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2021年1月9日(オンライン)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-01 【 PDF
自動車の騒音等の国際基準調和の概要
Overview of the international harmonization of vehicle noise regulations
坂本一朗
Ichiro Sakamoto
独立行政法人 自動車技術総合機構 交通安全環境研究所
National Agency for Automobile and Land Transport Technology National Traffic Safety and Environmental Laboratory
抄録

自動車の国際化はますます進展しており、自動車の安全性能や環境性
能に対する要求を世界規模でとらえる必要が生じている。国土交通省は、世界各
国において安全・安心な車社会を実現するため、自動車にかかる国際基準調和を
積極的に推進しており、交通安全環境研究所はその活動を支援している。これら
の活動の一つとして、四輪車の騒音に関する国連規則、及び、音で車両の接近を
知らせる車両接近通報装置に関する新たな国連規則を策定するとともに、国内導
入を行った。本稿では、これらの国連規則の成立から国内導入されるまでの過程
において、交通安全環境研究所が国内外で行ってきた活動について紹介する。

抄録(英語)

N-2021-02 【 PDF
サイン音と視覚情報表示の意味的調和と危険感印象の関係について
Effect of Semantic Congruency between the Sign Sound and the Visual Information on the Perceived Impression of Danger
増田真里枝1、中貴一1、山内勝也2、湯浅美里3、西平宗貴3
M. MASUDA1、K. NAKA1、K. YAMAUCHI2、M. YUASA3、M. NISHIHIRA3
1九州大学大学院芸術工学府、2九州大学大学院芸術工学研究院、3三菱電機株式会社デザイン研究所
1Graduate School of Design、Kyushu University、2Faculty of Design、Kyushu University、3Integrated Design Center、Mitsubishi Electric Corporation
抄録

サイン音は何らかのメッセージを伝える音であり、音単体だけ でな く視覚表示と組み合わされて視聴覚情報表示として用いられることも多い。ま
た危険通達は 情報表示の重要な役割である。本研究視聴覚情報表示の組み 合わせが、危険感印象と表示の意味理解に与える影響について検討した。視聴
覚表示の危険感印象は、視覚と聴覚のどちらか一方でも「危険」な印象を与え
ると全体の印象も「危険」に傾く可能性が示唆された。また視聴覚の調和感は、
視覚と聴覚の危険感印象が一致していない組み合わせにおいて低くなる傾向が
見られ、調和感が低いと表示の意味理解や判断に時間を要する可能性が示唆された。

抄録(英語)

N-2021-03 【 PDF
接近通報音の聴取印象と検知性の関係
The relationship between listening impression and detectability of additional alerting sound
山﨑隆太1、山内勝也2
Ryudai Yamazaki1、katsuya Yamauchi2
1九州大学大学院芸術工学府、2九州大学大学院芸術工学研究院
1Graduate School of Design、Kyushu University、2Faculty of Design、Kyushu University
抄録

内容概要 接近通報音に求められる機能としての検知性と自動車認識性、さらに不快感を与えない接近通報音デザインに着目し、接近通報音の音色の違いによる電動自動車走行音の聴取印象及び検知性を検討した。振幅変調がなく比較的平坦なスペクトルをもつ音色を付加した場合に、ポジティブな印象を保ちつつ、電気モータ走行のみの場合と比べて有意に検知されやすくなることが示された。また
「人工的な ー 自然な」などの印象と検知性の関係は弱く、自由度の高い音デザイ
ンの可能性が示唆された。

抄録(英語)

N-2021-04 【 PDF
この音何デシベル? -大学生の音の大きさに対する理解度をまずは測る試み-
What is this sound in dB?-We tried to determine students' comprehension of sound levels-
上田麻理1、田中哲雄1、高橋義典2
Mari UEDA1、Tetsuo TANAKA1Yoshinori TAKAHASHI2
1神奈川工科大学、2工学院大学
1Kanagawa Institute of Technology、2Kogakuin University
抄録

騒音の適切な情報公開手法を検討することを最終目標として、まずは
専門科以外の人に対する音の大きさに対する理解の程度を把握することを 研究 目 的とした.大学生の音の大きさに対する理解度を測るために、音の大きさチャー
ト・キットを試作し、講義内で音の大きさの理解状況を評価した.その結果、ロ
ケットや飛行機のテイクオフは、大きな音という共通認識であるが、それ以外の
音源は音の大きさによる感じ方は人によって大きな差があることが分かった.学
生によって は、現実離れした音源の大きさを示す者もいた.さらに今回は、新型
コロナウイルスの影響を受けて、大学の授業がオンラインになったため、同教材
のオンラインバージョンを開発した.

抄録(英語)

N-2021-05 【 PDF
一般的なスピーカを用いた楽器の指向性模擬の試み—球面調和領域におけるフィッティング手法の提案—
Attempt of Simulating Musical Instrument Directivities with a Common Loudspeaker: Proposal of Fitting Method in the Spherical Harmonic Domain
原量子1、岩見貴弘2、柏﨑紘1、尾本章2
Ryoko Hara1、Takahiro Iwami2、Hiroshi Kashiwazaki1、Akira Omoto2
1九州大学大学院芸術工学府、2九州大学芸術工学研究院
1Graduate School of Design、Kyushu University、2Faculty of Design、Kyushu University
抄録

楽器の指向性を考慮したインパルス応答を得ることを目的とし、一般的なスピーカを用いた楽器の指向性
模擬を試みた。本稿ではスピーカを多方向に向け、目標とする楽器の指向性を球面調和領域で合成する手法
を提案する。実際にスピーカの指向性を測定し、実用性を加味した様々なスピーカ配置について指向性合成
のシミュレーションを行った。結果より、スピーカ回転の容易性を重視した等密度でないスピーカ配置でも、
等密度配置と同程度に目標とする指向性を模擬できることがわかった。これより、目標とする指向性につい
て有力な方向にスピーカを向けることができれば、より数の少ないスピーカ配置でも指向性を模擬できる可
能性が示唆された。

抄録(英語)

N-2021-06 【 PDF
アンサンブル平均を利用した建築材料の吸音特性測定法に関する研究 -残響室法および音響管法との比較-
An sound absorption measurement method of building materials by ensemble averaging technique : Comparison with impedance tube method and reverberation room method
堀池信芳1、伊藤歌保1、岡本則子2、富来礼次2、大鶴徹2
Nobuyoshi Horiike1、Kaho Ito1、Noriko Okamoto2、Reiji Tomiku2、Toru Otsuru2
1北九州市立大学大学院国際環境工学研究科、2大分大学理工学部
1 Graduate School of Environmental Engineering、The University of Kitakyushu、2Faculty of Science and Technology、Oita University
抄録

建築材料の吸音特性を測定する方法として、ISO や JIS などで規格化されてい
る音響管法や残響室法がある.しかし、材料の切り出しや設置条件、測定環境などの原因
で、それぞれ測定値がばらつくことが知られている.一方、筆者らが提案しているアンサ
ンブル平均を利用した建築材料の吸音特性測定法(EA 法)は、材料の吸音特性を施工され
た状態のままで測定可能であり、その再現性の高さも確認している. 本稿では、5 種の材
料を対象に EA 法、音響管法、残響室法による測定をそれぞれ実施する.それぞれの手法
で得られた吸音率を比較し、その関係を示す.

抄録(英語)

2021年2月17日(オンライン)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-07 【 PDF
低周波数純音性成分を含むノイズによる 振動感に関する基礎的検討
A fundamental study on the vibratory feeling to noises containing low frequency tonal component
米村美紀、李孝珍、坂本慎一
Miki Yonemura、Hyojin Lee、Shinichi Sakamoto
東京大学生産技術研究所
The Instisute of Industrial Science、The University of Tokyo
抄録

風力発電施設や家庭用ヒートポンプ給湯器から発生する騒音には、200 Hz 以下の低周波数帯域に純音性成分が含まれることがあり、アノイアンス増 加の要因と言われている。また、100 Hz 以下の帯域の低周波音の特徴に圧迫感・ 振動感があることが知られている。純音性成分を含む騒音においても振動感が知 覚されるかを調べるため、環境騒音を模擬した広帯域ノイズに 31.5 ~400 Hz の純 音を付加した試験音を用いた評価実験を行なった。結果として 100 Hz 以下の純 音が振動感に寄与し、1/3 オクターブバンド音圧レベルと振動感に強い相関が認 められた。また騒音評価指標として LSL 特性音圧レベルを用い考察を行なった。

抄録(英語)

Noises from wind turbines and domestic use heat source sometimes cause increase of noise annoyance due to low-frequency tonal components. It is also known that the oppressive or vibratory feeling is a unique sensation to low frequency sounds below 100 Hz. The purpose of this study is to investigate whether vibratory feeling can be perceived in noise containing a tonal component. An evaluation experiment was conducted using a test sound with a tonal component in the range of 31.5 to 400 Hz added to a broadband noise simulating environmental noise. As a result、it was found that the addition of a tonal component below 100 Hz contributed to the vibratory feeling. In addition、the LSL characteristic sound pressure level was used as a noise evaluation index.

純音性騒音 ,低周波音 ,振動感 ,主観評価実験
Tonal noise,Low frequency sound ,feeling of vibratory ,Subjective evaluation
N-2021-08 【 PDF
広域騒音伝搬予測のためのハイパスペクトル航空画像を 用いた地表面分類
Classification of ground states using airborne hyperspectral imagery for wide-area prediction of noise propagation
黒坂優美1、大嶋拓也2、平栗靖浩3
Yumi Kurosaka1、Takuya Oshima2、Yasuhiro Hiragur3
1新潟大学大学院自然科学研究科、2新潟大学工学部、3近畿大学建築学部
11Guraduate School of Science and Technology、Niigata University、2Faculty of Engineering、Niigata University、3Faculty of Architecture、Kindai University
抄録

地面の状態によって変化する地表面音響特性の、広域における空間 分布データは未整備である。そこで本報では、冬、夏、秋の 3 度撮影されたハイ パスペクトル航空画像を用いて地表面状態分類を行う。はじめに、複数地表面を 対象として 3 季節に実施された地表面音響特性測定結果をもとに、地表面の状態 をその実効的流れ抵抗で類型化し、分類クラスを決定する。次に、教師付き分類 手法の一つである MED-SD 法を用い、分類精度評価のために設けたテストエリ アにて地表面分類を実施する。この時、用いる教師スペクトルの季節と、適用す る画像の季節の組合せとして 12 パターンを検討する。最後に、上記検討パター ンのうち 1 つを用いて、対象地の 886 m×445m の範囲の地表面分類を実施する。

抄録(英語)

Wide-area spatial distribution of ground acoustic properties which vary by ground states is not available. In this paper、land cover is classified using airborne hyperspectral imagery taken in winter、summer、and autumn. First、the land cover classes for the estimation are established based on the ground acoustic properties measured at various ground surface in the three seasons. From the measurement results、the ground states are classified into four classes by the effective flow resistivity. Next、the land cover is classified in test areas which are set for accuracy evaluation of classification. The MED-SD method which is one of the supervised classification methods is used. Twelve patterns of combinations of the seasons of the teacher spectrum and those of the applied image are studied. Then、the land cover is classified in 865 x 445 m area as a demonstration using one of the above study patterns.

リモートセンシング ,屋外音響伝搬 ,地表面音響特性,実効的流れ抵抗
Remote sensing ,Outdoor acoustic propagation,Acoustic properties of ground surface ,Effective flow resistivity
N-2021-09 【 PDF
超軽量不燃天井材を保育室の既存天井に 重ね貼りした際の吸音効果
Sound absorption effect when ultra lightweight non-combustible ceiling material is overlaid on the existing ceiling of the nursery room
船場ひさお1、田中稲子1、片岡寛子2、湯浅美里3、西平宗貴3
FUNABA Nakamura Hisao1、TANAKA Ineko1、KATAOKA Hiroko2、INABA Nobuko3、MATSUMOTO Hideki3
1横浜国立大学、2九州大学、3帝人フロンティア(株)
1YOKOHAMA National Unv.、2Kyushu Unv.、3TEIJIN FRONTIER CO.、LTD.
抄録

保育室の内装仕上げに、吸音性能がほとんどない材料が使用される ために、子どもや保育者の声などの発生音が響き、喧騒な状態を生じさせること が問題となっている。この対策には天井に吸音性能の高い材料を用いる必要があ るが、既存天井に重ね貼りして効果の高い不燃材料は少ない。今回、超軽量不燃 天井材を保育室の既存天井に重ね貼りし、施工前後の残響時間を計測したところ、 0.7〜0.8 秒程度だったものが、1kHz 以上において 0.4 秒程度になる結果を得た。 これにより、超軽量不燃天井材が、保育室の音環境を改善するのに有効な材料で あると考えられる。

抄録(英語)

Since materials with almost no sound absorption performance are used to finish the interior of the nursery room、there is a problem that the sounds generated by the voices of children and nursery teachers reverberate、causing a noisy state. For this measure、it is necessary to use a material with high sound absorption performance for the ceiling、but there are few non-combustible materials that are highly effective by overlaying on the existing ceiling. This time、when the ultra-lightweight non-combustible ceiling material was overlaid on the existing ceiling of the nursery room and the reverberation time of about 0.7 seconds was reduced to about 0.4 seconds. As a result、the ultra-lightweight non-combustible ceiling material is considered to be an effective material for improving the sound environment of the nursery room.

