覚しやす くなる可能性が示唆された。

抄録(英語)

低周波音,オスプレイ,1/3 オクターブバンド周波数分析,沖縄県