不燃天井材 ,保育室 ,吸音効果 ,重ね貼り
Non-combustible ceiling material ,Nursery room ,Sound absorption effect ,Overlay
N-2021-10 【 PDF
放送における音と福祉情報工学
Acoustic technology and Well-being Information Technology used in broadcasting
小森智康
Tomoyasu Komori
日本放送協会放送技術研究所
Science & Technology Research Laboratories Japan broadcasting corporation
抄録

NHK では、視覚障害者や聴覚障害者がテレビ番組を適切に享受 できるように、放送視聴時のアクセシビリティをサポートする福祉情報工学に 関連する研究開発を進めている.福祉情報工学に関連する最新の音声処理技術 を利用した、生放送番組の発話から自動的に字幕を生成するサービスと、自動 解説放送サービスへの取り組みについての 2 つのトピックを紹介する.

抄録(英語)

We have been developing new accessibility technologies for broadcasting which allows visually and hearing impaired people to enjoy TV programs. As two latest topics in audio technology、the first one is the AI-based speech-recognition technology that generates subtitles automatically from the spoken-word content of live television broadcasts. And the second is the commentary broadcast service of automatically supplements information that cannot be conveyed without watching the TV screen、using AI-based synthesized speech.

視覚障害 ,聴覚障害 ,音声認識 ,音声合成
visually impaired ,hearing impaired ,speech-recognition ,synthesized speech
N-2021-11 【 PDF
ヒアリングループのしくみと普及状況
Hearing Loop、Working Principle and Spread
中村健太郎1、及川靖広2、小森智康3、上田麻理4
Kentaro Nakamura1、Yasuhiro Oikawa2、Tomoyasu Komori3、Mari Ueda4
1東工大、2早大、3NHK技術、4神奈川工科大
1Tokyo Inst. of Tech.、2Waseda Univ.、3Scien. & Technol/ Res. Lab. NHK、4Kanagawa Inst. of Tech
抄録

ヒアリングループはアナログ音声信号をそのまま磁界として必 要な空間に出力する装置であり、ピックアップコイル付き(T コイル付き)補 聴器や専用受信機で受信する。空間伝搬音を補聴器で聴く場合の周囲雑音や残 響の影響なく音源信号がそのまま補聴器に届くため、補聴器のマイクロホンで 受信するよりも明瞭に音を聞くことができる。磁界を発生するためにループ状 の電線を敷設する必要があるが、劇場・ホール、学校、券売窓口、公共交通機 関、エレベータなどに実装されている。英国や北欧では普及率が高いが日本で はまだ普及が遅れている。本稿では、ヒアリングループの原理とその実現方法 について概説するとともに、海外での普及状況について述べる。

抄録(英語)

Hearing loop is a device to emit analog acoustic signal into required place as magnetic field. The magnetic field can be received using hearing aids with pickup coil (T-coil) or receivers. It provides clearer acoustic signal directly to persons with hard of hearing than hearing aids with microphone since the signal is delivered without noise nor effect of reverberation. Loop wire needs to be embedded in the target place to utilize hearing loop system. Hearing loop has been installed in various public places such as theater、school、ticket windows、public transport、and elevator. Although hearing loop is widespread in England and northern European countries、the penetration in Japan is still half way. In this report、the principle and configuration of hearing loop is described. Several examples of the usage of hearing loop abroad is introduced.

ヒアリングループ ,Tコイル,補聴器 ,磁界
Hearing loop ,T-coil ,Hearing aid,Magnetic field
N-2021-12 【 PDF
ヒアリングループの応用 -補聴支援からエンターテインメントまで-
Application of Hearingloop -Hearing aid for hearing-impaired people and utilization for entertainment-
上田麻理1、中村健太郎2、小川喜道3、徳差健悟4
Mari Ueda1、Kentaro Nakamura2、Yoshimichi Ogawa3
1神奈川工科大学、2東京工業大学、3神奈川工科大学 地域連携・貢献センター、4作曲家
1KanagawaInsutituteofTechnology、2TokyoInsutituteofTechnology、3Kanagawa Insutitute of Technology、Center for Regional and contribution、4Composer
抄録

ヒアリングループの主な対象は難聴者や高齢者で補聴支援が目 的である.しかしながら、残響過多な空間や昨今のコロナ禍でのマスク装着 時・アクリルパーティション下においても会話が聞き取りにくい状況が発生す る.また、聴覚情報処理障害(Auditory Processing disorder、APD)を持つ人も増 加している.これらの状況での聞き取りにくい状況を前報で紹介したヒアリン グループの特徴を活用して様々な状況下でのヒアリングループの支援と応用
を試みたので紹介する.

抄録(英語)

The main target of the “hearing loop” is hearing-impaired and elderly people、and the purpose is to support hearing loss. However、there are situations where it is difficult to hear the conversation even in a space with excessive reverberation、when wearing a mask due to the recent corona sickness、and even under an acrylic partition. In addition、the number of people with auditory processing disorder (APD) is increasing in the world. We have tried to support and apply the hearing loop under various situations by utilizing the characteristics of the hearing group introduced in the previous report、which are difficult to hear in these situations.

ヒアリングループ ,難聴者の補聴支援 ,高齢者 ,エンターテイン メントでの活用
Hearing loop and Induction loop,hearing aid for hearing-impaired people ,elderly people ,utilization for entertainment
N-2021-13 【 PDF
スマートフォンによる 3 次元ノイズマッピングのための基礎的技術の検討
Study on fundamental techniques for three-dimensional noise mapping using smartphones
大嶋拓也1、沼田賢樹2、黒坂優美2、塚原正人2
Takuya OSHIMA1、Masaki NUMATA2、Yumi KUROSAKA2、Masato TSUKAHARA2
1新潟大学工学部、2新潟大学大学院自然科学研究科
1Faculty of Engineering、Niigata University、2Graduate School of Science and Technology、Niigata University
抄録

スマートフォンを用いた、3 次元測位による実測ノイズマッピング システムの基礎的技術の開発検証を行う。全球測位衛星システム (GNSS) より 高精度な高度の取得のため、スマートフォン 1 個体を測定者が把持して移動す るほか、1 個体を基準点に配置する。移動個体では、受音波形の周波数分析結 果に周波数特性・線型性補正を行い等価騒音レベルを求め、GNSS により緯度 経度を得る。高度は、両個体で測定した気圧の差による相対高度に、基盤地図 情報による基準点高度を加えて得る。騒音計および real-time kinematic 精密測 位との比較から、等価騒音レベルおよび相対高度は良好な精度が得られた。

抄録(英語)

Development and testing of fundamental elements of a three- dimensional noise mapping system using smartphones are conducted. To ob- tain more accurate altitude than a global navigation satellite system (GNSS)、other than a smartphone moved by the user、another smartphone is fixed at a reference point. In the moving smartphone、the received waveform is transformed to the frequency domain. Frequency characteristics and linear- ity corrections are applied and equivalent noise level is calculated. Latitude and longitude are obtained using the GNSS and the air pressure is measured. In the fixed smartphone、air pressure is measured. The altitude is obtained by adding relative altitude calculated from the difference of the pressure val- ues to the altitude by the Fundamental Geospatial Data. Comparison with a sound level meter and real-time kinematic precision positioning found that the equivalent noise levels and the relative altitude had a good accuracy.

周波数特性,線型性 ,気圧差 ,Real-time kinematic 測位
Frequency characteristics ,Linearity ,Air pressure difference ,Real-time kinematic positioning

2021年3月26日(オンライン)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-14 【 PDF
誰かに聞かせたい“いわて”の音風景 − web によるアンケート調査からの報告 −
The soundscape of "Iwate" that I want to tell someone.
船場ひさお
FUNABA Nakamura Hisao
こどものための音環境デザイン
Acoustic Design for Children
抄録

「いわてのサウンドスケープ」をテーマにシンポジウムを開催する にあたり「誰かに聞かせたい“いわて”の音風景」を web で募集した結果、267 件(有効回答 263 件)の応募があった。自然、生き物、祭り・郷土芸能、鉄道、 仕事、風鈴、スポーツ、音楽、まちの音、静けさなど、多様な音風景が挙げられ た。特に「自然」と「祭り・郷土芸能」に関する音が数多く挙げられたこと、「静 けさ」が“誰かに聴かせたい音風景”とされたことは、いわてのサウンドスケー プを象徴していると考えられる。

抄録(英語)

As a result of soliciting the Soundscape of Iwate on the web、there were 267 applications(263validresponses). Variouskindsofsoundscapessuchasnature、creatures、festivals / local entertainment、railways、work、wind chimes、sports、music、town sounds、and quietness were mentioned. In particular、the fact that many sounds related to "nature" and "festivals / folk performing arts" were mentioned and that "quietness" was regarded as "a sound that someone wants to hear" is considered to symbolize the soundscape of Iwate.

サウンドスケープ ,自然の音 ,祭り,郷土芸能 ,静けさ
Soundscape ,nature sound,festivals sound ,folk performing arts ,quietness
N-2021-15 【 PDF
ミュージックサイレンに住民は何を聞いたか 浜松市における質問紙調査の分析
What do residents feel from the music siren? Questionnaire survey in Hamamatsu City
兼古勝史1、箕浦一哉2、土田義郎3
Katsushi KANEKO1、Kazuya MINOURA2、Yoshio TSUCHIDA3
1放送大学、2山梨県立大学、3金沢工業大学
1The Open University of Japan、2Yamanashi Prefectural University、3Kanazawa Institute of Technology
抄録

ミュージックサイレンは、静岡県浜松市で 1951 年から 2018 年ま で、68 年の長きにわたって時を報せてきた。このサイレンは地域にとってどのよ
うなものであり、住民は何を感じ、その突然の消失をどのように受け止めたのか。 本研究は日本サウンドスケープ協会研究プロジェクトとして、2019 年 11 月に浜 松市の近隣住民に対して行った質問紙調査の結果から、特に自由記述回の回答に 注目し、テキストマイニングの手法で分析したものである。本研究を通して、ミ ュージックサイレンが地域住民に、時報として広く認知され、日常生活の中にあ り、子どもの帰宅の合図や地域のシンボルとして受け止められていた実相が明ら かとなった。

抄録(英語)

In Hamamatsu City、Shizuoka Prefecture、"Music Siren" has been in operation for 68 years from 1951 to 2018. What did the locals feel from the sound? How did they react to the sudden disappearance? The "SAJ Research Project" conducted a questionnaire survey of residents. We report the result of analyzing the answer by the method of text mining. The analysis revealed that the local residents recognized the music siren as a time signal and regarded it as a signal for children to return home and as a symbol of the area.

ミュージックサイレン,浜松,住民意識,質問紙調査 ,テキストマ イニング
Music Siren ,Hamamatsu ,Resident Consciousness ,Questionnaire survey ,Text Mining
N-2021-16 【 PDF
日本橋川及び神田川の サウンドマッピングに向けた基礎的考察
Basic consideration for sound mapping of Nihonbashi River and Kanda River
鷲野宏
Hiroshi Washino
都市楽師プロジェクト
Toshigakushi Project
抄録

都市のサウンドスケープから土地の来歴を探るためのインスタレ ーション「名橋たちの音を聴く」の 2010 年以来の実施経験を基礎とした、東京中 枢部を流れる日本橋川および神田川の水面から観察できるサウンドスケープに ついての感性的サウンドマッピングとその表現方法についての研究を通じて、歴 史の積層において形成されてきた地域資産としてのサウンドスケープの価値の 共有及び都市環境デザインにあたって地域のサウンドスケープを積極的に利活 用するための基礎的資料としての精度あるサウンドマップづくりに必要な要素 についての基礎的な考察をおこなう。

抄録(英語)

Basic consideration of the elements necessary for creating an accurate sound map as basic archives to sharing the value of soundscape as a regional asset that has been formed in the accumulation of history and to actively utilize the local soundscape for urban environment design through research on emotional sound mapping of soundscapes that can be observed from the surface of the Nihonbashi and Kanda rivers in central Tokyo and how to express them.

サウンドマップ ,サウンドスケープ,都市環境デザイン ,運河 ,土 地の来歴
sound mapping ,soundscape ,urban design ,historical canal,history of area
N-2021-17 【 PDF
浜辺の音環境を考える ――遠州灘における語りと歴史を手がかりに――
Considering the sound environment near the ocean: Narratives and histories of the coast of Enshu、Japan
大門信也
Shinya DAIMON
関西大学社会学部
Kansai University、Faculty of Sociology
抄録

本研究では「文脈」に着目した音環境研究の可能性を探るために、 遠州灘の波音に関する伝承や地域史について検討を行った。波音/波小僧の伝承 やそのヴァリエーションは、波音の広範囲な物理的伝播を示唆しつつ、自然と住 民との関係や、そうした関係の人々の生業による違いを伝えていた。また戦後の 地域の社会構造の変化によれば、波の音が地域にとって「小さい」存在になって いるものの、住民と伝承との「浜辺での遊び」の経験をつうじた小さいながらも 興味深いつながりが残されていた。以上から、地域の伝承や歴史などの社会・文 化的「文脈」をとらえることが、サステイナブルな社会をめざす音環境の研究に とって不可欠であることが示唆された。

抄録(英語)

This paper examines the folklore and local history of the sound of waves as they are heard on the coast of the region of Enshu、which is located in the center of the southern coast of the main island of Japan. The aim is to explore the possibility of conducting a sound environment study that focuses on the “context” of that environment. The folklore of the sound of waves and of “Wave Boy” (Nami-Kozo) and its variants suggests the broader propagation of the sound of waves and has informed the relationship between residents and the natural environment as well as the difference of the relationship by resident’s livelihood. Because of changes in the social structure of local society after World War II、the sound of waves has become socio-culturally “weaker.” However、a small but interesting connection between residents and folklore has remained in the experience of “playing on the beach.” These results suggest that understanding such sociocultural contexts as folklore and local history is critical for studying sound environments that create a sustainable society.

サウンドスケープ ,文脈 ,伝承 ,波小僧,災害
soundscape ,context ,folklore ,Wave Boy (Nami-Kozo) ,disaster
N-2021-18 【 PDF
サウンドスケープ概念からみた音環境政策の論点
Key points of sound environment policy developed on the basis of the soundscape concept
箕浦 一哉
Minoura, Kazuya
山梨県立大学
Yamanashi Prefectural University
抄録

本研究ではサウンドスケープ概念の含意を検討し、音環境政策 に関する論点の整理をおこなった。サウンドスケープ概念の政策論的な示唆と して、知覚・経験の総体への注目と、音環境をめぐる社会的文脈への注目とい う 2 つのポイントを指摘した。このうち後者にもとづく政策の方向性として、 地域固有の価値の保全、住民参加による生活知の活用、地域資源としての音環 境の活用といった論点を導出した。また、環境政策、景観政策、文化政策など の個別の領域における政策実践の可能性を検討した

抄録(英語)

The implications of the concept of soundscape were examined, and issues related to sound environment policies applying the concept were discussed. As policy implications of the concept, two points are pointed out: focus on the totality of perception and experience, and focus on the social context of sound environment. As policy principles based on the latter, the following points were derived: conservation of local inherent values, utilization of living knowledge through the participation of residents, and utilization of the sound environment as a local resource. In addition, the possibility of policy practice was discussed in individual areas such as environmental policy, landscape policy and cultural policy.

サウンドスケープ ,政策 ,社会的文脈
soundscape,policy ,social context

2021年5月19日(オンライン)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-19 【 PDF
道路交通ノイズマップに関する補間手法の 基礎的研究
A Fundamental Study of Interpolation Method for Road Traffic Noise Mapping in Japanese city blocks
山城裕大1、 原田和典2、 菅原彬子1、 平栗靖浩1、大嶋拓也3、 齊藤由典4、 跡部哲士4
Yamashiro Yudai1, Harada Kazunori2, Sugahara Akiko1, Hiraguri Yasuhiro1, Oshima Takuya3, Saito Yoshinori4, Atobe Satoshi4
1近畿大学、2岡山県立大学、3新潟大学、4日本ミシュランタイヤ
1Kindai University, 2Okayama Prefectural University, 3Nigata University, 4Nihon Michelin Tire Co. Ltd.
抄録

日本で道路交通ノイズマップを推計するに当たり多くの課題が残 されている。その一つは面的推計の際に計算負荷と推計精度がトレードオフの関 係であることである。そこで本研究では、この課題に対し、日本の用途地域の異 なる 9 つの街区において、騒音レベルを精緻に計算した場合と、粗く計算した結 果を 29 種類の補間手法を用いて補間した場合とを比較する。次に、補間による 誤差を算出し、手法の妥当性およびノイズマップに適した手法について検討する。 そして、算出した結果から受音点の間隔と補間方法の最適な組み合わせを提案す る。

抄録(英語)

Various issues need to be addressed when drawing estimated road traffic noise maps in Japan. One of them is a trade-off between computational load and estimation accuracy due to the number of noise receiver points where the noise exposure is evaluated. An interpolation to generate additional receiver points among the points post-processing of a computation made on relatively coarse receiver points can be a solution to achieve compromises between computational load and estimation accuracy. In this study, estimated noise maps are drawn in nine real city blocks in Japan with different land-use areas by placing noise receiver points with intervals of 1 m, 5 m, and 10 m. The map of the 1 m interval is used as the reference noise levels. The maps of the 5m and 10 m intervals are interpolated to the 1m interval using 29 interpolation methods. The optimal combination of the interval of noise receiver points and the interpolation methods are found based on errors of the interpolated maps compared to the reference map.

道路交通騒音,ノイズマップ,補間手法,用途地域,推計精度
road traffic noise,noise map,interpolation method,land-use areas,estimation accuracy
N-2021-20 【 PDF
等価吸音面積の実測事例 室内音環境を改善するための簡易な方法
Measurement examples of equivalent sound absorption area Simple devices to improve the room sound environment
土田義郎1、大嶋拓也2
Tsuchida Yoshio1, Oshima Takuya2
1金沢工業大学、2新潟大学
1Kanazawa Institute of Technology, 2Niigata University
抄録

現在の日本では、学ぶ場の音環境設計はほとんど行われておらず、特に保育 施設の現状は、かなり劣悪であるといわざるを得ない。建築設計者も保育園と いう教育施設において、音環境に配慮した設計をすることは稀である。そのた め、子どもたちの声が響いて音声が聴き取りづらくなる。聞き取りづらいため に保育士も子どもも大きな声を出すという悪循環に陥っている。このような状 況の改善には、室内の吸音率を上昇させる必要がある。ここでは、市販のぬい ぐるみのほか、ダンボールなどで簡易に吸音できる装置を考案し、その等価吸 音率の実測値を示す。

抄録(英語)

In Japan, the sound environment for learning is rarely designed. In particular, the current situation of childcare facilities is quite poor. It is rare for an architect to design a nursery school with consideration for the sound environment. Therefore, the voices of children echo and it becomes difficult to hear the voices. Because it is difficult to hear the voice, both nursery teachers and children are in a vicious circle of making loud voices. In order to improve such a situation, it is necessary to increase the sound absorption in the room. Here, the equivalent sound absorption coefficient of a sound absorber made of a stuffed animal or cardboard was actually measured.

等価吸音面積,保育,吸音材,残響室法
Equivalent sound absorption area ,Childcare ,Sound absorption material ,Reverberation room method
N-2021-21 【 PDF
防災放送アナウンスに対する心理評価と脳波による評価
Evaluation of announcements for disaster prevention by psychological and EEG experiments
高野佐代子、土田義郎
Sayoko Takano, Yoshio Tsuchida
金沢工業大学
Kanazawa Institute of Technology
抄録

本研究では防災放送アナウンスについて、心理的側面と脳波に よる評価を行った。防災放送アナウンスを無意味語に置き換え、「近くの川が ソビサンしました。非常にメマテな状態です。直ちに指定の小学校にセタンし てください。」という発話文章を用い、声優学校に通う学生に「強く」「訴える ように」「優しく」「ゆったりと」という計 4 種類の教示を受けた音声を録音し た。実験 1 ではこの音声を用いて 10 人の被験者に対し心理実験を行った。実 験 2 ではこれらの音声聴取時の脳波を計測した。その結果、「強く」「訴えるよ うに」という指示に対しては「緊張刺激」という心理的評価が得られた。また 「優しく」「ゆったりと」という指示に対しては「緩和刺激」という心理的評 価が得られ、脳波から得られたリラックス度は前者に比べて高かった。防災放 送アナウンスに対する脳波計測の結果からリラックス度(α波とβ波の比)に 違いが見出された。

抄録(英語)

In this study, announcements for disaster prevention were evaluated by psychological and EEG experiments. The announcements including no-meaning words were used to cancel the meanings of emergency. A voice actress was asked to announce the sentence by four kinds of instructions (強く、訴えるように、優しく、ゆったりと) . In the experiment one, 10 subjects joined the psychological experiment. In the experiment two, 5 subjects joined the EEG experiment. The EEG showed higher relation index (α/β) for relaxed than tense stimuli.

アナウンス ,防災放送 ,感情音声 ,EEG,リラックス度
Announcements ,disaster prevention ,emotional speech,EEG,relaxation index
N-2021-22 【 PDF
スマートフォンを用いた音環境評価の試み ―サウンドスケープの認知構造へのアプローチ
A study on evaluation of acoustic environment by means of smartphone – a new approach to cognitive structure of soundscape
秋田 剛1、 冨岡雅弘1、兪 ハニ1、 佐野奈緒子1、 松尾綾子2
Takeshi AKITA1, Masahiro TOMIOKA1, Hanui YU1, Naoko SANO1, Ayako MATSUO2
1東京電機大学、2明治大学
1Tokyo Denki University, 2 Meiji University
抄録

スマートフォンは、マイクロフォンを始めとする各種センサを実装 し、録音のみならず音環境測定・評価のためのツールとして応用することが可能 である。本報では、スマートフォンを用いた音環境測定・評価を実現するモバイ ル・アプリケーションの事例を概観し、その特徴と有効性について考察した。ま た、スマートフォンの自動処理機能を利用し、キャプション評価法を適用したサ ウンドスケープ調査を行った。その結果、人によらず「良い」「悪い」の評価とな る音/音環境に対する認知構造と、人によって評価の分かれるものに対する認知 構造には違いが見られることが、示された。

抄録(英語)

A survey to reveal the cognitive structure of sound that are obtained from soundwalk is carried out in the present research by means of smartphone and Caption Evaluation Method. Twenty-one subjects are participated in the survey, and 157 sound events are obtained. Results show that sound from cars are evaluated as a bad noise, but voices form children are evaluated as a good sound by most subjects. On the other hand, music from the speaker and sound from information display in the street are evaluated as a good or bad sound and the evaluation results are different among subjects. Cognitive structure of latter sound shows that there are some different correlations between subjects and sound, for example expectation to the sound information, among subjects. It is supposed that context of soundscape that is defined in ISO 12913-1 has some effects on evaluation of some kind of sound.

サウンドスケープ ,認知構造,スマートフォン ,音環境評価 ,キャ プション評価法
Soundscape ,Cognitive structure,Smartphone ,Evaluation of acoustic environment ,Caption evaluation method

2021年6月23日(オンライン)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-23 【 PDF
対面会議とオンライン会議における会話しやすさの心理評価構造の比較
Conparison on psychological evaluation structure of ease ofconversation between online meeting and face-to-face meeting
仁平真由,辻村壮平
NIDAIRA Mayu, TSUJIMURA Sohei
茨城大学大学院
Grad. School of Sci. and Eng., Ibaraki University
抄録

オンラインで知識創造活動を行う状況における音環境と知的生産性の関係に着目し、自宅でのオンライン会議における「会話しやすさ」に関係する心理的要因を明らかにすることを目的に、道路交通騒音、家族の話し声、テレビの音声を用いて主観評価実験を実施した。その結果、道路交通騒音より家族の存在を表すテレビの音声や家族の話し声は「会話しやすさ」の評価が低くなった。さらに、対面会議とオンライン会議の「会話しやすさ」の心理評価構造の差異を検討した。その結果、対面会議における「発言しやすさ」には「活気」の影響が最も大きいことが分かった。一方で、オンライン会議では「活気」や「静かさ」よりも「プライバシー感」が「会話しやすさ」に影響を及ぼす可能性が示された。

抄録(英語)

In order to investigate psychological factors related to “ease of conversation” ononline meetings at home, subjective experiment was conducted in our study. Asthe sound stimuli, road traffic noise, sound of television and family’s conversationalvoice were each presented to subjects. As a result, the evaluation of "ease ofconversation" was lower for sound of television and family's conversational voicesthan road traffic noise. Furthermore, the difference in the psychological evaluationstructure of "ease of conversation" between face-to-face meetings and onlinemeetings was examined. It was found that "liveliness" had the greatest effect on"ease of speaking" in face-to-face meetings. On the other hand, in online meetings,it was suggested that "privacy" has the greatest effect on "ease of conversation"rather than "liveliness" and "quietness".

オンライン会議,在宅ワーク,対面会議,会話しやすさ,プライバシー感
Online meeting,Work from home,,Face-to-face meeting,Ease of conversation,Privacy
N-2021-24 【 PDF
所望領域内外の音響エネルギ密度比最大化のためのスピーカ配置の最適化手法について
Optimization Method of Loudspeaker Configuration forMaximizing the Acoustic Energy Density Ratio of Inside theDesired Area to Entire Area
原健登,荒川稜太,高野靖
Kento Hara, Ryota Arakawa,Yasushi Takano
京都大学大学院工学研究科建築学専攻
Graduate School of Engineering, Kyoto University, Kyotodaigaku-Katsura, Nishikyo-ku,Kyoto, 615-8540, Japan
抄録

:音を特定の領域のみに再生し,その外側の領域に漏らさない技術を音のエリア再生と呼び,近年研究が進んでいる.しかしその研究にはスピーカ群の配置情報に関する検討例が少ない.本研究では,個別のスピーカの位置と体積速度を設計変数,所望領域と対象領域全体の音響エネルギ密度の比とその再生効率を目的関数として,実数値遺伝的アルゴリズムによるスピーカ配置の多目的最適化を行った.その結果,電力制限下での最大のエネルギ密度比を実現するスピーカ配置が得られることがわかった.

抄録(英語)

The technology of reproducing sound only in the desired area and not leaking itto other areas is called sound area reproduction. This technology has been studied in recentyears. However, there are few examples of studies on the location information ofloudspeakers. In this paper. we have optimized the loudspeaker configuration by means ofmulti-purpose optimization using real-coded genetic algorithm. We have used theloudspeaker distribution and volume velocity as design variables and the ratio of the acousticenergy density within the desired area to the entire area and its reproduction efficiency as anobjective functions. Based on the results. it is shown that we can obtain optimumloudspeaker configuration which gives the maximum energy density ratio under the totalpower limitation.

音響エネルギ密度,音のエリア再生,多目的最適化,遺伝的アルゴリズム,スピーカ配置
visually impaired ,Sound area reproduction,,Multi-objective optimization,Genetic algorithm,Speaker Configuration
N-2021-25 【 PDF
ホーチミン市圏での航空機騒音曝露の変化が住民の反応に及ぼす影響
The effects of aircraft noise changes on residents' annoyancein Ho Chi Minh City
Thulan Nguyen 1、平栗靖浩2、森長誠 3、森原崇 4
1島根大学総合理工学部建築デザイン学科、2近畿大学建築学部建築学科、3神奈川大学工学部建築学科、4石川工業高等専門学校建築学科
抄録

抄録無し

抄録(英語)

An increase in aircraft noise annoyance over time and a recommendation of stricter limitson aircraft noise levels to protect the health of residents around airports still cause manycontroversies. We investigated the reaction to noise of people living around Tan Son Nhatairport (TSN) through two scenarios of noise exposure change to examine these issues. Theyare when noise levels increased due to air transport growth between 2008 and 2019; andwhen noise levels decreased due to travel restrictions during coronavirus pandemic fromearly 2020. The average number of flights per day observed in September 2008 and August2019 was 224 and 728, respectively; this number is 413 and 299 for the two surveys in 2020.Annoyance significantly decreased in 2019 compared to 2008; however, annoyance in the2020 survey was higher than in the 2019 survey. Unexpectedly, a gradual increase in theannoyance due to aircraft noise was not found between 2008 and 2019 surveys; andthe numbers of negative responses become higher in the context of reduced noise between2019 and 2020 surveys. Results of multiple regression analysis indicated the significantassociation of reaction to aircraft noise around TSN and nonacoustic factors.

Aircraft noise,change effect,community response,,annoyance,nonacoustic factors
N-2021-26 【 PDF
電動自動車の非定常走行状態の音響パワーレベルに関する研究
A-weithted Sound Power Level of Electric Vehiclesin Accelerating or Decelerating Condition
山内勝也1、加藤勇希2、吉野丈2
Katsuya Yamauchi1, Yuki Kato2, Jo Yoshino2
1九州大学大学院芸術工学研究院、2九州大学大学院芸術工学府
1Kyushu University, Faculty of Design, 2Kyushu University, Graduate School of Design
抄録

電動自動車の低速度・非定常走行状態のA 特性音響パワーレベルLWA を試験車を用いて測定し,その特性を検討した。その結果,電動自動車は加速および減速走行状態でも定常走行状態に近い音源特性を有していること,加速走行状態においては加速度が1.0 m/s2 増加するとパワーレベルが約3 dB 高くなる傾向が見られること,減速走行状態においては減速加速度の影響は小さいことなどが確認された。これらの知見に基づいて電動自動車音源特性をモデル化し,信号交差点部における等価騒音レベルの低減量を推計した。その結果,小型車のみの交通流では,全車が電動化した場合での騒音低減効果は2.6〜4.0 dB と予測された。大型車混入を想定した場合,大型車混入率30%以上では騒音低減量が1.0dB を下回り,電動化による騒音低減効果は限定的である可能性を示した。

抄録(英語)

Noise emission from the vehicles propelled by electric system (such as pureelectric and hybrid electric vehicles) is usually lower than the conventional internalcombustion engine vehicles. Some previous studies have been shown the difference in Aweightedsound power level of electric vehicles from the conventional ones, the differenceis not dramatically large, e.g., less than 4 dB when the cars running at steady speed of 20km/h. In this paper, we present the additional measurement results of sound power level ofEVs in accelerating condition. Because when the cars in accelerating condition, thedifference of propulsion systems becomes more significant on noise emission. The resultsare shown as regression model of sound power level depending on the vehicle speed.Furthermore, the environmental noise impact of growing population of EVs is assessedthrough a prediction of LAeq in the vicinity of a signalized intersection.

電動自動車,音源特性,音響パワーレベル,ASJ RTN-Model,道路交通騒音予測
Electric vehicle,source model,sound power level,ASJ RTN-Model,road traffic noise prediction
N-2021-27 【 PDF
対人距離及び暗騒音レベルの違いが発話レベルに及ぼす影響
Effect of differences in interpersonal distance andbackground noise level on speech level
辻村壮平、 窪前海斗
Sohei Tsujimura, Kaito Kubomae
茨城大学 大学院理工学研究科
Grad. School of Sci. and Eng., Ibaraki University
抄録

ウイルス感染の危険性を音環境の側面から評価する新たな手法の提案を最終的な目標に掲げ、その端緒として、室内の暗騒音レベルや対人距離が発話レベルに及ぼす影響を定量的に捉えることを試みた。発話者と聴取者を2 名一組とし、暗騒音レベル5 条件と対人距離4 条件の計20 条件で被験者による心理音響実験を実施した。発話レベルへの影響は対人距離より暗騒音レベルの方が大きく、暗騒音レベルの2 次式で発話レベルを予測できる可能性がある。また、暗騒音レベルが50 dB 程度であれば、日常会話での発話レベルは60 dB 程度となり、発話者はそれほど声を大きくすることなく、聴取者も聴き取りにくい印象にはならないことが示唆された。

抄録(英語)

The ultimate goal is to propose a new method to evaluate the risk of virusinfection from the aspect of the sound environment. As a beginning, we tried toquantitatively grasp the effects of indoor background noise level and interpersonaldistance on the speech level. A psychoacoustic experiment was conducted under a totalof 20 conditions, 5 conditions for background noise level and 4 conditions forinterpersonal distance, using a pair of speakers and listeners as subjects. As a result, itwas found that the influence on the speech level is larger in the background noise levelthan in the interpersonal distance, and there is a possibility that the speech level can bepredicted by the quadratic expression of the background noise level. Since the speechlevel in daily life conversation is about 60 dB at a background noise level of about 50dB, it was suggested that the speaker does not make a loud voice and the listener doesnot have an impression of listening difficulty.

発話レベル,対人距離,暗騒音レベル,聴き取りやすさ,感染症対策
Speech level,Interpersonal distance,Background noise level,Ease oflistening,Countermeasures for infectious disease

2021年7月21日(オンライン)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-28 【 PDF
新幹線鉄道ノイズマップのための音源データベースの構築
Constructing a database of noise sourcesfor Shinkansen railway noise estimation
遠藤路悠1、 原田和典2、 菅原彬子1、 平栗靖浩1
Endo Michiharu1, Harada Kazunori2, Sugahara Akiko1, Hiraguri Yasuhiro1
1近畿大学、2岡山県立大学
抄録

新幹線鉄道の沿線地域では、騒音による住人の健康リスクが問題視されていることから、環境基準が定められている。現在、騒音の評価は、環境基準の地域類型が指定されている地域内で実測した騒音レベルが環境基準を達成しているかで行われている。一方、道路交通騒音では面的な騒音レベルの推計による評価を実施している。この状況をうけ、新幹線鉄道騒音でも道路交通騒音と同様に騒音レベルの推計による評価を実施するために、新幹線鉄道騒音の予測手法の検討が環境省を主体に進められている。そこで、本研究では環境省の予測手法を用いた騒音推計に必要な音源のデータベースの構築手法について検討する。

抄録(英語)

The environmental standard for Shinkansen railway noise has ordered forareas along Shinkansen railroads, where the health risk of residents due to noise isan issue. Currently, the evaluation of noise is based on whether or not the noise levelmeasured in the area where the area type of the environmental standard isdesignated achieves the environmental standard. On the other hand, road trafficnoise is evaluated based on the estimation values in Japan. In response to thissituation, the Ministry of the Environment of Japan has been studying the predictionmethod for Shinkansen railway noise for evaluation the noise level by estimationvalues. Therefore, in this study, the method of constructing a database of noisesources for noise estimation using the prediction method of the Ministry of theEnvironment is discussed.

新幹線鉄道騒音,ノイズマップ,音源データベース,GPS,GIS
Shinkansen railway noise,noise map,noise source database,GPS,GIS
N-2021-29 【 PDF
内燃機関自動車との比較による電動自動車内空調音の音質評価に関する検討
Comparison of HVAC Sound Quality between ICEVs and Evs
壇実里1、山内勝也2、フェデリコ・チオッフィ3、ルイジ・マッフェイ3、マッシミリアーノ・マスッロ3
Minori Danc Katsuya Yamauchi2, Federico Cioffi3, Luigi Maffei3, Massimiliano Masullo3
1九州大学大学院芸術工学府、2九州大学大学院芸術工学研究院、3カンパニア大学ルイジ・ヴァンヴィテッリ
1Kyushu University, Graduate School of Design, 2Kyushu University, Faculty of Design, 3Università degli Studi della Campania “Luigi Vanvittelli”
抄録

電気自動車やハイブリッド自動車の普及に伴い,自動車室内の音環境は変化している。支配的だった駆動系騒音に代わり,空調音を初めとする様々な音が目立つようになった。本研究では,自動車用空調の音を対象とし,内燃機関自動車(ICEV)と電動自動車(EV/HEV)という駆動方式の違いに加え,コンプレッサ 動作の有無を含めた観点から,音質評価指標の分析,SD 法による印象評価実験を行い,考察した。その結果,コンプレッサ動作の有無による影響は小さく,駆動方式から影響を受けていることが分かった。特に,主観評価実験においては,低風量域では駆動方式による差が顕著であるという結果が得られた。

抄録(英語)

With the transition to electric vehicles (EV) from internal combustionengine vehicles (ICEV), the sound environment inside car cabins is changing. Thecontribution of powertrain becomes lower on the background noise and othernoises emerge. In this paper, the acoustic metrics of 4 modes are compared.Moreover, the results of a subjective evaluation are presented. Those processesrevealed the difference in the noise perception among the two types of vehicles.The effects of drivetrain noise are cannot be bypassed. Especially at softer air-flowrate conditions, the noise perception is affected.

自動車用空調,電動自動車,音質評価,車室内騒音
HVAC,Electric Vehicle,Sound quality evaluation,Interior noise
N-2021-30 【 PDF
瞬時騒音レベルの時間サンプリングによる最大騒音レベル算出の不確かさ
The uncertainty for measurement of LA,max by time-sampling method of instantaneous time-weighted LA.
福島昭則,太田達也,福島徹彦
Akinori FUKUSHIMA, Tatsuya OHTA, Tetsuhiko FUKUSHIMA
ニューズ環境設計
NEWS Environmental Design Inc.
抄録

騒音レベルを等時間間隔でサンプリングして最大騒音レベルLA,maxを算出する測定方法の不確かさ(最大誤差)について検討した。評価においてLA,max が関係する新幹線鉄道騒音のような間欠騒音,杭打ち作業騒音のような衝撃騒音,移動点音源による単発騒音をとりあげ,定義式に基づき解析的・数値的に不確かさの検討を行った。併せて,それらの騒音の実音の分析結果を示した。その結果,継続時間や衝撃性により違いがあるが,実務的には,杭打ち騒音のような衝撃性の強い騒音については50 ms 以下,その他については100 ms 以下でのサンプリングが必要である。

抄録(英語)

The uncertainty for the determination method of maximum time-weighted A-weighted sound pressure levelLA,Fmax and LA,Smax by sampling instantaneous A-weighted sound pressure level LA at equal time interval were examined.As a result, although the uncertainty of measurement depends on the duration time or impulsivity of sound and timeconstant of sound level meter, in practice, impulsive noise such as piling work should be sampled at 50 ms or less, andthe other noise should be sampled at 100 ms or less.

時間重み付き騒音レベル,最大騒音レベル,騒音レベルの時間サンプリング,最大騒音レベルの測定の不確かさ
time-weighted A-weighted sound pressure level,maximum A-weighted sound pressure level,timesampling method of LA,uncertainty of measurement for LA,max.
N-2021-31 【 PDF
航空機騒音の評価時間帯の国際比較
International comparison of aircraft noise evaluation time zones
牧野康一
Koichi Makino
小林理学研究所
Kobayasi Institute of Physical Research
抄録

我が国の環境基準では、航空機騒音はLdenで評価している。評価時間帯区分は、7 時、19 時、22 時を境に設定されている。一方、EU では共通の評価指標はLdenとして設定され、評価時間帯区分の境は7 時、19 時、23 時に設定されているが、欧州内でも国によって異なる時間区分や評価指標による運用が行われている。また、米国は、夕方の時間帯を採用しないLdn が用いられている。本報では主要国で用いられている航空機騒音の評価指標とその評価時間帯区分について比較整理した結果を報告する。また国別の起床・就寝時刻のデータと評価時間帯区分の関係、主要空港の時間帯別の運航回数と評価時間帯区分の関係を整理したので、その結果を報告する。

抄録(英語)

In Japan, according to “Environmental Quality Standards for Aircraft Noise ofJapan,” aircraft noise is evaluated by Lden. The evaluation time zone division is set at 7:00– 19:00, 19:00 – 22:00, and 22:00 – 7:00. On the other hand, in the EU, the commonevaluation index is set as Lden, and the boundary of the evaluation time zone division is setat 7:00 - 19:00, 19:00 – 23:00, and 23:00 – 7:00, but even in Europe, it is operated bydifferent time divisions and evaluation indexes depending on the each country. Also, inthe United States, Ldn, which does not adopt the evening time zone, is used. This papershows the results of comparing and organizing the evaluation indexes of aircraft noise usedin major countries and their evaluation time zone classifications. In addition, this papershows the relationship between wake-up / bedtime data and evaluation time zoneclassification by country, and the relationship between the number of flight activity andevaluation time zone classification by time zone at major airports.

航空機騒音,評価時間帯,国際比較
aircraft noise,evaluation time zones,international comparison

2021年8月20日(オンライン)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-32 【 PDF
道路交通振動を対象とした実住宅内の1 週間の振動レベルに関する検討
Study on vibration level of road traffic vibration in a real housefor one week
青木怜依奈、冨田隆太
Reina Aoki, Ryuta Tomita
日本大学大学院、日本大学
Nihon University, Nihon University
抄録

2020 年6 月に刊行された「居住性能確保のための環境振動設計の手引き」では、振動源共通の基本的な環境振動設計フローを作成しており、道路交通振動については異なる対象期間における性能マトリクスの例を示している。しかし、実住宅内で1 週間の振動測定を行った事例は少ない。本報では、実住宅において、道路交通振動を対象に、3 パターンの1 週間の振動測定を行い、時間及び日による振動レベルの変化を検討した。また、測定位置、対象期間の違いによる振動レベルの変動について考察を行った。その結果、日による変化より時間帯に大きく依存した結果となり、対象期間の違いによる変動は見られず、測定位置に留意する必要性が示唆された。

抄録(英語)

In “ Introduction to Environmental Vibration Design for Ensuring Habitability ”published in June 2020, the basic procedure of environmental vibration design is describedand the example of performance matrix for road traffic vibration in different period isshowed. However, there are few cases of making a vibration measurement in a real housefor one week. In this report, we made three patterns of vibration measurement for road trafficvibration in a real house for one week, and then we considered changes of vibration levelwith the passage of time and day. In addition, we examined variation in vibration levelcaused by different measurement positions and target periods. As a result, vibration leveldepended on changes with the passage of time compared to day. There was no significantvariation with vibration level caused by different target periods. Additionally, it wassuggested that paying attention to the measurement position when measuring vibration isnecessary.

1 週間振動測定,実住宅,振動レベル,測定位置,対象期間
One week vibration measurement,Real house,Vibration level,Measurementposition,Target period
N-2021-33 【 PDF
低周波音領域の音波加振による住宅の振動-その3 スピーカ音源と道路交通による結果-
Vibration of Houses By Low Frequency Sound Excitation- Part3 Result of Excitation by Speaker and Road Traffic -
佐野泰之
Yasuyuki SANO
愛知工大
AIT
抄録

本研究では、低周波音領域の音波により建物が振動される程度の把握を行っている。本報では、木造住宅3棟を対象とした実験結果について報告する。道路交通による振動が、地盤を通して伝搬してきたものなのか、音波として伝搬し加振されたものであるのかを把握を行う。このために、2階の床振動と、地盤振動と屋外の音圧の相関関係を求めた。環境振動が問題となる振動数帯域では、地盤振動との相関が高くなるが、高い振動数域では、屋外の音圧との相関が高くなることがある。この帯域では、2階床の振動と屋外の関係が、スピーカを用いた音波加振の結果と概ね一致する。建物振動の伝搬のメカニズムについても考察している。

抄録(英語)

Whether the cause of the floor vibration in a house is ground vibrationor Sound Excitation. In this paper the results of experiments of vibration on threewooden houses are reported. The house faces the road. The correlation betweenthe floor vibration on the second floor, the ground vibration, and the outdoor soundpressure was calculated.

音波加振,低周波音領域,交通振動,環境振動,木造住宅
Sound Excitation,Low Frequency,Road Traffic Vibration,Environment Vibration,Wooden houses
N-2021-34 【 PDF
加振器を利用した防振材の違いによる鉛直振動に関する実験的検討−防振材を利用した畳の設置共振に関する研究−
Experimental study on vertical vibration due to difference invibration control material using a vibrator-Study on installation resonance of tatamiusing vibration control material-
冨田 隆太、足立大
Ryuta TOMITA, Dai ADACHI
日本大学 、リオン
Nihon University, Rion
抄録

我々は,カーペットや畳床の設置共振を防ぐ方法について,実験的検討を行ってきた。これまで,防振材を利用して,従来の考え方とは逆に,低域で共振を発生させ,防振材の振動伝達率を利用して,カーペットや建材畳を剥がしたコンクリートスラブの鉛直振動を推定する方法を提案した。本報では,これまで推定が不十分であった本畳に着目し,検討を行った。本報では,加振器を用いて,測定対象周波数の正弦波を出力し,検討した。また,防振材の種類を変化させて,設置共振の推定方法の妥当性を検討した。その結果,これまで推定が不十分であった本畳についても,本研究の提案方法を応用することで,比較的よく推定できることを明らかにした。

抄録(英語)

In this study, we have conducted an experimental study on a method to preventmounted resonance of carpets and tatami floors. So far, we have proposed a method ofestimating the vertical vibration of a concrete slab from which the carpet, building materialtatami has been peeled off by using the vibration control material to generate resonance inthe low frequency range and using the vibration transmission rate of the vibration controlmaterial. In this report, a sine wave of the frequency to be measured was output using avibration exciter, and an experimental study was conducted. In addition, the validity of theinstallation resonance estimation method was examined by changing the type of vibrationcontrol rubbers. we focused on straw tatami, which had been insufficiently estimated so far.As a result, it was clarified that even the straw tatami, which had been insufficientlyestimated so far, can be estimated relatively well by applying the proposed method of thisstudy.

振動伝達率,防振材,畳
Vibration transmission rate,Vibration control material,Tatami
N-2021-35 【 PDF
発達障害特性と吸音に着目した認知課題への周囲騒音の影響
Effects of surrounding noise on cognitive tasksfocusing on developmental characteristics and sound absorption
丸山直也1、四ツ村成美2、川井敬二3、菊池哲平4
Naoya MARUYAMA1,Narumi YOTSUMURA2, Keiji KAWAI3, Teppei KIKUCHI4
1熊本大・院自然科学、2熊本大・院教育学(現熊本県立菊池支援学校)、3熊本大・院先端科学、4熊本大・院教育学
1Graduate school of Science and Technology, Kumamoto University, 2Kumamoto prefectural Kikuchi Special-needs Education School, 3Graduate school of Faculty of Advanced Science and Technology, Kumamoto University, 4Graduate school of Education, Kumamoto University
抄録

発達障害の傾向がある児童生徒は,日々の生活において聴覚的な困り感を持っていることが近年明らかになってきた。一方,発達障害をはじめとする特別な支援を必要とする子供のための,適切な音響設計に関する基礎的な知見は蓄積されていない。。本研究では大学生を対象に,被験者の発達障害特性と室の吸音が,騒音下における聴覚的な認知課題遂行にどのように影響を与えるのか検討した。

抄録(英語)

In recent years, it has been known that children with developmental disabilityhave auditory difficulties in their daily lives. On the other hand, the fundamental knowledgeregarding the adequate acoustic design for children with developmental disability has notbeen accumulated. In this study, we investigated how the subject’s developmentalcharacteristics and the room sound absorption affect their performance of auditory cognitivetasks under the noise.

発達障害,特別支援教育,音環境,吸音,認知課題
Developmental disability,Special educational needs,Acoustic environment,Sound absorption,cognitive task
N-2021-36 【 PDF
オンライン研究会の試行錯誤について
Trial and error in online meetings
土田義郎1、大嶋拓也2、小林知尋3、辻村壮平4、李 孝珍5、 森原 崇6
Tsuchida Yoshio1, Oshima Takuya2, Kobayashi Tomohiro3, Tsujimura Souhei4, LeeHyojin5, Morihara Takashi6
1金沢工業大学、2新潟大学、3小林理研、4茨城大、5元・東大生研、6石川高専
1Kanazawa Institute of Technology, 2Niigata University, 3Kobayasi Institute of Physical Research, 4Ibaraki University, 5I.I.S., the University of Tokyo (previous), 6National Institute of Technology, Ishikawa College
抄録

2020 年,世界は新型コロナのパンデミックに見舞われた。社会的な活動はことごとく制約を受け,娯楽活動,商業活動,文化的活動,学術的活動における人と人の対面を避けることがウイルスの蔓延を防ぐために必須のこととされた。日本音響学会のもとで活動する各種委員会もその例にもれない。そのような状況の中,インターネットを介した研究会の開催が模索されるようになってきた。本稿では,騒音・振動研究会がどのような工夫をしてきたかの要点を記録し,公開するものである。

抄録(英語)

In 2020, the world was hit by a pandemic of the new coronavirus. Allsocial activities were constrained. Avoiding face-to-face activities inentertainment, commercial, cultural and academic activities is essential toprevent the spread of the virus. The same response was required for variouscommittees operating under the Acoustical Society of Japan. Eachcommittee sought its regular meeting via the Internet. This paper recordsand publishes the main points of what the Technical Committee on Noiseand Vibration has devised for the meeting.

covid-19,研究会,オンライン,運営
covid-19,meeting,on-line,operation

2021年10月11日(京都)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-37 【 PDF
マッハカットオフ騒音の2 次元FDTD解析の試み
2-D Finite Difference-Time Domain Analysis of Mach Cutoff Noise
土屋隆生1、金森正史2
Takao Tsuchiya1, Masashi Kanamori2
1同志社大学理工学部、2宇宙航空研究開発機構航空技術部門数値解析技術研究ユニット
1Faculty of Science and Engineering, Doshisha University, 2Japan Aerospace Exploration Agency, Chofu Aerospace Center
抄録

本報告は,超音速旅客機の超音速飛行時に発生する騒音を2 次元CE-FDTD 法により解析している。Mach cutoff (MCO) を利用すれば,理想的にはブームを地上に到達させずに超音速飛行が可能であるが,大気乱流によるブーム散乱に起因したMCO 騒音が発生する。このMCO 騒音は,高度方向の音速分布に大きく依存するため,騒音評価はその地域・季節の音速分布を考慮する必要がある。また,加速時はフォーカスブームが発生することで,MCO 騒音とは異なる地表に大きな騒音が到達するが,ブームの地表到達地点のはるか手前であっても乱流により散乱される騒音はかなり大きくなることが示された。

抄録(英語)

In this paper, the sonic boom noise generated during supersonic flight is numericallyanalyzed by the 2-D CE-FDTD method. The Mach cutoff (MCO) phenomenoncan be applied to supersonic flight without the boom reaching the ground, but the MCOnoise is generated by the boom scattering due to the atmospheric turbulence. Since theMCO noise greatly depends on the sound speed gradient in the atmosphere, it is necessaryto consider the regional and seasonal variation of the sound speed gradient for thenoise assessment. It is also shown that the focus boom occurs during acceleration, whichcauses a large noise on the ground surface, and that the noise scattered by turbulence isconsiderably large even far before the boom reaching point.

ソニックブーム騒音,Mach cutoff,CE-FDTD法,高層気象観測,Caustic,フォーカスブーム
Sonic boom noise,Mach cutoff,CE-FDTD method,upper airobservation,Caustic,Focus boom
N-2021-38 【 PDF
長崎県端島における打音法を用いた鉄筋コンクリート部材の劣化調査
Deterioration investigation of reinforced concrete components on Hashima Island by using impact acoustic method
菅原彬子、岸本一蔵、平栗靖浩
Akiko Sugahara, Ichizo Kishimoto, Yasuhiro Hiraguri
近畿大学建築学部
Faculty of Architecture, Kindai University
抄録

長崎県端島(通称:軍艦島)にある築数十年から百年程度の古いの鉄筋コンクリート(RC)造建築物の劣化調査は,RC部材の劣化メカニズムの解明に有用である.本報では,打音法を用いた劣化調査を行い,表面及び内部劣化性状が打音音響特性に与える影響や,部材劣化性状と部材位置の関係について基礎的な検討を行った.結果より,打音法により内部劣化の影響を検出できること,階層あるいは平面分布で劣化進行程度に差が生じること,劣化の進行が主に1 kHz程度までの周波数帯域で音響特性に影響を与えることが示唆された.

抄録(英語)

Continuous evaluation of the deterioration properties of reinforced concrete (RC)buildings constructed several decades to a century ago on Hashima Island in Nagasakihelps understand the progress of deterioration in RC buildings. In this study, thedeterioration properties of RC columns are investigated by using the impact acousticsmethod. The results show that the impact acoustics method can provide informationof internal deterioration and the deterioration progress affects the acoustic propertiesbelow 1 kHz.

劣化調査,鉄筋コンクリート,打音法,非破壊検査,端島
deterioration investigation,reinforced concrete,impact acoustic method,non-destructive inspection,Hasima
N-2021-39 【 PDF
完全非接触で微小物体をピックアップする空中音響ピンセットの実用化への試み
On Practical Application of Mid-Air Acoustic Tweezers for Non-Contact Pick -up of Millimeter-Sized Target Object
大久保寛、近藤昇太、山本 豊
Kan OKUBO, Shota Kondo, Yutaka Yamamoto
東京都立大学 大学院システムデザイン研究科
Department of Electrical Engineering and Computer Science, System DesignDepartment of Electrical Engineering and Computer Science, System Design, Tokyo Metropolitan University,
抄録

音響放射力による微小物体の操作については古くから行われているが,空中における応用事例はそれほど多くない.一方,近年では,超音波トランスデューサアレイを用いて,高度化した情報通信技術を駆使し,空気中の音響放射力を制御し,非接触操作を行う研究が報告されている.本研究では,空中音響制御による非接触操作技術の実用化に向けた要素技術として,環境に依存しない完全非接触ピックアップを実現するために,半球状のトランスデューサアレイとブロック化されたマルチチャンネル制御法を提案・実装した.各チャンネルの位相と振幅は,ステージ上からの音響反射を含め最適化されている.これにより,目的の位置に音響トラップを生成することが可能となり,低反射ステージからだけではなく,音響的に反射率の高いステージ上からも完全非接触にてピックアップする手法を開発した.

抄録(英語)

空中音響ピンセット,完全非接触ピックアップ,非対向型トランスデューサアレイ,超音波制御,音場最適化
mid-air acoustic tweezers,non-contact pick-up,single-sided ultrasonic transducer,ultrasonic control,sound field optimization
N-2021-40 【 PDF
屋外長期騒音監視における情景分析の試み
An Experiment of Scene Analysis in Long-Term Outdoor Noise
岩田光路、廻田恵司、篠原健二、山田一郎
Koji Iwata, Keishi Sakoda, Kenji Shinohara,Ichiro Yamada
リオン株式会社
Rion Co., Ltd.
抄録

航空機騒音観測装置で観測された騒音データの理解を深めるために、音の到来方向と音響情景分析をどのように活用するかを試行した。本稿では、航空機騒音観測装置で観測された騒音データの理解を深めるために 瞬間的な3次元の音の到来方向と音圧レベルの情報を利用して、静的モードと動的モードと呼ぶ音響情景分析の2 つの方法を示す。静的モードでは、昼間や夜間などの長時間にわたる単位球面上の累積騒音暴露分布を調べ、動的モード解析では、航空機や通過する車など、騒音イベントを引き起こす移動音源の軌跡を推定して地図上に表示する。これにより、騒音の発生源である音場の動的な状況を把握しやすくなることが期待される。

抄録(英語)

In this paper, we have tried how to utilize the analysis of sound arrival directionand acoustic scene to better understand the noise data observed by aircraft noise monitoringequipment. In this paper, two methods of acoustic scene analysis, which we call static modeand dynamic mode, are presented using instantaneous three-dimensional sound arrivaldirection and sound pressure level information to deepen the understanding of noise dataobserved by aircraft noise monitoring equipment. The static mode examines the cumulativenoise exposure distribution on the unit sphere over a long period of time, such as daytime ornighttime, while the dynamic mode analysis estimates the trajectory of moving sources thatcause noise events, such as aircraft or passing cars, and displays them on a map. This isexpected to make it easier to understand the dynamic situation of the sound field, which isthe source of the noise.

長期騒音監視,情景分析,音の到来方向
Long term noise monitoring,Acoustic scene analysis,Sound arrival direction,
N-2021-41 【 PDF
建物群による騒音減衰の予測計算方法の検討
Investigation on calculation method of road traffic noise attenuation by buildings
坂本 慎一1、許 文瑞2、福田 大輝3、米村 美紀4
Shinichi Sakamoto1, Wenrui Xu2, Taiki Fukuda2, Miki Yonemura1
1東大生研、2東大大学院
1Institute of Industrial Science, The University of Tokyo, 2Graduate School of Engineering, The University of Tokyo
抄録

道路交通騒音の予測モデルASJ RTN-Model 2018 に含まれる建物・建物群背後の騒音の予測方法は,道路交通騒音マップ作成のための計算方法として活用が期待されている。同手法は,縮尺模型実験結果による実験式であるため,建物高さ,密度,道路からの距離に関して適用範囲が設けられている。多種多様な沿道状況に対応するためには,様々な立地状況に対する妥当性を調べる必要がある。そこで,沿道状況が異なる3 つの地域を対象に,騒音伝搬に関する実測結果と当該地域に対する計算結果と比較し妥当性を調べた。その結果,剛な地表面に立地した箇所では高い精度を有すること,地表面効果を考慮する必要がある場合には固い地面程度の地表面効果が適合する結果となった。設定する地表面種別,建物群がある場合の平均伝搬高さ等の計算における設定条件について今後検討する必要がある。

抄録(英語)

Road traffic noise prediction model, ASJ RTN-Model 2018, includes calculation methods of noisebehind building complex and the method is expected to be used as a calculation method for drawing noisemaps. Since the method originated in an empirical formula based on results of scale model experiments, itsscope is limited on averaged height of buildings, density of buildings and distance between source road andprediction point. In order to deal with a wide variety of building complex by this calculation method, it isnecessary to examine its validity for various conditions. Therefore, in this report, we made fieldmeasurements of noise propagation on three areas and compared field measurement results with calculatedones for the target areas. As a result, it was found that the calculation method shows high accuracy in acase with rigid ground condition, and that ground effect for the compact ground is most applicable for a caseof soft ground conditions. It is necessary to investigate appropriate calculation conditions such as groundtype to be set and mean propagation height in case with building complex in more concisely, in the future.

ASJ RTN-Model,建物群による騒音減衰,道路交通騒音予測,地表面効果
ASJ RTN-Model,Noise attenuation by buildings,Road traffic noise prediction,Ground effect
N-2021-42 【 PDF
分散処理を用いた道路交通ノイズマップ推計システムの構築と評価
Construction and evaluation of a Road Traffic Noise Map Drawing System Using Distributed Processing
原田 和典1、山城 裕大2、菅原 彬子2、平栗 靖浩2、大嶋 拓也3、齊藤 由典4、跡部 哲士4
Kazunori Harada1, Yudai Yamashiro2, Akiko Sugahara2, Yasuhiro Hiraguri2, Takuya Oshima3, Yoshinori Saito4, Satoshi Atobe4
1岡山県立大学、2近畿大学、3新潟大学、4日本ミシュランタイヤ
1Okayama Prefectural University, 2Kindai University, 3Nigata University, 4Nihon Michelin Tire Co. Ltd.
抄録

本報では道路交通騒音を対象としたノイズマップ推計プログラムの開発、およびその検証について報告する。プログラムはASJ RTN Model をベースに構築した。各種補正量については一部のみ実装しており、そのうちの建物・建物群背後における騒音減衰量の計算にデータベースを用いた分散処理システムを実装した。精度の検証について、国立環境研究所の公開する自動車交通騒音の常時監視結果のデータとの比較を行ったところ、全体的にレベルが低く推計されていた。またこれらの結果を踏まえてプログラムの課題を整理した。結果としてまだ多くの課題は残るものの、東大阪市全域の計算を一週間程度と現実的な時間で推計が可能となった。

抄録(英語)

Abstract:This paper reports on the development and validation of a noise map estimationprogram for road traffic noise. The program was developed based on the ASJ RTN Modelwith only some of the corrections are implemented. A distributed processing system using adatabase is implemented for the calculation of noise attenuation behind buildings and groupsof buildings. To verify the accuracy of the data, we compared it with the data from theconstant monitoring of automobile traffic noise published by the National Institute forEnvironmental Studies and found that the overall level of the data was estimated to be low.Based on these results, the issues of the program were summarized. As a result of this study,it was possible to estimate the entire Higashiosaka city area in about one week.

ノイズマップ,道路交通騒音,分散処理,ASJ Model
Noise map,Road traffic noise,Distributed processing,ASJ Model

2021年11月9日(福岡)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-43 【 PDF
高可搬性と高臨場感音響収録が可能な全方位音源探査システムの検討
Application of omni-directional sound-source-localization system capable ofhigh potability and three-dimensional sound field recording
山内源太、田部洋祐
Genta Yamauch, Yosuke Tanabe
株式会社日立製作所研究開発グループ
Hitachi, Ltd. Research & Development Group
抄録

製品の音響設計に向けて, 製品音の評価は無響室における規定位置の1 点もしくは少数点での音圧レベルで評価されることが多い。しかし, 製品が使用される音環境の評価も必要であり, この評価に向けた手段としては高臨場感音響収音・再生が挙げられる。また, これらの評価が可能なシステムの可搬性が高いと, 実験室のみならず現場での収音や評価が容易となる。本論では, 以上の特徴を有する音源探査システムの実現を目指して, アンビソニックマイクと360 度カメラを併用した高可搬性のシステムを構成した。本システムによる音源探査の基礎実験を実施した結果, ある程度のSN 比の環境下において, 全方位の音源探査と方向別寄与の評価が可能である見通しを得た。

抄録(英語)

For the acoustic design of the product, it is necessary not onlyto evaluate the product sound but also to evaluate the sound environment inwhich the product will be used. Sound-source localization by microphone arrayis a means for evaluating the product sound, and three-dimensional soundfield recording and reproduction is a means of evaluating the sound environment.Furthermore, the system requires a high portability in order to performan easy recording and evaluation. In this paper, we have constructed a simplesystem with an ambisononic microphone and a 360-degree camera in order torealize a system with these characteristics. As a result of conducting the basicexperiment, we obtained a prospect that it is possible to evaluate the omnidirectionof the sound-source localization and the directional contribution inthe environment of some degree of signal-noise ratio.

音源探査,可視化,球面調和関数,高可搬性,高臨場感音響
Sound source localization,Visualization,Spherical harmonics,High potability,Three-dimensional sound field recording
N-2021-44 【 PDF
日欧の騒音予測モデルの特性に関する研究–半無限長厚み障壁における予測値の総合的な比較–
Study on characteristics of Japanese and European noisepropagation models: comprehensive comparison of predictedvalues under a semi-infinite length thick barrier comfiguration
竹田郁哉1、大嶋拓也2
Fumiya Takeda1, Takuya Oshimai2
1新潟大学大学院自然科学研究科、2新潟大学工学部
1Guraduate School of Science and Technology, 2Niigata UniversityFaculty of Engineering, Niigata University
抄録

音源指向性や各種減衰の計算方法や取扱いに相違があるHarmonoise,CNOSSOS-EU 及びASJ RTN-Model 2018 を,半無限長厚み障壁問題について,音源指向性補正の有無,車両進行方向及び反射計算の有無の組み合わせたケースで比較した。音源指向性に関して,障壁背後ほど指向性の有無によるケース間差は大きく,Harmonoise の車両進行方向の異なるケース間差が最大となった。反射計算の有無によるケース間差は,全モデルとも概ね同様であった。モデル間差に関して,CNOSSOS-EUでは回折減衰に下限値を定めていることから,障壁背後で他2 モデルとのモデル間差が大きくなった。全予測点のうち等価騒音レベルが65 dB 未満となる予測点数は,ASJ Model が欧州モデルよりも多く,65dB 以上となる予測点数は欧州モデルの方が多くなった。

抄録(英語)

The European Harmonoise, CNOSSOS-EU and Japanese ASJ RTN-Model 2018noise prediction models have difference in sound source directivity and various attenuationmodels. The cases with varying combinations of model, source directivity, vehicle runningdirection and presence of reflection are calculated under a semi-infinite thick barrierconfiguration. Difference between the cases with and without directivity becomes largerwith going deeper behind the barrier. The largest difference is observed in the case ofopposite vehicle running directions in Harmonoise. Difference due to the presence andabsence of reflection are almost identical between the three models. Because of thepredefined lower bound of the diffraction attenuation in CNOSSOS-EU, the differencesbetween CNOSSOS-EU and the others become large. Among all the prediction points, theASJ Model has more points of equivalent noise level below 65 dB than the European models,and the European models has more points above 65 dB.

Harmonoise,CNOSSOS-EU,ASJ RTN-Model,音源指向性,反射減衰
Harmonoise,CNOSSOS-EU,ASJ RTN-Model,Directivity,Reflection attenuation
N-2021-45 【 PDF
修正アダムス法を用いた陽的時間領域FEMによる室内音場解析–周波数依存のインピーダンス境界の実装–
An explicit time-domain FEM for room acoustic simulations using modified Adams method–Implementation of frequency-dependent absorption boundaries–
杉本 優衣1、吉田 卓彌12、奥園 健1、阪上 公博1
Y. Sugimoto1, T. Yoshida12, T. Okuzono1, K. Sakagami1
1神戸大学大学院工学研究科建築学専攻、2安藤ハザマ技術研究所
1Department of Architecture, Graduate School of Engineering, Kobe University, 2Technical Research Institute, Hazama Ando Corporation
抄録

本稿では波動音響解析による時間領域での室内音場予測手法の一つとして,修正アダムス法を時間積分法に用いる陽的な時間領域FEM に着目し,本手法において周波数依存のインピーダンス境界を補助微分方程式法を用いて考慮した時間進行スキームを提案する.さらに,提案法の性能を3 種の数値実験により明らかにする.まず,音響管モデルを用いた検証から定式化の妥当性を確認する.次に,正方形室モデルを用いて,提案法の安定性を数値的に検証する.最後に,実大の2 次元オフィスモデルを通し,既存の4 次精度周波数領域FEM と性能比較を行い,提案法はFD-FEM に比べ若干精度は劣るものの,同一メッシュ使用時,10 倍以上高速な計算が可能であることを示す.

抄録(英語)

This paper focuses on a wave-based room acoustic predictiontool in the time domain, namely the explicit time-domain FEM using themodified Adams method. Herein, we propose a time marching scheme includingfrequency-dependent impedance boundaries using the auxiliary differentialequations method. The basic performance of the proposed scheme is numericallyexamined through three numerical experiments. First, the validity ofthe scheme is confirmed with impedance tube problems. Then, we examineits stability with a square room model. Finally, a performance comparisonis made with the existing fourth-order accurate frequency domain FEM witha practical 2D office model. As a result, the proposed scheme can calculatetime responses ten times faster with slightly lower accuracy under the samemesh.

室内音響解析,時間領域FEM,周波数依存性,吸音境界,波動音響
room acoustic analysis,time domain FEM,frequency dependence,absorption boundary,wave acoustics
N-2021-46 【 PDF
保育室内の音環境改善を目指した簡易な吸音装置の検討
Examination of an easy to make sound absorbing device aimed atimproving the acoustic environment in nursery rooms
島崎数馬、中村雪乃、上野想朔、土田義郎
Kazuma SHIMASAKI, Yukino NAKAMURA, Sousaku UENO, Yoshio TSUCHIDA
金沢工業大学
Kanazawa Institute of Technology
抄録

日本は欧米と比較し、保育施設においての音環境への配慮がされていることは少ない。そのため音が響きすぎるという問題が生じており、保育室の吸音が求められる。私たちは容易に入手が可能で加工しやすいトレーシングペーパーやケント紙を用いて、簡易的な吸音装置の開発を試みた。トレーシングペーパーで24 面体、6 面体、4 面体を、ケント紙では4 面体(そのまま、穴あき、錘つき)を複数作成し、それぞれの装置の等価吸音面積を求めた。作成した装置の内、トレーシングペーパーで作成した装置やケント紙の4 面体では残響時間が長くなってしまった。錘つきや穴あきの4 面体は残響時間が短くなり、吸音効果があることが分かった。

抄録(英語)

Compared to Europe, Japan has less consideration for the soundenvironment in nursery rooms. Therefore, there is a problem that the soundreverberates too much, and sound absorption in nursery rooms are required. Wetried to develop a easy to sound absorbing device using tracing paper and Kentpaper, which are easily available and easy to process. For tracing paper, wecreated 24-sided bodies, hexahedrons, and tetrahedrons, and for Kent paper, wecreated multiple tetrahedrons, perforations, and tetrahedrons with weights, andcalculated the equivalent sound absorption area of each device. Of the devicescreated, the device created with tracing paper and the tetrahedron of Kent paperas it is had a long reverberation time. It was found that the weighted andperforated tetrahedrons have a shorter reverberation time and have a soundabsorbing effect.

保育空間,子ども,保育士,吸音材
Childcare space,child,Childminder,Sound absorption material
N-2021-47 【 PDF
多孔質粘土煉瓦の吸音特性に関する研究
Study on sound absorption characteristics of porous clay bricks
富来礼次1、益田雅大2、岡本則子1、大鶴徹1、シワット ラワンワデークル2、池田夏菜2
Reiji Tomiku1, Masahiro Masuda2, Noriko Okamoto1, Toru Otsuru1, Siwat Lawanwadeekul2, Kana Ikeda2
1大分大学理工学部、2大分大学大学院工学研究科
1Faculty of Science and Technology, Oita Univ, 2Graduate School of Engineering, Oita Univ
抄録

本研究では多孔質粘土煉瓦(PCB)の吸音特性を明らかにするため, PCB に対し3 種の吸音率の測定を実施した結果を報告する まず,管内法による垂直入射吸音率の測定に関し,物性値の似通った4 つのPCB を,4 種の取付条件で測定し,PCB と管側壁間の隙間が測定値に与える影牌を確認した 続いて,アンサンブル平均を利用した材の吸音特性測定法(EA 法)により,管内法で使用した試料および矩形の試料の測定を実施し,複数の PCB 間に生じるスリットと得られる吸音特性の関係を示すとともに,垂直入射吸音率との比較も行った 最後に,残牌室法吸音率を測定し,前述の2つの吸音率よりも高い吸音率となることを示した "

抄録(英語)

In this study, in order to clarify the sound absorption characteristics of porous claybricks (PCB), three types of sound absorption coefficient of the PCB were measured. First, normalincidence absorption coefficients of four specimens of PCB were measured by the impedance tubemethod under four types of mounting conditions, and the effect of the gap between the specimenand the side wall of the tube on the measured values was confirmed. Next, the specimens used inthe tube method and rectangular specimens of the PCB were measured by the ensemble averagemethod (EA method), and the results were compared with the normal incident sound absorptioncoefficients. Finally, the reverberation absorption coefficient of the PCB was measured, and it wasshown that the sound absorption coefficient was higher than those of the impedance tube methodand EA method.

多孔質粘土煉瓦,吸音率,管内法,EA 法,残響室法
Porous clay brick,Sound absorption coefficient,Impedance tube method,Ensemble average method,Reverberation room method
N-2021-48 【 PDF
多チャンネル音場再生システムを用いた音響材料の性能測定の試み
Attempt of measuring the performance of acoustic materials with multi-channel sound field reproduction systems
堀内千広1、岩見貴弘1、尾本章2
Chihiro Horiuchi1, Takahiro Iwami1, Akira Omoto2
1九州大学大学院芸術工学府、2九州大学芸術工学研究院
1Graduate School of Design,Kyushu University, 2Faculty of Design,Kyushu University
抄録

多チャンネル音場再生システムを用いて斜め入射吸音率を得るために, 高次アンビソニックスの理論に基づいてシステム内で任意の方向から到来する平面波の再現を試みた。特に, 本稿ではシステム内の音響的特性を含めた定式化を用い再現の効果検証を行った。結果より, システムの特性を加味せずに生成した駆動信号を用いると, 再生音場の不要な反射音の影響によって吸音率の結果に大きなディップが生じた。一方, 特性を加味し, かつ正則化パラメータをある程度大きく設定した駆動信号を用いた場合には, 比較的安定して吸音率が算出できる可能性が示唆された。

抄録(英語)

In order to obtain the oblique incident sound absorption coefficient using a multi-channelsound field reproduction system, we attempt to reproduce the plane wave in the system based on thetheory of higher-order ambisonics. In this paper, a formulation including the acoustical characteristicsof the reproduction system is used, and the plane wave is attempted. When we use the driving signalgenerated without taking the system characteristics into account, the sound absorption coefficientresults tended to show a large dip due to the influence of unnecessary reflected sound in the reproducedsound field. On the other hand, it was suggested that the sound absorption coefficient couldbe calculated stably when the driving signal considering the system characteristics is used and theregularization parameter was set somewhat large.

多チャンネル音場再生システム,,音響性能測定,斜め入射吸音率,高次アンビソニックス
multi-channel sound field reproduction system,measuring the performance of acoustic materials,oblique incidence sound absorption coefficient,higher order ambisonics
N-2021-49 【 PDF
クロススペクトルを用いた片側指向性のマイクロホンアレイによる吸音率in-situ 計測法
In-situ measurement of sound absorption coefficient using a unilateral directional microphone array with cross spectrum
小柳 慎一郎
Koyanagi Shinichiro
竹中工務店
Takenaka Corporation
抄録

建築仕上げ材料の吸音率の計測方法は残響室や無響室での実験手法として規格化され広く利用される。本報告では,前報において報告したマイクロホンアレイを用いた手法の再定式化を行い,フィルタ係数の具体的な計算方法を解説する。本手法は指向性の制御に加え,入射波と反射波の干渉及びエバネッセント波への応答をキャンセルする制約条件を導入し,材料の近接点で吸音率を計測することを可能としている。基本的な計算例として,有限距離に位置する点音源に対して本手法で計算した指向特性を示す。

抄録(英語)

The method of measuring the sound absorption coefficient of finishing materialsis standardized and widely used as an experimental method in reverberation rooms andanechoic rooms. In this paper, the method using a microphone array reported in the previouswork is reformulated and the specific calculation method of the filter coefficients isexplained. In addition to controlling the directivity, this method introduces constraints tocancel the interference between incident and reflected waves and the response to evanescentwaves, which enables us to measure the sound absorption coefficient at the proximity pointof the material. As a basic calculation example, the directional characteristics calculated byour method for a point source located at a finite distance are shown.

in-situ 計測,吸音率,インテンシティ,マイクロホンアレイ
in-situ measurement,absorption coefficient,sound intensity,microphone array
N-2021-50 【 PDF
九州大学大橋キャンパス 音響特殊実験施設の改修について
Renovation of the Acoustic Experiment Facilities at Kyushu University, Ohashi Campus
尾本 章、山内勝也、高田正幸
Akira Omoto, Katsuya Yamauchi, Masayuki Takada
九州大学芸術工学研究院
Faculty of Design, Kyushu University
抄録

九州大学大橋キャンパスに設置されている3 階建ての音響特殊実験棟は,上階から無響室,録音スタジオ,残響室という構成であり,主として芸術工学部音響設計学科や大学院芸術工学専攻における教育・研究に活用されてきた。築後50 年ほどが経過し,各設備の老朽化と,それに伴う各室間の遮音性能低下などが問題となっていたが,今回建物の構造補強を含めて全面的な改修を行ったため,その概要について報告する。無響室に関しては15 年ほど前に楔の取り替えなどを含む全面的な改修を行なっていたため,主たる改修場所は,録音スタジオ並びに残響室に限定した。録音スタジオは,天井高を活かしつつ,十分な拡散音成分を供給できる壁面構造,将来的な多チャンネル残響付加装置などの導入に耐えうる構造とし,またスタジオ調整室においても様々な再生フォーマットに対応したスピーカ配置を受け入れる構造を採用した。残響室については,以前は3 室が併設されていたが,今回の改修に際しては1 室に限定し,その他のスペースを音楽演奏や試聴など多目的に用いることができる空間と,半無響室に変更した。最上階である無響室から残響室まで,全ての部屋は貫通孔を通して結ぶことが可能であり,例えば全ての施設における音を録音スタジオ調整室に集約して録音する使用方法などが可能である。

抄録(英語)

The Acoustics Experiments Facilities is a three-story building located on the OhashiCampus of Kyushu University, consisting of an anechoic room, a recording studio, and a reverberationroom. It has been used mainly for education and research in the Department of AcousticalDesign, Faculty of Design. After over 50 years since the building was constructed, the buildingwas completely renovated, including structural reinforcement. In this report, the outline of therenovation is shown. The recording studio was renovated to take advantage of the original ceilingheight, and the wall structure was designed to provide sufficient diffuse sound components. Therecording booth and the control room were designed to accommodate loudspeaker placement forvarious playback formats and multi-channel sound field control systems. There used to be threereverberation rooms, but the number was limited to one for this renovation. The other roomswere converted to a semi-anechoic room and a room that can be used for various purposes suchas music performance and listening. All the rooms, from the anechoic room on the top floor tothe reverberation room, can be connected by wire, making it possible, for example, to perform arecording from all facilities.

音響特殊実験棟,九州大学,録音スタジオ,残響室,半無響室
Acoustic Experiment Facility,Kyushu University,recording studio,reverberation room,semi-anechoic room

2021年12月20日(岡山)開催 <(一社)日本音響学会 騒音・振動研究会資料>

N-2021-51 【 PDF
 運転パフォーマンスに影響を与える音環境の検討
Study on sound environment that affects driving performance
 須藤 季砂、村尾 天地、石光 俊介 
Kizuna Sudo, Tenchi Murao, Shunsuke Ishimitsu
 広島市立大学院
 Hiroshima City University 
抄録

運転者は交通状況に注意を払い,適切な判断を下し,正確な操舵を行う必要がある.運転者がストレスを感じていると,交通事故を起こす可能性がある.ヤーキーズ・ドットソンの法則によれば,運転パフォーマンスと覚醒度は密接に関係する.そこで,ストレスを軽減し運転パフォーマンスを向上させる手法を検討した.音環境下での運転パフォーマンスに対する脳波,呼吸,心拍の関係を調べた.これらの結果から,呼吸フィードバック(FB)音はストレスを効果的に低減し,運転者のパフォーマンスを向上させることが示唆された.

抄録(英語)

Drivers need to focus on traffic conditions, make appropriate judgments, and execute precise controls. In this situation, if drivers are under stress, they may be distracted from their tasks. Consequently, they are more likely to cause traffic accidents. According to the Yerkes-Dodson law, driving performance and driver arousal are closely related. Therefore, we focused on the relationship between sound and driving performance and investigated sound environments that either reduced stress or improved driving performance. The relationship of electroencephalography, respiration, and heart rate on driving performance in a sound environment was investigated. These results suggested that the breathing feedback sound effectively reduced stress and improved the driver’s performance.

 音環境, 運転パフォーマンス, 脳波, HRV , 呼吸
 EEG , HRV , respiration , driving performance , sound environment 
N-2021-52 【 PDF
Musical Chillsの生体反応への影響と聴感印象に関する検討
Effect of Pleasurable Musical Chills on Driver s Physiological Response
亀山勇希1、谷本典之1、谷田部笙太2、石光俊介1
Yuki Kameyama1, Noriyuki Tanimoto1, Shota Yatabe2, Shunsuke Ishimitsu1
1広島市立大学大学院情報科学研究科府、2広島市立大学情報科学部
1Hiroshima City University, Graduate School of Information Sciences,Kyushu University, 2Hiroshima City University, Information Sciences
抄録

近年,車室内の静粛性及びカーオーディオ音質の向上により,運転時に高音質な音楽を楽しむことが可能となっている.それによって,運転中にゾクゾク感(Pleasurable Musical Chills)を感じることがある.ゾクゾク感は鳥肌感,高揚感及び感動のような生理現象であり,快及び喜びの情動をもたらすと考えられている.しかし,今までに高音質な音楽及びゾクゾク感がドライバの快適性や運転パフォーマンスに与える影響についての研究は報告されていない.本研究では,ゾクゾク感に着目して,様々なオーディオを用いて音楽聴取実験を行い,その時のドライバの生体反応を解析した.その結果,高音質な音楽によりゾクゾク感を感じた際に,高揚感及び集中度を高めることができた.

抄録(英語)

Recently, it has become feasible to enjoy high-quality music by improving the quietude of cars’ interiors and the sound quality of audio systems. This can result in the experience of a pleasurable emotional response: “pleasurable musical chills.” It is considered that musical chills, which include goosebumps and states of elation or of being moved, generate positive effects such as pleasure and joy. However, no studies have been reported on the effect of high-quality sound and musical chills on drivers’ comfort and driving performance. We focus on these musical chills by examining drivers’ physiological responses and investigating the influence of high-quality audio with various sound presentations. Physiological responses such as brain activity, breathing, and heartbeat were examined to reveal their relationship with musical chills and sound quality impression. It can be concluded based on the results that drivers experiencing musical chills through high-quality music could increase their elation and concentration. Thus, experiencing musical chills provides drivers a sense of pleasure and excitement. This would help in the design and sound quality evaluation of cars’ audio systems by clarifying the mechanism of emotional variations caused by listening to music.

 ゾクゾク感, Hi-Fiオーディオ, 生体反応解析, 模擬運転 
 musical chills , hi-fi audio , physiological response analysis , simulated drive 
N-2021-53 【 PDF
モータ軸周辺の開口部から放射される異音の特性に関する考察とその発生メカニズム
A Study on the Characteristics of Noise Radiated from Openings around Motor Shaft and Its Generation Mechanism
川尻典弥、野呂雄一
 Fumiya Kawashiri, Yuichi Noro 
三重大学
Mie-University
抄録

本研究では,シール付き軸受を使用した誘導電動機から,回転速度に依存しない特定の周波数成分を持つ異音が発生するメカニズムを,いくつかの簡単な実験によって明らかにすることを試みた。実験の結果,異音の発生源は,モータの回転時に軸受シールと軸受ケースが接触することで発生する広帯域の騒音であり,モータ軸とモータケースの隙間が共振器として機能し,その共振器が特定の周波数帯の騒音を増幅している可能性が示唆された。

抄録(英語)

In this study, we attempted to identify the generation mechanism of abnormal noise with a specific frequency component, independent of the rotation speed, from an induction motor using sealed bearings through some simple experiments. The experimental results revealed that the source of the noise is a broadband noise generated by the contact of the bearing seal with the bearing case during motor rotation, that the gap between the motor shaft and the motor case acts as a resonator, and that the resonator emphasize the noise of a specific frequency band.

 モータ音, ヘルムホルツ共鳴,ベアリング シール,誘導電動機
m otor noise,Helmholtz resonance,, sealed bearing, induction motor, sealed bearing, induction motor
N-2021-54 【 PDF
竜巻をターゲットとしたインフラサウンド観測の試み
Infrasound array observation focused on tornado detection and identification
 新井伸夫1、乙津孝之2、本橋昌志2、岩國真紀子2 
Nobuo ARAI1, Takayuki OTSU2, Masashi MOTOHASHI2, Makiko IWAKUNI2
1名古屋大学、2日本気象協会
1Nagoya University, 2Japan Weather Association
抄録

竜巻由来のインフラサウンド・シグナルを観測すること、その観測をもとに竜巻が励起するインフラサウンドの特徴を抽出し、他の現象由来のシグナルとの識別を可能とすることを目指し、愛知県豊橋市において、3点のアレイ観測を 2021年 6月 8日から開始した。 2021年 8月 9日の午前 6時 30分ごろ、豊橋市に隣接する愛知県豊川市で 竜巻が発生したとの情報を得て観測データを分析したところ、竜巻由来のインフラサウンドが観測されていた可能性のあることが明らかとなった。ただし、 風によるノイズの影響か、明瞭な波群として識別できたわけではないことから、さらなる検討が必要である。

抄録(英語)

Infrasound array observation has been started on June 8, 2021 in Toyohashi, Aichi Pref. The aim of observation is to make it possible to distinguish infrasound signals excited by tornadoes form signals derived from other phenomena. A tornado had been occurred around 6:30 on Aug. 9, 2021 in Toyokawa, Aichi Pref. Observed data is analyzed and infrasound signal generated the tornado is extracted. Since it could not be identified as a clear wave group, further studies are needed.

 インフラサウンド, アレイ観測, 竜巻 
 Infrasound , array observation , tornado